時事通信 電子版

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が中東オマーンの販売代理店を介し、日産資金を自身に還流させたとされる特別背任事件で、資金流出先のレバノンの会社側が、同社口座の取引明細をゴーン容疑者にメールで報告していたことが5日、関係者への取材で分かった。明細をたどった結果、同容疑者らが使用するクルーザー購入や、長男の会社への出資が判明したという。
東京地検特捜部はゴーン容疑者に送信されたメールを入手。レバノンの会社を同容疑者が実質保有していることを裏付ける証拠とみているもようで、取引明細の詳しい分析を進めている。
関係者によると、この会社はペーパーカンパニーの「グッド・フェイス・インベストメンツ(GFI)」。取引明細はGFIの口座が開かれた銀行が作成したもので、資金移動や残高が記載されていた。ゴーン容疑者と親しく、同社設立に関与した弁護士が管理。弁護士死亡後は、後任がゴーン容疑者にメール送信していた。
昨年、レバノンで現地調査した日産が、弁護士の事務所のパソコンに残されたメールを発見。事務所からは、他にもゴーン容疑者による日産私物化疑惑に関する資料が見つかり、特捜部に提供したという。
特捜部の調べでは、日産資金は、子会社「中東日産」からオマーンの販売代理店に送金され、さらに複数の口座を介してGFI口座に振り込まれていた。特捜部は2015年12月〜18年7月に振り込まれた計500万ドル(約5億6300万円)について、日産に損害を与えた特別背任の疑いでゴーン容疑者を再逮捕。使途や送金の経緯を捜査している。 

「グッド・フェイス・インベストメンツ(GFI)」は英語では「Food Faith Investment」。「良き信頼の投資」の意である。

同容疑者らが使用するクルーザー購入は妻が代表を務めるレバノン法人「ビューテイー・ヨット(BY)」が行ったらしい。こちらは「美のヨット」の意。

長男が経営する米国の会社の名前は「ショーグン・インベストメンツ」。これは「将軍投資」の意。「shogun」は既に英語化されています。「将軍」は「一軍を統率する武官。大将」の意。

「良き信頼」「美」「将軍」のどれも極めて良いイメージを与える言葉です。「名は体を表す」という諺もありますが、どうも「看板に偽りあり」のようです。英語では「false advertising」で通じるでしょう。