以下は前に解説したものに若干加筆したものです。

「for」
イメージは「気持ちが・・・に向かって」です。「・・・に向かって(の)」「・・・の為に(の)」等の日本語が対応します。(の)がつくのは「forに率いられた前置詞句」がその直前の名詞を修飾する場合。

向かう方向を強調し、対象(for の目的語)を心理的に指差しているイメージです。心理の目線が、「・・・に向かって」いるだけで、後述するto とは異なり向かった先まで行き着くことはありません。次の例文を読む時、forの所で forの後の語・句を指差してその方向に目線を向けて見て下さい。きっと、 forのイメージが生き生きと理解できると思います。

a train / for Osaka(大阪に向かっての汽車→大阪方面行きの汽車)⇒「a train to Osaka」なら「大阪行きの汽車」ですが、現実的には同じ。
start / for Kyoto(京都に向かって出発する→京都に着くかどうかは分からない)⇒「start」という動詞の性格上「start to Kyoto」はおかしいです。

What is this knife / for? (このナイフは〔心理の目線が〕何に向かって存在しているのか→ナイフは道具であり心理的には普通目的・用途がイメージされます→このナイフは何に使うのか)。因みに「肉切り包丁」は「a carving knife」、「登山用ナイフ」は「a mountaineering knife」、「刺身包丁」は「a sashimi knife」。「用途」は「for」がピッタリです。
I’m waiting / for the bus. (私は〔心理の目線が〕バスに向かって待っています→バスを待っています)

Milk is good / for your health. (ミルクは健康の為によい)⇒「to your health」ですと「あなたの健康に直接影響する」イメージになります。後述参照。
What can I do / for you? (私はあなたの為に何が出来るか?→何にいたしましょうか〔店員の決まり文句〕)。「to you」ですと「俺はお前に直接どんなことが出来るか」となり「仕返し」みたいなニュアンスになるでしょう。
Let’s save some money / for emergencies. (非常時に備えてお金を貯めよう)。 emergenciesを否定的なイメージで捉えるならforでなくてagainst。
a good place / for (a) camp(キャンプに向いた場所)⇒「a good place to camp」も同じニュアンスになりますが、この場合の「to camp」は不定詞。

Are you / for / or / against the plan? (その計画に賛成か反対か)

stay / for a month(1ケ月滞在する)→「for」は「a month」という時間の流れを指差しています。

I’m speaking / for my classmates. (クラスメイト全員の為に話をしています→クラスメイトを代表して話をしています)

次は少し難しい使い方ですが、理屈ではなく覚える方が早いです。
exchange yen / for dollars(円をドルに両替する)
one divorce / for every four marriages(4件の結婚に対して1件の離婚)
Can I make an appointment / for 5 o’clock? (5時に予約できますか)⇒「at 5 o’clock」ですと、予約するという行為を5時にするイメージになるでしょう。
What will you give me / for my birthday? (誕生日には何をくれるの?)
It’s too early / for supper. (夕食には早すぎる)
known / for .... (・・・で知られている、・・・で有名である)⇒「known to …」ならば「・・・に知られる」の意になります。
For that matter, I apologize. (気持ちがその件に向かっては、謝ります→その件に関しては、謝ります)

It is very important / for him / to be more patient.(〔彼が〕もっと辛抱強くなることは〔彼にとって〕非常に重要である)→「判断の対象」を示すと共に不定詞の意味上の主語を表わします→不定詞の意味上の主語であることを強調するあまり、英和辞書ではforの意味を訳していません。英語的には〔彼にとって〕という判断の対象を示すことが先であり、不定詞の主語が何になるかは次の問題です。「〔彼が〕もっと辛抱強くなることは非常に重要である」という日本語は「誰にとって」という判断の対象が示されておらないので意味が明瞭ではありません。 for は単に不定詞の主語を示す文法的な意味しかないのではありません。

「to」
イメージは「指差す〔→〕」です。

「・・・に向いて」と方向を示す前置詞には他に at, for, toward があります。at は「・・・をめがけて」、for, toward は「そちらの方に向かって」の意味になりますが、to は「to が支配するところまで」の意味を含むと考えて下さい。従って、to の意味を「・・・に」と覚えた人は「・・・まで」と覚え直す方が、応用範囲が広いかと思います。

I’m going / to the bookstore.(本屋まで行くところです)

She went / to the convenience store / at nine a.m. (彼女は午前9時にコンビニまで行った→午前9時にコンビニに着いたという含意があります)
She went / for the convenience store / at nine a.m. (彼女は午前9時にコンビニに向かって行った/問題のコンビニを捜しに出かけた→コンビニに着いたかどうかは不明)

the way / to the station(駅までの道)。[to the station] が [way] を修飾していて「特定」する意識が働き「the way」。
Turn / to the left / at the next corner. (次の角を左に〔=左の方向まで〕曲がりなさい)
change / from bad / to worse(悪い状態から更に悪い状態に〔まで〕変化する)

I teach piano / to children. (私はピアノを子供たちに教えている)。SVOO(第4文型)をSVO(第3文型)に直すと、前の間接目的語(ここではchildren)の前に通常 to を持って来ます。「教えている」という行為の行き先が children ということです。

What happened / to you? (君に何が起こった)→「起こった」という行為の行き先が you。
Keep / to the right. (「keep しろ、右に」→右側通行)

Sleeping is important / to your health. (睡眠は健康に〔直接的に〕大切だ→睡眠を取らなければ健康にはなれない)
cf. Milk is good / for your health.(牛乳は健康〔の為〕によい→健康のための1つの手段)

from Monday / to Friday(月曜日から金曜日まで)
The water rose / to my knees.(水は膝まで上がって来た)
Our hometown is / to the northeast of the city.(我々の故郷はこの都市から〔離れて〕北東に向いた所に存在する〔しかし、ofが使われているので、この都市の一部という認識〕→我々の故郷はこの都市の北東にある)。 to の代わりに on なら「この都市と北東で接して」、in なら「この都市の北東部に」の意となります。

a cup of water / to a cup of rice(米1カップに対して水1カップ)→ [a cup of water] が [a cup of rice] に向き合っているイメージです。しかし、主役は [a cup of water] ですので to a cup of rice は [a cup of water] を修飾して、「米1カップに対しての水1カップ」の意です。

I prefer A / to B. (BよりAが好きです)→ prefer はラテン語から来ており、意味は like better で、動詞そのものが副詞の比較級を含んだ意味を持っています。形容詞・副詞の比較級では比較の対象を than で表しますが、動詞そのものが副詞の比較級を含んだ意味を持っていて比較級が使えないので、比較の対象を、「向き合っている」イメージのある to で示します。superior(より優れている)、inferior(より劣った)、prior (〔順序が〕より前の)等も皆同じです。

the key / to the door(ドアに向き合った鍵→ドアに合う鍵→ドアの鍵)。the key of the door なら、key が the door の一部である印象が出てきます。

dance / to music(音楽に合わせて踊る)
stand face to face (back to back)(〔顔と顔が〕向き合って立つ、〔背中合わせで〕立つ)。「face to face」「back to back」で夫々1語と考えて下さい。

to my surprise (驚いたことに)
to the best of my knowledge(わたしの知る限り)
to date(現在までのところ)
最後の3つは所謂イデイオムですが、何れも to のイメージは〔→〕です。

「to」 は、他の多くの前置詞と異なって動詞の原形を伴うことが出来、不定詞を導くのにも使われますが、この場合もイメージは同じです。指差す先が「動作」を表すだけです。