(22)英語のスペルと発音は何故一致しないのか

著者は一時スペイン語に挑戦したことがありました。語形変化には悩みましたが、発音は楽でした。何故ならスペルと発音とが一致してローマ字読みすればよかったからです。

英語のスペルと発音が一致しない理由は1400年頃から起った「大母音推移」にあります。中期英語期(ノルマン・コンクエスト以降の英語)に、強勢のある長母音の舌の位置が一段ずつ高くなり、これ以上高くなることのできない場合は二重母音化しました。このため、該当する英単語の発音とスペルとが一致しない現象の大きな原因となったのです。なぜ「大母音推移」が起ったのかは定説がないようです。この大母音推移以前は、他の言語とほぼ同様の「発音とスペル」の一致関係を持っており、日本におけるローマ字の読み方に近かったのです。しかし大母音推移後は、スペルと発音にずれが生じたのです。15世紀中頃以降の活版印刷の技術向上と、それに付随した書物等の文書の普及などに伴って、語のスペルは固定化される一方で、発音だけが変化を続けて、現在のようなずれがみられるようになったという背景があります。

なお、現在の英語では語尾の「e」は発音されることはありません。これは、昔には発音されていたのですが、語尾の簡略化に伴い消えていったものもあれば、そのまま残ったものがあるためです。英語の「name」は、英語の祖先に近いドイツ語でも「Name」ですが Google翻訳で発音させてみたら「e」も発音されていて「ナーメ」に近い音でした。