イエスは逮捕される直前に12人の使徒とともに夕食の席につきました。これが有名な「最後の晩餐」です。ダ・ヴィンチが描いた『最後の晩餐』では、イエスが正面に描かれていますが、その左隣がヨハネ、次がペテロ、そして次がユダです。

現在も裏切り者の代名詞のように使われているユダですが、もともとは弟子の中では理性的でペテロと並ぶリーダー格であって、会計を任されていたようです。

そのユダが何故裏切ったかは4つの福音書で夫々異なる叙述となっています。

(1) マタイによる福音書:
Then one of the twelve disciples – the one named Judas Iscariot – went to the chief priests and asked, “What will you give me if I betray Jesus to you?” They counted out thirty silver coins and gave them to him. From then on Judas was looking for a good chance to hand over to them.
文字通り受け取れば。「金に目が眩んだ」ということでしょう。
(2) マルコによる福音書:ユダガ金でイエスを売る約束をしたことが書かれています。
(3) ルカによる福音書:ユダは金でイエスを売る約束をしましたが、その前に次の記述があるところが上記2つの福音書と異なります。
Then Satan entered into Judas, called Iscariot, who was one of the twelve disciples.
「サタンによる操り」ということです。
(4) マルコによる福音書:
He said this, not because he cared about the poor, but because he was a thief. He carried the money bag and would help himself from it.
人が悪いことをするのは、当時はサタンが人間の体内に入ってきてそうさせると信じられていましたので、やはり「サタンによる操り」ということだと思います。

その後、ユダは罪の意識に苛まれ、貰ったお金を返却した上で血を流して死にますので、著者は「人間にはいつも悪魔がささやいてくる」というイエスの忠告であり、裏切られることを知った上で、人間の罪を購うためにイエスは十字架の上で死んでいったものと考えています。