debt の発音は[det]で「b」は発音されません。何故発音されないのかを詮索しても意味がない、という意見もあるでしょうが、詮索してみると「英語の歴史」の一端を見ることが出来ます。

英語の多くの単語の歴史は語源まで遡ることができ、どんな変遷を経て今日の姿になったのかも追うことが出来ます。

ジーニアス英和大辞典によれば、debt の語源はラテン語 debitum(当然しはらわれるべきもの)で、debt の初出は13世紀です。

Oxford には更に細かい情報が載っており、「ラテン語 debitumがフランス語に取りいれられ dette となり、更にフランス語がそのまま中期英語(およそ 1150〜1500年の時期の英語)dette となった。debt の綴りになったのはラテン語との関係から」と出ています。

英語の歴史をひも解いてみると、当初は「dette」の綴りで、発音はそのまま[det]でした。debt の初出が13世紀だということは、1066年のノルマン征服後フランス語が宮廷を中心に使われるようになり、学のあった人たちがラテン語 debitumに合わせてdebtを使いだしたのだと想像します。しかし[det]という発音は行き亘っており、変えることは出来なかったようです。やがてルネッサンスの到来となり懐古趣味的に、ギリシャ語・ラテン語の綴りが「正」と見なされるようになりdebtの綴りが定着しました。

receipt の語源もラテン語で recepta です。英語になった経緯は debt とは多少異なりますが、基本的な流れは同じです。