(24)「Can I have a water?」

「a coffee」が「a cup of coffee」の意であることはほとんどの人が知っています。それでは「a water」はどうでしょうか?英和辞書では、この使い方を見たことがありません。

名詞の意味を決めるのは、その前の「a/an」「the」「冠詞なし」ですから「a water」は「数えられる水」の意になります。ですから「a water」と言うのは個人の勝手です。問題は、社会的にそれがどの程度認知されるかです。

著者は残念ながら「a water」が使われている場面に遭遇した記憶がないので「a water」がどの程度通じるかは分かりません。家でパーテイをやった時は「Water please」「Some water please」「Can I have some water?」のような要求だったような気がします。

日本では飲食店での「水」は無料が普通ですが、アメリカではそうは行きません。「Can I have a water?」と言ったら「有料のペットボトルの水1本」と理解されると思います。有料だから形がないと範囲が決まりません。そんな背景があるのでしょう。無料の水が欲しい場合には「Can I have some water?」と言うとよいでしょう。「Can I have a glass of water?」と言ってもコップに入った水が出てくる保証はありません。タダの水は提供するにしても提供の仕方は店に任せてよ、というのが多分彼らの論理だと思います。

「英語の歴史から考える 英文法の『なぜ』」(朝尾幸次郎 大修館書店)に、
『ロックンローラ』という映画で、レストランで注文を聞きにきたウエイターに男が “I’ll have a water, please, with a big, long straw.”と水を頼んだ場面を紹介し、「a water はコップに入れて出される水で、形あるものとしての認識です」と解説しています。「形あるものとしての認識」はその通りだと思いますが、「コップに入れて出される水」については「?」です。この「RocknRolla」という映画(イギリス 2008年)を著者は見ていないので、本当にコップに入れた水が出されたのか不明です。著者が「?」とする理由は「I’ll have …」は通常レストランで使われる場合は、(お金を払って)食べるも・飲むものを注文する時の台詞であることが1つ(コップに入れて出される水には通例お金は払わないと思います)、それとコップに入れた水は通例そのまま口に持って行き飲むのでa big, long strawは不要だと考えるからです。但し、この男はギャングですので特殊な設定なのかは分かりません。