「after all」

英和辞書で「after all」を引くと次のような説明がしてあります。
「結局」「なんといっても」(E-Gate)
「(いろいろ考えても)結局」「つまるところ」「やはり」「とうとう」「なんといっても」「どうせ」「だって」「なにしろ(・・・だから)」(リーダーズ)
(いろいろ言ってみたが)やはり、(何だかんだ言っても)結局のところ、煎じ詰めると、やはり、どっちみち、どのみち、所詮、高が、(予想に反して)結局は、あれほど〜しても、それほど〜しても、何しろ〜だって…なのだから、どうせ〜なんだが、どうあろうと、〜してきた今(英辞郎)

「結局」を除くと日本語の対応がばらついています。その「結局」の意味も、実は「(意図・予想・計画などに反して)結局」という意味での「結局」であって「最後に、終わりにあたって」の意味で用いることはできません(ジーニアス英和大辞典)。「after all」をそのまま日本語に置き直すと「全ての後で」となり「最後に、終わりにあたって」の意味での「結局」と誤解する人も出てくるでしょう。

それでは次の「after all」はどうでしょうか?上記のどの日本語を当てはめるべきか迷うと思います。
Looking back now, my choice of the Dorchester strikes me as the height of inconsideration. I had, after all, already surmised that the colonel was short of funds; (Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans

ヒントを求めて2つの英英を調べてみました。
「in spite of what has been said or expected」「used when you are explaining something, or giving a reason」
◆despite earlier problems or doubts」「used to add information that shows that what you have just said is true」

「(意図・予想・計画などに反して)結局」は「in spite of what has been said or expected」「despite earlier problems or doubts」に対応するものです。その他の数々の日本語は所詮「前に述べたことを説明したり、その理由を述べる」『前触れ』に過ぎないことが分かりました。文脈に従って一番適当な言葉を捜すしかありません。When We Were Orphansの例は「自分がDorchesterという超高級ホテルを食事の場に選んだこと自体が思いやりのなさの極みだった分かった」と「(昔お世話になった)食事の相手の陸軍大佐が金に困っていると既に推測していた」をつなぐ言葉が「after all」ですので「used to add information that shows that what you have just said is true」が当てはまる場面です。著者は上記の解説時「そもそも」という訳語をつけましたが、今振り返ってみても悪くないと思います。