次は有名な Winnie the Pooh and the Honey Tree の最初の部分です。

『Winnie the Pooh sat on the log outside his little house.』

この文を日本語に訳そうとすると、「くまのプ―さんは彼の小さな家の外の丸太の上に座った」とする人が多いと思います。しかし「くまのプ―さんは彼の小さな家の外の丸太の上に座っていた」という訳も可能です。

私の英和では「sit」の訳語は「座る、座っている、腰かけ(てい)る」と「sit」には、動作動詞・状態動詞の両方の使い方があることを示唆しています。どちらの訳の方がベターかは文脈によりますが、この文の前に「くまのプ―さんは家から外に出た」というようなものがあれば「座った」が自然でしょうが、物語の出だしでは「座っていた」の方が自然だと思います。

ある検定教科書には「sit 座る、腰かける」「sit down 腰かける」と出ていますが、このように並べると『誤訳』に近くなります。私なら「sit 座っている、腰かけている」「sit down 座る、腰かける」とします。因みに「sit up」は「上半身を起こす、寝ずに起きている」。「sit=座る」と決めつけるのは危険です。

一方、動作動詞は進行形にできるが状態動詞は通例進行形には出来ないといわれていますが、一時的なことを示すため、あるいは強調のために進行形を使うこともあります。次はその一例です。

I’m having breakfast.(朝食を食べているところです)
I’m loving it! →マックのコマーシャル。「マック大好き!」
I wear a ring, and he’s wearing a ring today.「私はいつも指輪をしているが、彼は今日は指輪をしている」
She’s just being polite.(彼女は努めて失礼にならないようにしているだけです)