「none other than …」と「no less … than …」

英語の比較級を使った表現には受験で苦労させられました。今回は「none other than …」と「no less … than …」を取り上げます。

< none other than …>
The first speech was given by none other than Clint Eastwood.
文字通りの意味は「最初のスピーチはClint Eastwood以外のnoneによって行われた」⇒事実関係としては「最初のスピーチはClint Eastwoodによって行われた」ということです。The first speech was given by Clint Eastwood.に比べて「大げさな」感じがします。「no less … than …」は英英の説明では「said when you want to show that someone or something is a surprising or exciting choice or example」です。英和辞書が与えている「ほかならぬ・・・」という日本語はニュアンスがよく現れていると思います。我々がしゃべる場合は「It was Clint Eastwood that gave the first speech.」でよいと思います。

I ask because over there stands none other than Hamish Robertson himself.
(Kazuo Ishiguro: When We Were Orphans
これは主人公が就職のコネが見つかるのではないかと期待を抱いて出席したパーテイの席で長老が「家具なんかに興味はない?」と尋ねた後の台詞です。ですから「あそこに立っているのは家具の世界では有名なあのHamish Robertsonだよ」のニュアンンスになります。我々ならIt is Hamish Robertson famous in the world of furniture that stands over there.で我慢したいところです。

< no less … than …>
これも理解するのが難しい比較級を使った語句です。

She is no less beautiful than her sister. (彼女は姉に劣らず美しい)
直訳は「彼女は姉よりもより美しさが劣ることはない」ですので理解するのはそんなに難しくはありません。She is as beautiful as her sister.(「少なくとも姉と同じくらい美しい」というニュアンスです)。

He is no less (a person) than the President.(彼が他ならぬ大統領である)
この文は「彼は大統領よりも少ないことはない(a personがない場合)」「彼は大統領よりも少なくない人間である」⇒「他ならぬ大統領である」という理屈です。しかし「person」ではなくて「statesman」になると文脈から「政治家としての資質」が「大統領よりも少ないことはない」となりますので「彼は大統領に劣らぬ政治家である」の意になるでしょう。
我々ならば He is the President himself.で我慢しましょう。