「must」の過去形は通例「had to」が使われるが「must」が過去形として使われることがある。
It was too late now to retreat, he must make good his word or incur lasting disgrace. (もう引くに引かれない場合となった、彼は自分の言葉を実行するか、さもなければ永久の恥をかかねばならない事態となった)

⇒「どうしても・・・する」「・・・しないではおかない」(主語が自らに課した義務)の場合は「must」が過去形で使われると辞書にも書いてあります。「have to」は「must」程は強い印象を与えないからではないかと思われます。

同じく、「(過去のことについて)(人が)迷惑にも・・・した」という場合に「must」が過去形として使われることがある。
Just I was busiest, he must come worrying. (私の一番忙しい時に彼がやってきてじゃまするとは)

⇒やや古い用法のようです。
I was just going to bed, and then he must ring me up. (ちょうど床に入ろうとした時に、腹立たしいことに彼が電話してきた)

“You had better (or best)” は「さしず」をする口調であるから、その点に注意すること。
You had best keep silent. (だまっているのが一番よい)

⇒“had best” は“had better”の強意形ですが非標準とする人もあるようです。

主節の動詞が過去の類ならば従属節の動詞も過去の類でなくてはならない。これを「時制の一致」という。但し、「不変の真理をいう現在は主節の動詞が過去でも、従属節は現在形のままである」「従属節が表すことが過去から現在にわたっての習慣であるときも、動詞は主節の動詞によって影響されない」「史上の事実を独立的に(ほかのできごととの時間的比較をしないで)言うときは、主節の動詞が過去でも、過去完了にならない」。

⇒上記のことを簡単にいうと「過去の領域に見える事象を述べる場合には、主節であろうと、従属節であろうと過去形(含む過去完了形)を使わなければならない」ということです。日本語で「アメリカに行く前に英語の勉強をした」という場合「アメリカに行く」「英語の勉強をする」という行為は、この発話時点から見れば両方とも過去の領域に見えるハズですので “I studied English before I went to America.” となります。

人の言葉をそのまま伝えるのを直接話法といい、趣旨のみを取り、自分の言葉に直して伝えるものを間接話法という。間接話法では「時制の一致」が働く。
He said, “I am a student.” (彼は「私は学生です」といった):直接話法
He said that he was a student.(彼は学生だといった):間接話法