以下は前に解説したものに加筆したものです。

前置詞の中では一番多様な使い方がされ、我々には難しい前置詞です。E-Gateでは『「出所」と「帰属」を同時に示す前置詞である』と説明されています。例えばA of Bでは「AはBから出ると同時に、Bに帰属している」ことを意味します。a man of Parisは「パリから出てきた」と同時に「パリへの帰属」を意味しますが(「パリ出身の男性」)、He is a man from Paris. は、厳密には、単にパリから出て来た男性を意味し「パリへの帰属」は意味しません→各地に事業所があり、全事業所会議をやっているような場合。a man of genius (天才)も同じ使い方と考えてよいでしょう。しゃべる場合には「He is a Parisian.」「He is a genius.」でもOKだと思います。

また、前置詞は通例、その前で絵(イメージ)が完結しますが、「of」は逆に「of」の前後の語句が「密接な関係にある」ことを表します。ですから「of」に出会ったら、そこで立ち止まることなく次の前置詞まで読んで下さい。

ten miles west of New Yorkは「ニューヨークの西方10マイルに(ある)」の意ですが、話者には同時に「その場所はニューヨークの一部である」という意識があります。単に「起点」を表す場合は「ten miles west from New York」。「ビンの底」は、全体と部分の関係を表わすのでthe bottom of a bottle、「ビンのラベル」や「ビンの水」では、ラベルや水はビンの一部ではないので、夫々 the label on the bottle, the water in the bottleと表現されます。「出所」と「帰属」のどちらに強調があるかにより多様な用法が生まれます(但し常に両方の要素を持っています)。

the top of a tower(塔のてっぺん)
the legs of a desk(机の脚)
the end of the street(この通りの端)
以上は「ある物の一部」を表しており、理解しやすいし又使い易いですね。

She is the fastest runner of all. :A of Bは「AはBから出ると同時に、Bに帰属している」ことを意味しますので、ここでは「the fastest runner」=A、「all」=Bになります。「一番早い走者は皆から出て、皆に帰属する」→彼女はみんなの中で一番早い走者です。しゃべる場合には「She is the fastest runner in the class.」のような表現も可能です。

Of 300 persons, only 12 passed the test. (300人のうち、たった12人が試験に合格した)→ Only 12 (out) of 300 persons passed the test. ということです。しゃべる場合には「300 persons took the test and only 12 passed.」のような表現も可能です。

five minutes of nine (9時5分前→この5分は9時から出て9時に帰属するイメージなので厳密な日本語訳は「8時55分」ではありません)⇒著者は「eight fifty-five」(米式)を奨励します。

He is a good friend of mine. (彼は私のよい友達です)→この表現は覚えましょう。 a student of Mr. Nishimura’sなら「西村氏の教え子の一人」、a student of Mr. Nishimuraなら「西村氏研究家の一人」となります。「私は友達と箱根に行きました」のような場合にはI went to Hakone with a friend of mine. の様にofの後には所有代名詞を持って来ること。 mine = my friendsで a good friendはmy friendsから出て、且つ my friendsに帰属するイメージです。 He is my friend. ということも出来ますが、その場合には「私にはたった一人しか友達はいないが、その友達」という意味にも解釈できるのでa (good) friend of mineという表現は是非覚えましょう。

Someone robbed me of my money. (誰かが私から金を奪った)
“rob someone of something” で「人から金・物等を奪う」という意味の「決まり文句」ですから覚えてしまえばそれまでですが、その理屈は次の様に考えると納得できます。A of B のパターンに当てはめるなら Someone robbed me = A、 my money = B となります。「Someone robbed me」という行為は「my money」から出ており(出所)「私の金目当てで私を襲った」の意になります。同時に「Someone robbed me」という行為は「my money」に帰属しますから、「実際に私のお金を手にいれた」→「誰かが私から金を奪った」。しゃべる場合は「Someone took my money by force.(誰かが力で私の金を取った)」でも同じようなイメージは送れると思います。なお、強奪ではなく「こっそり盗む」の意なら “Someone robbed/stole all the money from us.” の様な使い方も出来ます。

She accused me of telling a lie. (彼女は私がうそをついたことで私を責めた)。
→ [She accused me] of [telling a lie]. に分けてみると前者が行為、そして後者が「行為の出所」であることが分かります。しゃべる場合には「She blamed me for telling a lie.」でもよいでしょう。

I’m very proud of you. (私はお前が自慢だ)([I’m very proud] の出所が [you])
この表現は覚えましょう。

die of cancer (ガンで死ぬ)([die] の出所が [cancer])。
この表現も覚えて欲しいですが「die due to cancer」「die because of cancer」等でも通じるでしょう。

There are many theories of communication. (コミュニケーションの理論が多数ある)
この「of」は「関連」を示しています。「about」「on」でも表すことが出来ますが「of」「about」「on」の順で関連性が弱くなるイメージです。

It’s important to have a feeling of gratitude. (感謝の気持ちを持つことは大切だ)
「feeling」=A、「gratitude」=Bに当てはまりますが、このAとBが密接な関係にあることを示す「of」の使い方で「・・・という」「・・・の」の日本語が対応します。E-Gateでは「同格・内容表示」と説明しています。「感謝の」というニュアンスに当てはまる的確な形容詞がないので「of」を使って後置修飾していると考えることもできます(grateful は叙述する場合にのみ使えます)。小生が昔駐在していた「チャタヌーガ市」は「the City of Chattanooga」で表現されます。

I want to live in a house of wood. (私は木の家に住みたい)。「I want to live in a wooden house.」でも同じ。「wooden」は「木の」の意の形容詞です。この文は「I want to live in a house which is made of wood.」の省略と考えることができます(完成品を見て材料が分かる場合は of 、分からない場合は from が使われます)。