(17)「it = それ」と思っている傾向がある

「“Is this your handbag?” “Yes, it is.”」という言語材料を使って「"this” と“it”との違いは何ですか?」と質問すると「"this” は “これ”、“it” は “それ”の意味」という返事が多いです。これをそのまま使って「それは何ですか?」を “What is it?” と表現する生徒さんも多いです。

"this” は指示代名詞ですから、使う時には指差す必要があります。一方 “it” は代名詞で、前に出てきた言葉の代わりをします。従い、大げさに言えば、上記の “Yes, it is.” を言う時には、顔を横に向けていたり、下を向いていてもよいということです。

日本語では何かを指差すとき「これ」「それ」「あれ」を使いますが、英語の対応は「this」「that」「that」です。「それは何ですか?」は通例 “What is that?”とまります。

辞書には「it は日本語に訳さないことが多い」と書いてあるのは、日本語は分かっているものは表現しないという習慣があるからです(代名詞は前に出てきた言葉を受けるので、分かっていることが前提になります)。