(25)「これ/それ/あれ」と「this/that/it」

日本語と英語の表現の仕方の違いの中で非常に特徴的なものの1つです。

日本語では場所の認識を「これ/それ/あれ」「この/その/あの」「ここ/そこ/あそこ」「こちら/そちら/あちら」の3分割であるのに対し、英語では「this/that」「these/those」「here/there」の2分割です。「これ/それ/あれ」「この/その/あの」「ここ/そこ/あそこ」「こちら/そちら/あちら」に対応する英語は「this/that/that」「this/that/that」「here/there /there」「here/there /there」です。

「this/that」は何かを指差して示す「指示代名詞」です。一方「it」は前に言及したしたものを受ける「代名詞」です。「this/that」も「it」で受けます。

A:何か見慣れない食べ物を見て「それはなにですか?」⇒「What is that?」
B:「これは豆腐です」⇒「(あなたがthatで指差した)『これ』は豆腐です」⇒「It is tofu.」⇒もし「This is tofu.」と答えたとしても文脈から誤解されることはないでしょうが、文法的には「(あなたの質問はスルーしますが)これは豆腐です」と勝手にしゃべっている感じになります。「それ=it」となるのは「前に言及したしたものを受ける場合」のみです。上記のA が「What is it?」と質問したら、Bは「it」が何を指すか分からないので答えようがありません。