(30)状態動詞だって進行形になる

進行形は基本的には「ある1時点で動作が継続している」ことを表します。即ち「一時的」な動作を表します。

通例「状態動詞(look, feel, like, love, live, be 等)」は進行形にはなりません。しかし、「一時的な状態」を表す場合は進行形も可能になります。

夫との離婚を決意した中年女性が卒倒をきっかけに高校時代に帰り、己が人生を見つめ直してゆくさまを描くドラマである『ペギー・スーの結婚』(Peggy Sue Got Married)の中に、ペギー・スーが心機一転髪型を改め朝食のテーブルに着いたところ、父親がそれに気がつき次の様に言うシーンがあります。
“You’re looking bright and chipper this morning.”
この英語は“You look bright and chipper this morning.”でもほとんど同じ様な意味になりますが、this morningという言葉も相まって「一時的な状態」が意識されています。feelも同じです。「英語の歴史から考える 英文法の『なぜ』」(朝尾幸次郎 大修館書店)は「ペギー・スーの顔をクローズアップさせるような生き生きとした表現」と解説していますが、著者はあくまで「一時的な状態」が基本的なイメージだと考えています。bright and chipperは顔だけではなく体全体からしみ出してくるものです。

“I’m liking it.”は “I like it.”まではいかないが「好きになりつつある」イメージです。

“I’m loving it.” はマックの有名なコマーシャルですが「好きになりつつある」ではなく「今大好き」のようなイメージになりますので、マックのハンバーガーを美味しそうに食べている姿が想像されます。

“I used to live in Yokohama, but now I’m living in Tokyo.”では「東京は仮住まい」的なイメージになります。 “He’s wearing a ring today.”なら「いつもは指輪していないのに今日はしているわ」のようなイメージです。

“You’re being hungry.”なら「一時的に空腹な」即ち「空腹な振りをしている」意味になります。