「more」の特殊な使い方

私たちは「more」は「many, much」の比較級で「もっと多くの、もっとたくさんの」(形容詞)、「さらにもっと」(副詞)の意であると習いました。
There are more books in the library than I can count.(moreはbooksを修飾)
You have to be more careful. (moreはcarefulを修飾)

ところが次の使い方はどうだろうか?(Kazuo Ishiguro: When We Were orphansより)
『Now let me see. Who do we have here?’ Then he turned back to me suddenly to ask: ‘Now what was it again you said you wanted to do with your life?’
Of course, I had not at that point told him anything. But now, after a slight hesitation, I answered simply:
‘Detective, sir.’
‘Detective? Hmm.’ He continued to gaze around the room. ‘You mean … a policeman?’
‘More a private consultant.’ 』

上記の最後は文脈から「‘More a private consultant than a policeman.’」の意であろうことは想像がつきますが、 『「もっと多くの、もっとたくさんの」(形容詞)、「さらにもっと」(副詞)』の日本語を対応させることには無理があります。

何冊かの辞書をチェックしたところ「THE GRAND CEDNTURY」の中に次を見つけました。
『同一人・物の異なる性質を比較する時は普通「more … than …」となる。
The boy is more shy than timid. (少年は臆病というより内気だ)
Ann is more a singer than an actress. (アンは女優というより歌手だ)
Mother was more surprised than pleased at my sudden return. (私の帰宅に母は喜びよりもむしろ驚きの方が先立った)』
「more」の後には「形容詞」「名詞」の両方を持って来ることができます。「・・・というよりむしろ・・・」という日本語を対応することができそうです。同一の人・物でも色々な異なる性質を持っていますので、「・・・というよりむしろ・・・」に対応する「more … than …」という使い方は覚えておいて損はありません。

上記の‘You mean … a policeman?’  ‘More a private consultant.’ は「警官っていうこと?」「警官というよりむしろ私立探偵です」の意になります。