(21−1)「ここはどこ?」と「私はどこにいるのか?」

前者をそのまま英語にすると “Where is here?” となってしまいますので、流石にこのように反応する生徒さんはいませんが、結局のところ黙ってしまうことが多いです。頭の中の絵(イメージ)を見れば「私」が一番目立つハズですので “Where am I?” が英語的な表現です。

(21−2)「ここには誰もいません」と「ここには私以外誰もいません」

英語は鳥瞰的に物事を見る傾向があります。その為自分をあたかも他人の如く客観的に見ることができます。しかし、前者を “There’s no one here.” と言ったとしても、論理的な矛盾はあるものの誤解を受けることはないものと考えます。

言語学者の池上嘉彦氏は、この特徴を「日本語=ゼロ化される主体」「英語=自己の他者化」と説明されております。私は「ここはどこ?」という表現は、「ここは」と先ず場を設定し、必要な情報である「どこ?」だけをくっつけたものと思います。その意味では寿司屋で「私はトロ」というのと似ていると思います。本質は日本語の表現に「主語」がないことだと思います。「ここには誰もいません」も、日頃日本語では主語を言わないので、絵(イメージ)の中で自分を強く意識しない結果であるとも説明できます。