「had better」

辞書には「had better」の意味は、「・・・すべきである」「・・・しなさい」「した方がよい」(比較的強い調子の提案、忠告、命令)と出ています。そして、文法書には「must」より弱いが、「should」より強い、というような趣旨のことが解説してあります。

著者は、これらとは異なる観点から再検討してみたいと思います。

「had better」は「これからのこと」について述べる時に使われるのに、形の上では「had」という過去形が使われていることに注目。英語では、通常の時制が崩れたときには、何らかの「心のゆらぎ」があります。所謂広義の意味での仮定法です。次の例文の下線部の意味を検討してみましょう。

Jack Hawkins was the football coach at an American college, and he was always trying to find good players, but they weren’t always smart enough to be accepted by the college.
One day the coach brought an excellent young player to the dean of the college and asked that the student be allowed to enter without an examination. “Well,” the dean said after some persuasion, “I’d better ask him a few questions first.”

この学長は過去にも優秀なフットボールの選手が必ずしも大学に受け入れられるだけの学力がないことを知っています。コーチがまた一人フットボールの選手を連れて来て、学長に入学させてくれと説得した後の台詞となります。「first」という言葉を使っていますので、次(second)を何かイメージしているハズです。「入学させるにしても」のようなイメージだと思われます。未来のことを仮定した上でので、現在の行動を述べるのに「had」が使われているわけです。従って「(入学させるにしても)先ず、いくつかの質問をした方がよさそうだ(するのが[一番]よさそうだ)」のイメージになるものと著者は考えます。

このように「had better」の使い方はかなり難しいので、著者はこの「had better」を使うことはお勧めしません。相手が言ったり、書いたりしたものを理解するときに上記の視点から眺めてみてください。“I’d better ask him a few questions first.” は、”I’ll ask him a few questions first.” で十分でしょう。