「as such」

My intention was to combat evil – in particular, evil of the insidious, furtive kind – and as such had little to do with courting popularity within society circles.
「insidious」は「狡猾な」。「furtive」は「こっそりなされた」。「as such」はここでは「それ自体は」。「courting」は動名詞で「を得ようとすること」の意。(Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans の解説から)

「as such」は挿入句的に使われている副詞句でこの文の主構造は「and my intention had little to do with courting popularity within society circles」です。

英和辞典等の説明は著者にはよくは分かりません。

(ジーニアス英和大辞典)
(1) そういうものとして、それなりに
She is a practical nurse and should be treated as such. (彼女は準看護師だからそのように取り扱われるべきである)
(2)[主に否定文で]それ自体で(は)
Money, as such, does not always bring happiness. (金はそれ自体では必ずしも幸福をもたらすとは限らない)
(3)[主に否定文で]厳密な意味での、というようなご大層な代物
My room isn’t a study as such. (私の部屋は書斎などというご大層な代物なんかではありません)

(英辞郎)
1.そのようなものとして、それ自体(で)は、正確な[真の]意味での◆【用法】「名詞 + as such」の形で、その名詞がある状態・条件にぴったり当てはまらないことを示すとき(大抵は否定的に)、または、別個に考慮されることを示す時に用いられる。
1. 従って、そのため、そんな[そのような・という]訳[次第]で、それ故に、それ[これ]により[よって]、その結果、結果として、その[この]ような点から(も)、その[この]ような事情で[から]、これに伴い、その[そういう]意味で(は)、だから(こそ)、ですから、よって、そこで、そうなると、そうすれば、そう[こう]した場合に(は)、そうすることで、そう考えると、これを踏まえ

<as such>
「as」は「2つの並べられた物・事が等価の関係にあることを示す」(E-Gate)。ここでは前置詞ですので意味は「[役割・機能について]・・・として」。ですから「as such」は「[役割・機能について]そのような人・物・事として」のイメージになるハズです。これを上記の例文に当てはめてみましょう。
She is a practical nurse and should be treated as such.⇒She is a practical nurse and should be treated as a practical nurse. ⇒彼女は準看護師だから彼女の役割は準看護師として取り扱われるべきである。
Money, as such, does not always bring happiness. ⇒Money, as money, does not always bring happiness. ⇒金は、物と交換できる金の機能として、必ずしも幸福をもたらすとは限らない
My room isn’t a study as such. ⇒My room isn’t a study as a study. ⇒私の部屋は部屋の機能としての書斎ではない。

<as such>の本質は「[役割・機能について]・・・として」で説明できます。こなれた日本語では「そういうものとして(in such capacity)」「それ自体で(は)(in itself)」でしょうか。辞書による訳語は、前後関係により、そうなるだけで却って読者を混乱させているように思います。「[役割・機能について] そのような人・物・事として」とだけ説明した方がスッキリしませんか。