今まで数々の「不適切」発言をしてきた桜田五輪相が辞任した。実質は更迭。最後の引き金になったのは自民党議員が都内で開いた会合で「東日本大震災ということで、東日本は岩手も入っているので、世界中の人が行くと思うので、おもてなしの力を持って、復興を協力していただければありがたい。そして、復興以上に大事なのは高橋さんでございますので」と発言したことのようです。「高橋さん」とは岩手県出身の自民党所属の衆議院議員。

これが翌日の新聞では「復興より政治家」と「意訳」されています。

桜田元五輪相については国会答弁の際、ほとんど全ての質問に対して事務方が差し入れるメモを棒読みにしていたことが印象的でしたが、ここではそれは取り上げません。

著者は長年英語を教えているので「言語による表現能力」という視点で彼の発言を取り上げてみたいと思います。

立憲民主党の蓮舫副代表のことを、注意されたにも拘わらず再び「レンポウ」議員と言い間違える場面がありました。最近では「石巻(いしのまき)」を、注意されたにも拘わらず「いしまき」と連呼しました。英語を教えていても、時として何回注意されても実際に発話する際に同じ「過ち」を繰り返す生徒さんが時々います。どうしてこうなるのかは著者には分かりませんが「頭の良し悪し」とは関係がないと思います。

ことし2月には競泳の池江璃花子選手が、「白血病」と診断されたと明らかにしたことをめぐり、記者団に対し「がっかりしている」などと述べ、批判を浴びました。これは意訳すれば「白血病の結果、池江選手がオリンピックで金メタルが取れなくなってしまったので五輪相としてはがっかりしている」ということでしょう。著者の母は死ぬまで「本当のことを言って何が悪いのか」と言っておましたが、彼は五輪相ですから本音を言えばよいというものでもないでしょう。

「復興より政治家」発言は「言語による表現能力不足」です。「東日本大震災ということで、東日本は岩手も入っているので、世界中の人が行くと思うので、おもてなしの力を持って、復興を協力していただければありがたい。そして、もう1つ極めて大事なのは高橋さんでございますので」と言っておけば問題なかったでしょう。著者は社会人を対象に英語を30年以上教えていますが、「日本語による表現能力不足」が英語力不足と大いに関係していると痛感しています。

桜田元五輪相は、ネット情報で、とても人柄もよく、ここまで政治家を続けてきたので政治家としては優秀なのでしょう。彼の言語による表現能力に問題あることは任命前から分かっていたこと。やはり野に置け蓮華草。「適材適所」と強弁していた安倍首相には大いに反省してもらいたい。