前に前置詞「with」について解説した時は「動詞を修飾する用法」「名詞を修飾する用法」という切り口でした。しかし、これでは枠組みを与えられ、その中で問題を解決するようなもので「知識の整理」にはよいかも知れませんが、「実践」の場での活用には不親切な面があったと思います。そこで今回は前置詞「with」は『日本語の「・・・とともに」が基本的なイメージ』ということだけから出発して解説し直してみます。更に、「with」を使わない表現例も追加します。

Come with us.:英語では前置詞の前で一旦絵(イメージ)が完結しますので、この文は「Come / with us.」と2つの絵(イメージ)が合成されていることになります。『「来なさい」+「我々とともに」』で「with us」が追加の情報であることがわかります。結果として「with us」は「Come」を修飾し、日本語の「私たちと一緒に来なさい」の意になります。

I rise with the sun.:「I rise / with the sun.」。『「私は起きる」+「太陽とともに」』。人間が太陽と同衾しているイメージは通例描き難いので「私は日の出と共に起きる」というイメージになります。「私は日の出と共に起きる」を表現するには「I get up when the sun rises/goes up.」も可。

She came / with good news.:彼女は来た、良い知らせとともに→彼女は良い知らせを持って来た。「彼女は良い知らせを持って来た」は「She brought me/us good news.」で表現することもできます。

You shouldn’t talk / with food / in your mouth.:あなたはしゃべるべきでない、食べ物とともに、あなたの口の中で・に・の→口に物を入れたままでしゃべってはいけない。「口に物を入れたままでしゃべってはいけない」は「Don’t speak when food is in your mouth.」でも通じるでしょう。

I’ll leave the dog / with a friend.:その犬を残しておくつもりだ、1人の友達とともに→犬を友達に預けるつもりだ。「leave … with」で「〈もの・ことを〉〔人に〕託す、預ける」の意の成句ですが、これを知らなくても前置詞「with」は『日本語の「・・・とともに」が基本的なイメージ』ということを知っておれば、文脈があれば書いたものを理解するには問題ないでしょう。「犬を友達に預けるつもりだ」は、「I’ll ask a friend of mine to take care of the dog.」でも通じるでしょう。

A blue shirt goes / with your pants.:青のシャツはいつも行く(動作を表す動詞が単純現在形で使われている場合は「習慣」を表します)、あなたのズボンと一緒に→青のシャツがあなたのズボンに合う。言い換え例:「A blue shirt suits/matches your pants.」

Are you / with me / or / against me?:君は存在しているか、僕ととも、それとも僕に対抗して→君は僕に賛成か反対か。しっかりした文脈があって Are you with me?(あなたは私とともにいるか)と言われれば「あなたは私に賛成か」の意になります。真っ暗な洞窟の中を歩いているような場合なら「ついて来ていますか」の意になるでしょう。「君は僕に賛成か反対か」は文脈にもよりますが「Do you like my idea or not? 」「Will you follow me or not?」等で代替できます。

What’s the matter / with you? :その事柄は何か、あなたとともに→(英語では後に出て来る語句は、その前の語句を説明する傾向があるので)貴方とともにいる事柄は何か?→どうしたの?)

a boy / with short hair:1人の少年、短い髪とともに→(英語では後に出て来る語句は、その前の語句を説明する傾向があるので)短い髪と一緒にいる1人の少年→短い髪を持った男の子→髪の短い1人の少年)。「a boy who has short hair」でも可。

kill two birds / with one stone:二羽の鳥を殺す、1つの石とともに→人間と1つの石がタッグを組んで二羽の鳥を殺すイメージはSFの世界では成り立ちますが、日常生活ではここまで想像力を働かすのは無理でしょう。

そこで「with」は『日本語の「・・・とともに」が基本的なイメージ』では」ありますが、便宜的に、このイメージが発展して『「・・・で」という日本語が対応する「手段・方法・道具・原因・材料」を表す』と覚えるとよいでしょう。即ち「・・・とともに」のイメージがしっくり来ない場合には「・・・で」のイメージで再トライしてみて下さい。

kill two birds / with one stone:殺す、1つの石で→一つの石で二羽の鳥を殺す→一石二鳥)。言い換え例:「kill two birds / using one stone」

She was shivering with cold. 彼女は震えていた、寒さで→彼女は寒さで震えていた。言い換え例:「It was very cold and she was shivering.」

the mountain / covered / with snow:その山、覆われている、雪で→雪で覆われた山。関係代名詞を使って「the mountain which is covered with snow」でも同じです。「雪で覆われた山」をこれ以外の言い方に換えるのは難しいので「covered with …」という表現は覚えて下さい。敢えて言い換えるなら「Snow covers the mountain.」

with great care:すごく大きなケアで→細心の注意で。換え例:「very carefully」

deal / with the big company:「取り引きする、大企業とともに」も「取り引きする、大企業で」もピンと来ませんね。

そこで「deal」のように相手を必要とする動詞が「with」と共に使われている場合には、「・・・と」のイメージを当てはめてみて下さい。

deal / with the big company:「取り引きする、その大企業と」→その大企業と取り引きする。「deal with …」は「・・・と取引する」の意の一種の成句です。言い換え例:「We sell our goods to the big company.」「We buy from the big company.」

I don’t like / to talk / with him.:私は好きでない、話す(こと)、彼と→彼と話したくない。「talk with …(・・・と話す)」も一種の成句と考えてよいでしょう。「talk」も相手が必要です。その相手を「with」で示しています。「talk with …(・・・と話す)」も他の言い換えは難しいので覚えましょう。

We met / with a traffic accident.:私たちは遭遇した、交通事故と→(私たちは交通事故に会った)。「meet」も相手が必要です。その相手を「with」で示しています。「私たちは交通事故に会った」は「There was a traffic accident and we were there.」でも通じるでしょう。

break / with tradition:壊す、(相手は)伝統と→壊す、(相手は)伝統→伝統を捨てる。「break with …」も「(伝統・習慣など)を捨てる」の意の成句。「中断する」は「対象」が必要です。その「対象」を「with」で示しています。「伝統を捨てる」は「throw away tradition」「say goodbye to tradition」等でも通じるでしょう。

It’s OK / with me.:それはOKです、私とともに→(英語では後に出て来る語句は、その前の語句を説明する傾向があるので)→それは私にはOKです。

以下同様に「気持を表す形容詞」の後の「with」は「・・・には」の日本語が対応します。以下の例文の言い換えは難しいです。

Be patient / with other people.(他人に〔は〕辛抱強くあれ)
You are really gentle / with me / recently.(最近私に〔は〕やさしいんだね)
I’m angry / with the boss.(私は上司に〔は〕腹を立てている)

同じ形容詞でもkind(親切な)、polite(礼儀正しい)、rude(不作法な)のような性格を表す形容詞の場合は with ではなく to が使われます。性格を表す形容詞の場合は「・・・に対して・・・な行動を取る(性格が行動に現れる)」というイメージなので to が選択されるものと思います。
He was very kind / to me. (彼は非常に親切であった、私に対して)

受験対策的な纏め方をするなら、
「with」に出会ったら「・・・とともに」「・・・で」「・・・と」のイメージを当てはめてみる。「with」の後が形容詞なら「・・・には」のイメージを当てはめてみる。
しゃべる場合は、言い換えが難しい表現は覚えるしかありません。