日本語では同じ「濃い」でも英語では異なる表現を使う場合があります。

(1) 「色が濃い→例えば「濃い緑色」→dark green。反対は「light green」。「strong and dark」の意味なら「a rich deep red(濃紅色)」という使い方もあります。後者は染色の度合いが強い場合に使われるようです。
(2)「液体が濃い」→「どろっとした」イメージの時→thick(例えば “thick soup”)。「thick」は「厚みがある」イメージです。
(3)「液体が濃い」→「濃度(濃い、薄い)」がイメージされる時→strong(例えば “strong black coffee”)。上記(2)との境目は微妙です。「この御茶は濃い」をDeepL翻訳させたら「thick」「strong」の両方が提示されました。「strong」は「強い」イメージがあるので「コーヒー」「お茶」に使われた場合は「味・香りが強い」イメージが出るのではないでしょうか。
(4)「液体・蒸気が濃い」→「先が見通しにくい」がイメージされる時→dense/ thick/ heavy。しかし「a deep fog」とは言わない。
(5)「関係が濃い」→close/thick。「a close friend」。“Blood is thicker than water.”(諺)。
(6)「中身の濃い話」→ a substantial speech / a story with a lot of substance
(7)「疲労の色が濃い」→ He’s very tired. / He’s exhausted.

『「濃い」=「thick」』でOKな場合と駄目な場合がありますが、他の単語でも名詞を除いて日本語と英語が1対1で対応することは先ずありません。昔、日本語と英語を1対1で対応させた英語の大学受験参考書がバカ売れしましたが、これは当時の大学入試問題が限定された意味での文脈でしか作成されなかったので結果オーライだけだったのです。この参考書は当時の受験生には多大の貢献をしましたが、副作用も大きかったと言わざるを得ません。