「You are ライスカレー」の「You are」の使い方は間違っているか?

NHKの朝ドラでレストランのマスターは注文の確認の時「You are ライスカレー」のように日本語(「あなたはライスカレー」)をそのまま英語に置き直しています。

この使い方は鮨屋で注文時「私はトロ」を「I am tuna.」を例として「日本人の通じない英語」の典型例としてしばらく前によく取り上げられていました。

結論的に言うと、この使い方は大抵は間違いですが、実際には使われる場合もあるようです。「ジーニアス英和大辞典」の「be」を隅々まで読むと書いてあります。『略式では Are you cosmetics? ((百貨店で)化粧品売り場(の人)ですか?)/ Are you five? ([エレベーターで)5階ですか?]などのような省略形もみられる』

なぜ「省略形」が使われることがあるのかを考えてみます。
省略しても誤解されない場面で使われる。上記の例では、百貨店で「あなたは化粧品ですか?」と聞かれれば「化粧品売り場(の人)」と間違いなく理解できます。エレベーターの例も同じです。
元々「I am」「You are」「He is」等には「私は」「あなたは」「彼は」等の意味しかありません。「be」には2つの異なる意味があります。1つは「連結動詞」として「・・・である」の意。もう1つは「存在を示す」働き(例えば The radio is in my room.)。
この「連結動詞」の働きの1つに「場の設定」があると考えます。「場の設定」とは単に「私は」「あなたは」「彼は」だけではなく「私はね」「あなたはね」「彼はね」と「ね」をつけ加える働きです。「場の設定」ですから、この場合無意識に「I am」「You are」「He is」の後に微妙な「間」があるハズです。「間」があるということは「新しい情報を送りますよ」というサインを送っているということです。
ですから「省略しても誤解がない場面」且つ「間」も動員していることの両方を満足している場合に省略形が使われることもあるということでしょう。

「I am tuna.」の場合、例えば、何人かのグループで鮨屋に入り、最初に各自がオーダーし、出来あがった時にお店の人が同時に配る場合には「私はトロ」という表現を使うと思いますが、この場合は「私=トロ」の意味ではなく「私はね(場を設定)トロ(を注文しました)」の意味で使っていますので、この使い方は省略しても問題ないでしょう。