複数形で使われる名詞には次のようなものがありますが、1つ1つ検討してみて、なぜ複数形なのかを探ります。

<複数形で使われる名詞例>
headquarters(本社)
(golf) links(海に面したゴルフ場)
woods(森)
works(複合語で「工場」)
premises(家屋敷、土地・付属物付きの建物)
customs(税関、関税)
territorial waters(領海、水域)
Beverly Hills(ビバリーヒルズ)

headquarters : the premises occupied by a military commander and the commander’s staff ; the place or building serving as the managerial administrative centre of an organization(Oxford)。
初出は17世紀:「(軍隊・警察などの)本部、司令部、本署」「本拠、本社」の意。quartersは軍事用語では「宿舎、兵舎」。premisesですから土地とか付属物のついた建物がイメージされます。「headquarters」は今や「本社」を意味することが多いので「複数形」に抵抗があると思いますが、元々は「軍事の本部」で使われ、土地があり建物も色々あったからだと考えれば、複数形に抵抗はありません。著者の実家は田舎の「お屋敷」ですが、1つの屋敷の中に4つも建物があります。そんなイメージでしょうか。「headquarters」は単数でも複数でも受けることが出来ます。「family」が家族というものを一塊りで捉えれば単数扱い、一人一人の顔が思い浮かべば複数扱いになるのと同じだと考えればよいでしょう。

(golf) links:「link(s)」の語源はスコットランドで使われていた「hlimc」で「上昇している土地」「隆起しているところ」の意でした。海に面したゴルフ場は当然のことながら海面から「上昇している土地」「隆起しているところ」にあります。且つ、ゴルフ場は通例18ホールありますので「上昇している土地」「隆起しているところ」が幾つもあることになります。「golf links」も単数・複数両方の扱いです。

woods:「木々のある区域⇒森」の意で単数・複数扱いです。「forest」は「森林」で単数扱い。

works:単数・複数扱いです。The glass works is/are on sale.(そのガラス工場は売りに出されている)。

premises:the buildings and land owned or used by someone, especially by a company or organization: 複数名詞です。

customs:かつて、「関税」は有料道路の料金所で徴収する通行税を意味していました。その道を習慣的(習慣=custom)に利用する人たちを対象とした税であるため、customs は「通行税」から「関税、税関」という意味に発展していったということのようです。習慣は「繰り返し」ですので複数形がピッタリです。現代では、「税関」の意の場合は通例単数扱い。「関税」意の場合は単数・複数扱い。

(territorial) waters:複数名詞です。

Beverly Hills:アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス郡の西部に位置する都市。「Beverlyの丘陵地帯」のイメージになります。市の創設は1769年に遡ることができるが、現在のような住宅街としての開発が始まったのは20世紀に入ってから。

考察:
「数えられる名詞」は「形」があります。形があるからか数えられるのです。ですから上記の複数形の名詞は何か「形」があることを想起させます。場所を表す場合に形があると言う事は、他の場所との境界線が意識されます。「日本人に共通する英語のミス」には「複数形」は「境界線を引く」イメージになると解説してあります。