一昨日の続きです。

「住めば都」の意味は
(1) どんな所でも住み慣れてしまえば、そこが最も住みよい土地になる
(2) 住むのなら都会がいい
のどちらでしょうか?

若い人の半数は(2)と答えるようです。

さて「住めば都」の英訳ですが、著者の和英辞書では「There is no place like home.」と出ています。これは「埴生の宿」の一節(「Be it ever so humble, There’s no place like home.」)から引用されたものです。「どんなにつつましいところであっても我が家に勝るところなし」の意ですので「住めば都」の訳としては間違いだと言っていいでしょう。なお「埴生の宿」とは「土間にむしろを敷いて寝るような貧しい小屋」の意です。

「・・・の気に入るようになる」という表現に「grow on/upon …」という成句があります。「I didn’t like boxing at first, but it has grown on me.(初めはボクシングが嫌いだったがだんだん好きになってきた)のように使われます。「This place has grown on me.」は「私はこの場所がだんだん好きになってきた」の意ですので「住めば都」に近いニュアンスになります。少なくとも「There is no place like home.」よりはニュアンスが近いと思います。「Having lived here for some years now, I don’t want to leave. This place has grown on me.」のようにすれば「住めば都」のニュアンスがよく伝わると思います。