(19)「あなた」と「you」は同じか

日本の英語の検定教科書では「you」の訳語は「あなた」となっています。この「あなた」を広辞苑で調べると〔楙紊籠映擇任△訌蠎蠅魴匹辰道悗晃譟文什は敬意の度合いが減じている)夫婦間で妻が夫を呼ぶ語と出ています。

日本語の二人称は、相手との位置関係によって、かなりの言い分けを必要とし、対等以下の相手には「おまえ」「てめえ」等の二人称代名詞はあるものの、目上に対しては「あなた」も実際上は使えないので二人称代名詞は使えません。そのため「・・さん」「先生」「先輩」「部長、課長」等々相手の名前や地位の名称で呼ぶことになりますが、もちろん、これらは人称代名詞ではありません。しかも、もっとも多い言い方は、二人称主語を立てない言い方だそうです。一人称代名詞についても、もっとも多い言い方は、主語を立てない言い方です。日本語では「自分」「相手」を呼ぶ場合には時と場所を選んで言葉を選択する必要が出てきます。それを避けるために「主語」を省くのは自然の成り行きでしょう。

英語の「you」は基本的には、どのような場合でも人称代名詞として二人称に使われます。一人称代名詞の「I」も基本的には、どのような場合にでも使えます。

「主語」を省いて会話をする習慣のある日本人が、必ず主語を必要とする英語を操る場合には「誰が」「何が」「・・・する」の絵(イメージ)が十分描けない伏線がありますので、先ずこの習慣を身につける必要があります。この習慣が身につけば、「易しい英語」で「日本語で表現すれば難しいこと」を簡単にしゃべれるようになります。