「ward」には2つの使い方があります。

(1)1つの独立した単語として
(2)「・・・の方向の(へ)」の意」の形容詞・副詞(時に前置詞)を作る接尾語として

(1) は日本では「区」に対応して使われることが多い(多かった)ようです。ジーニアス英和大辞典でも「Chiyoda Ward = 千代田区」と載っています。現在の千代田区のホームページは「Chiyoda City」表記です。著者は外国に手紙を出す時は「Ota-ku」の表記にしています。

この言葉の語源は「見張る、保護する」「見張、保護」でした。このため「病棟、病室、監房」「被後見人」「後見」「監視、監禁」「管理人」の意でも使われます。「区」もこのようなニュアンスを引きずっているハズです。英英では「in Britain : one of the areas into which a city is divided and which elects and is represented by a member of the local council」と説明しています。東京都は決して「city」と呼べる程小さな規模の行政区ではありません。こんな経緯があって、昔は「Chiyoda Ward」と表記していたものを「Chiyoda City」に切り替えたものと推察します。「ward」に関連した語に「aware(・・・に気がついて)」「beware(に用心する)」「wardrobe」「reward」「award」等があります。

「wardrobe」は「ward(保護する)+robe(衣服)」で「洋服だんす、衣装戸棚」の意。「reward」は「re-(後ろ)+ward(見張る)」で「(奉仕・功労など過去のことに対する)報酬」「(過去の悪事に対する)報い」の意。この「re-(後ろ)」は「recede(退く)」と同じ使い方。「award」の「a」は「wait」と「await」との関係で分かるように単に「強意」の味付けをするだけです。「良く見張る」⇒「そして判定して与える」イメージから「を授与する」「賞」。

(2)は「forward / forwards」「backward / backwards」「toward/towards」「eastward / eastwards」のように使われます。