「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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英語ができなければ国が危い

古い書類を整理していたら「平成9年6月8日」の日経の社説の切り抜きが出てきた。

「使える英語、役に立つ英語を身につけたい」。これは日本人の国民的願望といっても過言ではない。しかしもはや願望だけではすまなくなりつつある。グローバル化する世界で国の将来が国民の英語能力に左右されるかもしれないのだ。」で始まって「失われるチャンスの大きさ」を説き、「目的意識を明確にせよ」と述べています。

今は「平成29年」ですから、この記事から20年が経ちました。この間の日本の世界における「地位」は定義にもよりますが、下降気味であることは間違いないようです。英語力も相変わらずのようです。

しかし、この20年間のAI(artificial intelligence)の発達は目覚ましいものがあり、将棋も囲碁も人間はコンピューターに勝てなくなりました。言語間の翻訳能力も格段に進歩し、東京オリンピックの頃にはスマホで各国語間の通訳ができ、会話出来るようになるとの報道もあります。無料で使える「Google 翻訳」で上記の日本語を英語に翻訳してみると下記の通りです。「完璧」とは言えないかもしれませんが、十分に「実用的」です。なお且つ、英語の発音は「完璧」です。著者はコンピューターの音声認識機能がどのレベルにあるのかを知りませんが、東京オリンピックの頃には十分に「実用的」レベルに到達しているものと思われます。ザックリ言えば、スマホを持っていれば各国語の個人通訳を雇っているのと同じになるということです。学校の外国語教育も、我々個人も、外国語習得に関しては「目的意識を明確にする」ことが求められているようです。

"I want to acquire useful English, helpful English." It is no exaggeration to say that this is a national desire of the Japanese. But aspiration is no longer going to be sorry. In the globalizing world, the future of the country may be influenced by the English ability of the people.

日本人の9割が間違える英語表現(18)

(018)「誰かに傘を取られてしまった」
日本人の英語:Someone got my umbrella.
ネイテイヴの英語:Someone took my umbrella.

この問題は「get」と「take」の意味の違いに因るものです。

「get」の主な用法:
to receive something:
What did you get for your birthday?
to obtain something:
Where did you get (= buy) that skirt?
to obtain or receive an amount of money by selling something:
How much did you get for your car?
to go to a place and bring someone/something back:
Get a drink for John.
to receive something as a punishment
He got ten years for armed robbery.
to receive broadcasts from a particular television or radio station:
We can’t get Channel 5 in our area.
to buy something, for example a newspaper or magazine regularly
Which newspaper do you get? (この場合は「take」も可)
その他「成績」「病気」を「貰う」場合にも使われます。

クラフトさんは『外からの何らかの働きかけによって「獲得する」というのが「get」の中核的な意味』と説明されていますが、著者は『(手段は何であれ)或る状態を「得る」』と捉えています。日本語の「・・・をゲットする」に近い感覚です。「I couldn’t get him to stop smoking.」は辞書では「彼にタバコをやめさせられなかった」の日本語を対応させていますが、「(色々努力はしたが)彼がタバコをやめるという状態を得ることは出来なかった」が本当のニュアンスです。

「Someone got my umbrella.」が使えそうな場面はなかなか思い浮かびませんが、ビンゴの賞品を寄付していて「誰かが私の傘を貰った」なら使えます。

一方「take」は「(自分の意志で手を伸ばして)自分のところに取りこむ」イメージの言葉です。ですから上記のГ任盪箸┐襪里任后

コンビニに傘を置き忘れて取りに戻るともうそこにはない場合には「誰かに傘を取られてしまった」「誰かが私の傘を持って行ってしまった」ということになるでしょう。持って行った人に悪気はなかったとしても「(自分の意志で手を伸ばして)自分のところに私の傘を取り込んだ」イメージですから「took」。

上記い痢Get a drink for John.」を「Take a drink for John.」としたら「ジョンのために一杯やれ」の意になるでしょう。

「誰かに傘を取られてしまった」を「My umbrella was stolen by someone.」とする人も多いと思いますが、「steal」は「を(こっそり)盗む」意ですから、コンビニに傘を置き忘れて取りに戻るともうそこにはない場合には少し「キツイ」表現に聞こえます。

似ていてそうで意味が異なる名詞(2)

言語学では「形が違えば意味も違う」というのは極めて重要な出発点です。このコンセプトの下、「コア(イメージ)概念」で編集されたのが「E-Gate」(ベネッセ)英和辞典で著者も愛用しています。

著者は著者のブログで現在「日本人の9割が間違える英語表現100」を解説しておりますが、これを補完する意味も含めて「似ていてそうで意味が異なる名詞」をいくつか取り上げてみました。

(02)「heart」と「mind」
■「heart」のコア概念は「ハート・マーク」の「心臓」です。「mind」との違いを際立たせるならば「情と結び付いた心」です。
■「mind」のコア概念は「知性と結び付いた心」「精神」です。

■「heart」
「My father has a weak heart.」は文字通り「父は心臓が弱い」ですが「She pressed her child to her heart.」は通例子どもを直接心臓に押しつけることは出来ませんので「heart」の意味が少しずれて「彼女は子どもを胸に抱きしめた」。

「My heart sank.」は「心臓が沈んだ」ではなく「(情と結び付いた)心が沈んだ」

「He won the lady’s heart.」は「彼はその女性の心臓を勝ち取った」ではなく「彼はその女性のハート・マークを勝ち取った」⇒「彼はその女性の愛情を勝ち取った」

「He has no heart for that kind of work.」は「彼はその種の仕事に情と結び付いた心を持っていない」⇒「関心がない」。

「get to the heart of the problem」は「その問題の心臓に到達する」⇒「その問題の核心に触れる」

「In the heart of Africa he understood real humanity.」は「アフリカの心臓部で、彼は真の人間性を理解した」⇒「アフリカの中央で、彼は真の人間性を理解した」

■「mind」
「Reading helps improve your mind.」は「読書はあなたの知性と結び付いた心の向上に役立つ」⇒「読書はあなたの知性の向上に役立つ」

「I can no longer picture her in my mind.」は「私はもう彼女の姿を知性と結び付いた心の中で描くことはできない」⇒「私はもう彼女の姿を思い描くことはできない」

「It never crossed my mind that there were other options.」は「ほかの選択肢たちがあることは私の知性と結び付いた心を横切らなかった」⇒「ほかの選択肢があるという考えは思い浮かばなかった」

「I’m going to lose my mind if I don’t get a break.」は「もし休憩を得ることができないなら私は私の知性と結び付いた心を失いそうだ」⇒「ちょっと休まないと気が狂ってしまうよ」

「Let’s turn our mind to the problem at hand.」は「身近にある問題に我々の知性と結び付いた心を向けよう」⇒「身近な問題に意識を向けよう」

「mind」は動詞では「注意する、気をつける」「気にする」の意ですが「知性と結び付いた心」のイメージを発展させて動詞として使っているものです。

■「heart」と「mind」とは「情」と「知」の関係にあります。「heartfelt」は「heart(情)+felt(感じられる)」で「心からの」の意。「mindful」は「mind(知⇒注意・関心)+ful(・・・に満ちた)」で「注意して」の意。なお「ハートフル(heartful)」は現代では和製英語と考えて下さい。「hurtful(有害な)」と理解されてしまうかもしれません。日本語の「ハートフル」は「heart-warming」で言い表せます。
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