昭和史20年の教訓(3)

 日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害

陸軍大学校優等卒の集まった参謀本部作戦課が絶対的な権力をもち、そのほかの部署でどんな貴重な情報を得てこようが、一切認めなかった。軍令部でも作戦課がそうでした。昭和史を引っ張ってきた中心である参謀本部と軍令部は、まさにその小集団エリート主義の弊害をそのままそっくり出した、と半藤さんは言っています。

「権力は腐敗する」ということでしょうか。その意味で民主主義の社会にあっては「政権交代」は絶対的に必要だと思います。

ぁ.櫂張瀬狎觚世亮諾が意思の表明でしかなく、終戦はきちんと降伏文書の調印をしなければ完璧なものにならないという国際的な常識を、日本人はまったく理解していなかった
国際社会のなかの日本の位置づけを客観的に把握していなかった、これまた常に主観的思考による独善に陥っていた、と半藤さんは言っています。

「日本の常識は世界の非常識」という言葉がありますが、我々は常にこのことを思い返すことで身を守っていく必要がありそうです。

何かことが起こった時に、対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想

これが昭和史の中で次から次へと展開された、と半藤さんは書いています。


結び
半藤さんは、昭和史全体を見てきて結論としてひとことで言えば、政治的指導者も軍事的指導者も、日本をリードしてきた人びとは、なんと根拠なき自己過信に陥っていたことか、ということでしょうか、と結んでいます。

歴史音痴の著者も今やっと読み終わることができました。今話題の「密約問題」では、政府は密約を交わしておきながら、国民には「存在しない」とウソの国会答弁を重ねました。米側文書などによってその存在が明らかになった後も、答弁を変えませんでした。これは国益のために情報を伏せたというより、自民党政権や官僚の保身のために隠したと解釈すべきでしょう。決して歴史に学んで行動に移しているとはいえません。「昭和史」を読んでの著者の感想は「悲しいかな、日本は決して世界をリードしていける国ではない」です。