政府は8日、職場でのパワーハラスメント(パワハラ)の防止策に取り組むことを企業に義務づける労働施策総合推進法の改正案を閣議決定した。今国会に提出し、成立をめざす。義務化の時期は早ければ大企業が2020年4月、中小企業が22年4月の見通しだ。
 職場のハラスメント対策では、セクハラや、妊娠や出産をめぐる嫌がらせ「マタハラ」では防止措置を講じることが企業に義務づけられている。ところがパワハラ対策は企業の自主性に任されており、パワハラの定義も定まっていない。
 法改正案では、パワハラを「優越的な関係を背景にした言動で、業務上必要な範囲を超えたもので、労働者の就業環境が害されること」と定義し、防止策を企業に義務づける。人員の少ない中小企業については、事業主の負担を軽くするために義務化の時期を大企業より2年間遅らせ、その間は「努力義務」とする。
 具体的な防止策は、法改正後につくる指針で定める。加害者の懲戒規定の策定▽相談窓口の設置▽社内調査体制の整備▽当事者のプライバシー保護などが想定されており、対策に取り組まない企業には、厚労省が改善を求める。それにも従わなければ企業名を公表できる規定も設ける。
 どんな行為がパワハラかの判断が難しいとの指摘があるため、指針ではパワハラ行為の具体例も示す。判断基準を分かりやすく示し、企業の取り組みを促す狙いがある。(朝日新聞デジタル版)

背景には「人材流出・生産性低下」が深刻になっている実態があるようだ。昔と違って「嫌なら辞める」ことが出来る環境が人手不足を背景に急速に進んでいるのだろう。パワハラが常態的に行われている企業は何れ淘汰されることになるので、企業は法律ができようが出来まいが真剣に取り組むとは思うが法整備されることによりスピードが早まることは期待できそうだ。

著者は最近の会社での仕事の仕方はよく知らないが、日本ではアメリカでは当たり前の各自が「やるべき仕事」を記述した「job description」なるものがない。故に、短期的な結果を出すには「叱咤激励」が効果を発揮するという背景も忘れてはなるまい。しかしビジネスのスピードは「叱咤激励」だけでは乗り切れない時代に入っているのだろう。日本の生産性の低さの大きな原因の1つだと思う。派遣・パート・雇用延長で総人件費を抑えてきた「日本的構造改革」は大きな曲がり角に来ているように思われる。

一方「叱咤激励」する上司の側に立つと、仕事をしない部下を「終身雇用」の中でどうしてくれるのだ?と言いたくなる。アメリカでは「叱咤激励」しなければならない場合は、別室に呼んで事情をよく説明し、納得したら「叱咤激励」の内容を文書にし、部下にサインさせる。3枚目で首を切ることができる。上司も部下も厳しい環境にあるのだ。「ぬるま湯」には「ぬるま湯」の良さがあるが、その場合は「生活水準の低下」を受け入れなくてはならない。日本はどちらの道を選ぶのか。国会もこんな大問題を真正面から取り上げて欲しい。