最近は「形があるものにはa/anが付く」「形がなければa/anは付かない」ことは広く知られるようになりました。

次の10例を見て下さい。(出典:「謎解きの英文法」 久野瞕・高見健一 くろしお出版)
(1) a. I had an egg this morning.(卵1個を食べた)
b. You have egg on your chin.(顎に卵の食べかすがついている場合)
(2) a. An apple a day keeps the doctor away.
b. There’s lettuce, cucumber, apple, carrot and mushroom in this salad.
(3) a. It’s an eel.
b. It’s eel.(かば焼き)
(4) a. What you caught is a salmon.
b. What you’re eating is salmon, not tuna.
(5) a. Look! There’s a chicken over there.
b. I like chicken better than pork
(6) a. March comes in like a lion and goes out like a lamb.
b. Have you ever eaten lamb?
(7) a. This is a lobster.
b. This is lobster.(野采と一緒にロールパンにはさんであるような場合)
(8) a. This is a turkey.(オーブンで丸ごと焼かれてお皿に乗っているような場合)
b. This is turkey.(切り分けてお皿に乗っている場合)
(9) a. Our family had a roast chicken last night.
b. Our family had roast chicken last night.
(10)a. I had a lobster at Legal Sea Foods yesterday.
b. I had lobster at Legal Sea Foods yesterday.

(1) −(8)は「形があるものにはa/anが付く」「形がなければa/anは付かない」という「決まり」を適用すれば容易に区別がつきます。

(9)は家族が集まってニワトリを丸ごとオーブンで焼いたのを食べる場合を想定したものですが、上記の本によるとアメリカではb. の方が好まれるがa. を使う人もいる、とのこと。食卓のお皿の上に乗っているのは「形のある」ニワトリですが、食べるたは肉の部分だという意識があるからとのこと。

(10)はb. が選択されるとのこと。理由はroast chickenの場合と同じですが、こちらの場合は堅い甲羅等は食べないので a. を選択すると違和感があるようです。我々日本人からすると、目の前にあるロブスターは完全に形があるのでa. を選択するのに躊躇しないのではないかと思いますが、言われてみると確かに食べるのは身の部分だけですね。
しかし、招待を受けたレストランで始めてロブスターを食べたような場合に、そのロブスターが自分をじっと見つめていてぞっとしたが、何とか工夫して食べたような場合は、逆に「I had a lobster.」と表現して、その違和感を逆手に取る表現も可能でしょう。これはロブスターが小さいので言える表現であって、フィリッピンでは豚の丸焼(自分をじっと見つめている感じがして食べるのが憚られます)が御馳走ですが、流石に「I had a roast pig.」はないと思います。