「wait …」と「wait for …」

「・・・を待つ」は中学校で「wait for …」と習い、試験でもよく出題されたので「for」が必要なことを今日まで疑ったことがありませんでした。

ところが、ひょんなことで辞書を調べてみたら「wait …」と「他動詞」としての使い方があることを知りました。

(The Grand Century)
[機会、順番、命令など]を待つ、待ち受ける
I’m waiting my chance to get even with him. (彼に仕返しをする機会を待っている)
Wait your turn. (順番を待ちなさい)

(E-Gate)
(人が)(機会、時、命令など)を待つ、待ち受ける《通例次の表現以外は wait for が普通》
wait one’s chance [opportunity] (機会を待つ)
You must wait your turn. (順番を待たなければいけない)《wait for your turn とはいわない》
Success waits you. (きっとうまくいく(ことだろう))

上記と「I’m waiting for a bus.(バスを待っています)」のように「for」がある場合の違いは何だろうか?

理屈で言えることは「I’m waiting for a bus.」は「I’m waiting」の後に前置詞が来るので一旦そこで絵(イメージ)は途切れるということです。「私は待っています、(気持ちが)バスに向かって」で「待っている」ことに比重があります。この場合、私は単に待っているだけでバスに対しては直接作用することはありません(ですからバスが来るか来ないかは主語の作用が及ばないところにかかっています)。もし「I’m waiting a bus.」という表現が許されるとすると、これは「SVO」ですので「SVO」が夫々同等の比重を持つことになります。即ち「私が」「バスに」「何らかの直接的な作用をする」(バスが来ることが前提)イメージになります。ですから「待つ」という動詞は基本的には「自動詞」で使われるのが自然なハズです。《通例次の表現以外は wait for が普通》という註釈はこのことを言っているのだと解釈します。
「wait one’s chance [opportunity]」は「機会は必ず来るのだからそれまで待て(wait until one’s chance [opportunity] comes)」、「You must wait your turn.」は「あなたの順番は必ず来るのだからそれまで待て(You must wait until your turn comes.)」のイメージになるものと思います。

しかし言葉というものは「理屈」だけで説明できるものではありません。《wait for your turn とはいわない》も1つの言語習慣だというのが妥当な説明でしょうか。