「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

Thank You for Visiting Me! 「英語赤ひげ先生」による「知っている英語」を「使える英語」にするための「理論」と「教材」を一挙に無料公開しています。

2008年10月

英単語の品詞別使い方

1。初めに
品詞認識の重要さ
「英語の単語」は基本的には使い方を含めて「覚える」しかありません。しかし、この「英単語を覚える」時には「品詞」を意識して覚えることが大切です。英文法で品詞とは「名詞・代名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞・接続詞・間投詞」の8つを言うのが通説です。
夫々の品詞は独自の働きをしますので、先ずその働きをキッチリ頭に入れておくことが極めて重要です。新TOEICの「短文穴埋め問題」「長文穴埋め問題」でも、名詞・動詞・形容詞・副詞のうちどれを選ぶべきかという視点でアプローチするだけで正解の確率が高くなります(この種の問題は「その文の中で、そこではどのような働きをする品詞が求められているか、そして、その品詞に該当する言葉はどれか?」と置き直しても同じです)。

「英語の単語を覚える」時の心構え
日頃から日本語を大切にして、言葉の機能に敏感になる。日本語を上手に操れない人で英語の上手な人はいません。
出来るだけ沢山の英文を読む。仕事で英語に接する人はその英文を中心にして「英単語」を覚えるのが効率的です。
「英単語」を「覚える」際には、「品詞毎に言葉が異なるものと、同じ言葉でも異なる働きを持つものとがある」ということにも留意。辞書を引いたら、自分の求める訳を見つけるだけでなく、その言葉がどのような働きをするのかも調べるようにするとよいでしょう。

[品詞毎に言葉が異なるもの]
例えば「美しい、見事な(beautiful)」は形容詞ですが、名詞は「美しさ・美(beauty)」、副詞は「美しく、見事に(beautifully)」、動詞は「美しくする、飾る(beautify)」です。
「彼女は美しい」→ She’s beautiful.
「彼女は美しい踊り子です」→ She’s a beautiful dancer.
「彼女の美しさは言葉では表せない」→ Her beauty is beyond description.
「彼女は美しく(見事に)踊る」→ She dances beautifully.  
「彼女は着飾った」→ She beautified herself.

[1つの単語が2つ以上の品詞で使われるもの]
良く知られている “hard” という単語は「物理的にかたい→イメージが発展して〔難しい〕」という意味で形容詞として使われると同時に、「一生懸命に」の意で副詞としても使われます。この “hard” という言葉は、古期英語の “heard” を祖先として「激しく、猛烈に」が原義だったのです。
「その氷は硬い」→ The ice is hard.
「難しい質問」→ a hard question
「彼は一生懸命に働いた」→ He worked hard.
“hard” に”ly” をつけたら「ほとんど・・・ない」という意の副詞になります。

“like” という単語は次のように沢山の働きをしますが、このような単語は他にも沢山あります。
‖焼飴譴箸靴
「・・・が好きである」 I like Japanese tea.(私は日本茶が好きです)。
「・・・が欲しい」 I’d like some sweets with my tea.(〔出来たら〕お茶と一緒に甘いものが欲しい)。
⊆動詞として
(従属節で用いられ)「好む」 Do as you like.(好きなようにしなさい)。
L昌譴箸靴
「好み」  Your likes and dislikes are no concern of mine.(あなたの好みは私には関心がない)。
ち庵峪譴箸靴
「・・・に似た」  Your sister is just like you.(あなたの妹は本当にあなたによく似ている)。
「・・・のような」 What’s he like?(彼ってどんな人?)。
シ鼠道譴箸靴
「同様な」 They are as like as two peas in a pod.(彼らはウリ2つです)。
接続詞として
「・・・と同じように」 Like I said last year, we’re not moving from here.(昨年言ったように、我々はここから引っ越しません)。
副詞として
つなぎ言葉(まあ、その、えっと) She said like, you know, like, she never wants to see you again.(彼女は、まあ、君も分かっているように、その、二度と君には会いたくないというようなことを言ったんだ)。
“like” に”ly” をつけたら「ありそうな」(形容詞)、「おそらく」(副詞)の意になります。もし ”like” の働きと意味が,靴ないと思っていたら、What’s he like?(彼ってどんな人?)を音で聞いたら(例えばTOEICの試験場で)多分「彼は何が好きですか?」と誤解するでしょう。

ここからは具体的に夫々の品詞の働きについて順に解説していきます

主語と目的語になれる「名詞」「代名詞」
頭の中の絵(イメージ)を整理する場合には、特に「品詞を認識すること」が大切です。「・・・は」或いは「・・・が」と絵(イメージ)を認識する場合には「・・・は」「・・・が」の「・・・」の部分に使うことの出来る言葉は、原則として「名詞(および名詞句・名詞節)」「代名詞」だけです。これが「主語」と言われるものです。例外的に、日本語でも「地震の時は、机の下が安全だ」と「机の下」が主語で使われるように、英語でも “Under the desk is safe during the earthquake.” とUnder the desk を名詞句として、主語で使うことも出来ます。感覚的に言えば、日本語で「・・・は・・・です」と言える場合には、「・・・は」の「・・・」の部分は名詞扱い出来ます。これは「言葉というものは、並べると後の言葉は前の言葉を説明する性質がある」からです。日本語で「君 いい人、僕 悪い人」と言葉を並べれば、「君=いい人、僕=悪い人」の意味になります。英語では、最初の言葉から動詞の前までの言葉が主語になるという性格を持っていることが影響していると思われます(Under the desk はね safe だよ)。
同じように「・・・を」或いは「・・・に」と絵(イメージ)を認識する場合には「・・・を」「・・・に」の「・・・」の部分に使うことの出来る言葉も「名詞(および名詞句・名詞節)」「代名詞」だけです。

「・・・することは」と「動詞」の働きを借りて主語にする場合、或いは「・・・することを」「・・・することに」と「動詞」の働きを借りて目的語にする場合には動詞の一つの形のである「動名詞(例えばgoing = 行くこと)」「不定詞(例えばto go = 行くこと)」が使われます。動名詞・不定詞については「3。動詞」の項で説明します。

「いただきます」と「ごちそうさまでした」

秋の収穫が始まった。「天地の恵み」に取分け感謝するときである。「感謝する」ということについて考えてみたい。

「感謝祭(Thanksgiving Day)」
アメリカでは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日。この日には親戚・縁者が集まり七面鳥を食べることで知られているが、「ウイッキペデイア」によれば、イギリスからマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住したピルグリムファーザーズの最初の収穫を記念する行事であると一般的に信じられている。ピルグリムがプリマスに到着した1620年の冬は大変厳しく(徳川幕府は1603年)、大勢の死者を出したが、近隣に居住していた北米先住民ワンパノアグ族の助力により生き延びることができた。翌1621年の秋は、とりわけ収穫が多かったため、ピルグリムファーザーズはワンパノアグ族を招待し、神の恵みに感謝して共にご馳走をいただいたことが始まりであるとされる。(中略)。しかしプリマス植民地で最初に祝われた1623年の感謝祭は食事会というよりもむしろ教会で礼拝を行い、神に感謝を捧げる宗教的な色彩が強かった。

キリスト教的な価値観に従えば、天地を創造したのも、生き物を造りだしたのも、人間を造ったのも全部神であるから、神に感謝を捧げるのは当たり前のことであろう。有名な「主の晩餐」(新約聖書)の場面は次のように叙述されている(英語版から筆者が逐語訳)。
『イエスは一切れのパンを取って、感謝の祈りを捧げ、それを千切って、そしてそれを彼の弟子達に与えた』『イエスは聖杯を取って、神に感謝を捧げ、それを弟子達に与えた』。

仏教も同じような価値観を共有する
著者は中学・高校と浄土宗の学校に通った。昼食(当時は給食ではなくて弁当持参)のときは必ず「本当に生きんがために、今この食を戴きます。与えられたる天地の恵みを感謝いたします。戴きます」と食事訓を合唱した。そして食事が終わったときには「御馳走様でした」。その所為で今でも食事時にはこの言葉が自然に出てくる。「御馳走様」は「御 馳=走 走 様」の4つの漢字で成り立っており、「走は労働を意味する」即ち「今自分が戴いた食事に関係してくれた人たち、汗水垂らして働いてくれたお百姓さん、漁師さん、それを運んで来てくれた人たち、働いてお金を稼いでくれたお父さん、そして作ってくれたお母さんたち全部に感謝する」意であると教えられた。最近はどうも「料理を食べさせてくれた人のみ」に対する感謝の意を表わしているようだが著者としては少し残念だ。

今世界は「100年に一度の金融・経済危機」に瀕している。その原因については今後検証が行われるであろうが「感謝」を忘れた人間に神が怒った結果であるとの意味づけもできる。「エイズ」の蔓延も神の怒りではないだろうか。第一次・第二次世界大戦を通じて世界の覇権を握ったアメリカだが、その心の奥にある驕り(神の目で見て)から現在の状況を招いた面は否定できないと理解する。アメリカがイラクに侵攻しフセインの銅像を引き倒す映像(実はヤラセだったらしい)を見たとき筆者は嫌な胸騒ぎがしたのを思い出す。あれが今日の危機の始まりの兆候だったのかもしれない。「御天道様は見ている」「あなたの髪の毛は数えられている」のである。しかし、このような危機が訪れたときに一番苦しむのは常に「弱い国」であり「弱い人々」であるのも現実である。遠藤周作の小説ではないが「神よ、あなたは居られるのですか」と問いかけたくもなる。

自戒の意味も込めて、いつでも「感謝」の気持ちが持ち続けられますように。

蛇足ながら、英語の “thank” は「(人)に感謝する」で、「(事)に感謝する」は “appreciate” が使われる。

読字障害

会話能力にも問題はなく、しかも眼に異常があるわけでもないのに、文章を読むのに著しい困難を抱える人たちがいる。読字障害だ。この障害が見つかったのは、19世紀末の英国。数字の「7」は読めるのに「seven」を見せると読めない中学生が見つかった。当時は、まれなケースと思われていたが、英米では人口の10%、日本では5%もいることが判ってきた。最新の研究によって読字障害の人は一般の人と、脳での情報処理の仕方が異なることが明らかになってきた。通常、情報を統合する領域で文字を自動処理しているが、読字障害の人は文字処理をスムーズにできないのである。人類が文字を使い始めてわずか5千年、この時間の短さ故、脳は十分に文字を処理できるよう適応しきれていないのである。
一方、読字障害の人には独創的な発想が出来る人や空間処理能力が高い人が多い。映画ジュラシックパークで恐竜博士のモデルになったモンタナ州立大学の考古学者ジャック・ホーナー博士も読字障害の一人。ホーナー博士は、恐竜の生態が鳥類に近い生き物であったことを証明し、恐竜研究に革命を起こした。しかしホーナー博士の読み書き能力は、小学3年生程度と言う。
人類進化が生んだ文字に適応できずに現れた病に迫る。(10月12日の「NHKスペシャル」より)。

英米では人口の10%、日本では5%もいることが判ってきた」と聞いて「何故そんなに差があるの?」と思った。考えた末の結論は「英語と日本語の音節の数が著しく異なることが原因」。

「語」は「音節」から成り立つ
文字のない言語はあっても(例えば台湾語は元々は文字はなく中国語からの借用)、音のない言語はない。言語は、最初に「音」ありきだ。どのような言語でも、音は「音素」から成り立ち(日本語の「さくら」は、ラテン文字を使い大雑把に表わせば、s-a-k-u-r-aの6つの音で表わされる。この1つ1つの音を「音素」という)、普段我々が認識する音の最小単位はsa-ku-raの3つの音。この様に、人間が普段認識する音の最小単位を「音節」と呼ぶ。

日本語の音節は「ん」を除き「(子音)+母音」の形を取り、必ず母音で終わるが、英語の音節は「(子音・子音)+母音+(子音・子音・子音)」の様に子音が連続し、必ずしも母音で終わらないことが多い
日本語の音節は大雑把に言って「50音」(「平仮名」「カタカナ」は表音文字)。
これに比べて英語では、どこまでの音を1つの音節として認識するのかは、単語毎に決まっている。この結果、金田一春彦国語学者によれば、日本語の音節は全部で122しかないのに、英語では理論的な組み合わせは3万とも8万とも言われるくらい天文学的な数字になるとのこと。

seven に例を取れば「se-ve-n(セ・ヴェ・ン)」「se-ven(セ・ヴェン)」「sev-en(セヴ・ン)又は(セヴ・エン)」等の組み合わせが考えられる。更に英語の単語は1語1ヶ所必ずアクセントを置いて強く発音する必要がある。そうすると上記の組み合わせにアクセントを組み合わせると7種類の読み方が可能になる。一方日本語の場合は「しち」又は「なな」は50音の文字処理ができて音の回路に送れば一発で発音できる。発音できれば誰の脳も音を処理できるように十分進化しているので単語が音で認識できるのである。この音によって絵・イメージが脳に浮かんで単語の「意味」を認識するのである。

「ワンポイント・レッスン」
英会話の3大要素である「発音」「ボキャブラリー」「文法」の中で、日本人が一番身につけるのが難しいのは「発音」である。単語がどこで「音節」に別れるかを認識しなければ、正しい発音は出来ない。そのためには常に辞書を引いて「音節」の切れ目を確認してから発音練習するのがよい(英語を20年教えてきた経験から自信を持って言える)。辞書の「見出し語」には、例えば「cam●er●a」の様に●で音節を区切って表示してある。日本語的にゆっくり発音すれば「ka-me-ra」または「kya-me-ra」となるが、英語では「kyam-er-a」になる。全ての英単語は、どこで音節が切れるかが決まっており、勝手に変えることは出来ない。この音節を無視して発音したら、相手に通じないことが多くなる。camera は、日本人には「キャメラ」と聞こえるし、そのように発音する傾向があるが、英語のネイテイヴの発音はむしろ「キャムラ」に近い。

音の英文法(詳細編◆

(10)音節の組み合わせ及び英語特有のリズムによって音は変化する
英語の単語は各音節が子音(母音以外の音)で終わることが多いですが、次の音節が母音で始まり且つその音節に強勢(アクセント)がない場合には、その2つの音節は音的には合体して発音される、それが辞書に書いてある個々の発音記号であると大雑把に認識しておいてください。通常このような「連結」は「語」と「語」の間で起こるものだと参考書には説明されていますが(例えばput it はit が通常は弱形で発音されるのでputに引っ張られ、恰もputitの様に発音されることがある)、1語の中での現象も一種の「連結」と捉える方が実用的です。何故なら、この様に「連結」現象として捉えることにより、個々の英単語の「正しい」発音の習得が早くなると同時に、語と語の「連結」の練習にもなるからです。例えば、今まで例に使ってきた camera の場合、発音記号だけだと[kæm(∂)r∂]で、知らない単語の場合なかなか「正しく」は読めないと思います。しかし、音節としてはcam-er-a であり、音節毎に発音するなら [kæm][∂r][∂]、子音mと母音[∂]が、子音rと母音[∂]が夫々「連結」を起こし、[kæm(∂)r∂]となるという理解をすると、[kæm][∂r][ ∂]を自然につなげて発音する要領が身についてきます。このような練習をすると、単語の発音そのものが本当の英語の音に近づいていくと同時に、語と語の「連結」の練習にもなります(”put it on” は [putitan]の様に聞こえるはずです)。


書かれた英文は単語の「分かち書き」がしてあるので、語と語の切れ目は、はっきりしています。しかし、自然にしゃべる時には音は「音節」の連続であり、その音節は上記1−9により、結果的には連続した様に聞こえることがあります。そのため単語と単語の切れ目が分かりにくくなることが多いのです(日本語でも「行った」とか「ちゃった」等は1つの音の変化の表れです)。例えば上記のA, and then a B, and then a C, and then a Dを英語で自然に発音しようとすると、多分 ”and then a B” は「安全なB」の様に聞こえる筈です。何故なら、「強くアクセントが置かれない音節はアクセントが置かれる音節にくっつけて発音される」からです。1語1語の発音を集めたものとは全く異なる音に変化するのです。即ち、(A), (and then a B), (and then a C), (and then a D)の様に( )内にいくつかの語(語は音節から成る)があっても、あたかも1語の様に発音されるのです。日本語的な1語1語の「分かち聞き(著者の造語です)」は不可能に近いのです。以下「音の変化」例をあげておきます。これについては、発音に関する本なら必ず取り上げており、CD付きの教材が殆どですから、それらを併せて活用されるとよいと思います。

「音の変化」
以下「英語の発音パーフェクト学習事典(深澤俊昭 著)」を参考にしてあります。
(1) 連結
ある語が子音で終わり、次の語が母音で始まり且つその語に強勢(アクセント)がない場合には、その子音と次の母音が連結し、恰もその2語が1語の様に聞こえることがあります(時として3語4語が1語に聞こえることもあります)。この連結はしゃべる人の個人差が大きく、全員がこの様にしゃべるというわけではありませんが、日本語との関係から注意すべきいくつかのポイントを示しておきます。

日本語では、単語の最初に来ることはあっても最後に来ることはない音があるので(例えば[p][t][k][b][d][g])、英語で連結が生じると、我々にはその音は単語の終わりではなくて、単語の最初の音として聞こえてしまう傾向があります。どの参考書にも出てくる例は、put it on が pu-ti-tonまたは puti-tonに聞こえるというものです。work it out は「ワーキタウト」に聞こえることがあります。この聞き取りは、語彙力とも関連しますので、所謂「熟語」的な表現を沢山知っていることもリスニングの助けとなります。

is / a / in / on / at 等は、通常強勢(アクセント)が置かれないので、殆どの場合に連結が生じます。主語+is; have a / has a; There’s a; It’s in; put on; arrive at 等は常に「連結」した形で声に出してスムースに読む練習をし、その音を自分の耳に聞かせるようにするとよいでしょう。”George is” も “George’s” も同じ音です。The boss is / The boss’s / The bosses も皆同じ発音になります。

[r] +母音
アメリカ英語はスペリングにr / re があれば常に [r] が発音されますが、イギリス英語ではスペリングにr / re があっても、その語の中で次に母音がない場合は [r] は発音されません(米音と英音の主な違いの1つ)。このためイギリス英語では here and there のような場合は [r] が次の語の先頭に来た様に明確に発音される([hí∂r∂nðé∂])という特色があります。

母音+母音
以上は「子音+母音」の連結でしたが、ある「母音+母音」の組み合わせの場合、特定の短く・弱い音が入ることがあります。

最初の語の音が[u][[u:][o:]で終わる場合には、次の単語の母音との間に短く弱い[w]のような音が入ります。例えば、How are you? [hauwa:ju](「ハウワーユー」の様に聞こえます)。

最初の語の音が[i][[i:]で終わる場合には、次の単語の母音との間に短く・弱い[j]のような音が入ります。例えば、Did you see it? [si:jit]。これらは我々でも沢山しゃべっていれば自然にこのような発音をしているはずですのでリスニングの邪魔になることはないと思います。

子音+[j]
この場合、前の子音は[j]の影響を受けて[j]がもう1つ追加されたような感じになります。我々が日頃無意識に使っている Thank you. がそれで「サンキュ」の響きです。Have you? は「ハヴユ」の感じになります。

(2)同化
隣り合った音同士が、お互いに影響し合うことによって、元の文字の表す音とは違った音に変化してしまう場合があります。このような音の変化を「同化」といいます。これはこのように言った方が言いやすいことから来る自然の現象です。強弱を意識して発音すると、自然にこのような発音になっている筈です。同化現象が起こる代表例をいくつか挙げておきます。この同化も、この様に同化させなければならないというものではありません。速く発話すると、このような傾向になるということです。

後ろの音に影響される場合
miss you:「ミスユ」が「ミシュ」の様に変化。
Is she:「イズシ」が「イシ」の様に変化。
Does she:「ダズシ」が「ダシ」の様に変化。
Has she:「ハズシ」が「ハシ」の様に変化。
nice shot:「ナイスショット」が「ナイショッ」の様に変化。
as you:「アズユ」が「アジュ」の様に変化。
Is your:「イズユア」が「イジャ」の様に変化。

隣り合う音が一つになる
meet you:「ミートユ」が「ミーチユ」の様に変化。
let you:「レットユ」が「レチュ」の様に変化。
received your:「リシーヴドユア」が「リスイーヴジャ」の様に変化。
last year:「ラーストイア」が「ラースチイア」の様に変化。
would you:「ウッドユ」が「ウジュ」の様に変化。
did you:「デイツドユ」が「デイジュ」の様に変化。
asked you:「アースクトユ」が「アースクチュ」の様に変化。
send you:「センドユ」が「センジュ」の様に変化。

(3)破裂音が聞こえなくなる場合
英語には[p][t][k][b][d][g]の6つの破裂音(,泙此⊃亜∋茎などによって空気の流れを止める△靴个蕕そのまま流れをとめておく最後に閉鎖を解いて空気を通過させる音)がありますが(例えば put を、テイッシュペーパーを口の前で広げて正しく発音すると、テイッシュペーパーは大きく揺れるはずです)、この破裂音が続いたり、破擦音(破裂音の直後に摩擦音がつづき、全体で単音と見なされる音 [church の ch の音] [June の J の音] [tr][dr][ts][dz])・摩擦音(口腔内の発音器官が狭めを作り、息がそこを通過する際に発せられる子音[f][v][s][z]など)が続くと、前の破裂音は上記の´△涼奮で終わってしまいます。破裂が無いところで破裂させて発音すると、ネイテイヴスピーカーには聞き取り難い音になりますし、なにより「人間は自分が発音できない音は聞き取れない」のでリスニングの妨げになります。pay の p と kept の p とは、発音記号上は同じ様に[p]で表示されますが、実際には前者では´↓、後者では´△硫擦任后2擦修里發里なくなるわけではありませんが、飲み込まれる様にして次の音に移っていく感じです。

誰もが自然に言っている goodbye は、決して「グッドバイ」ではなくて「グッバイ」ですよね。破裂音が2つ並んだ場合には、前の破裂音は発音されても´△硫擦任垢里如破裂は聞こえません。しかし音そのものが完全になくなってしまうということではありません。聞き難くなるということです。goodbye については、[gu(d)bai] と辞書では( )つきになっていますが、その理由がこれです。 “hoped to go” の様に破裂音が3つ並んだ場合、2番目の破裂音は速い発話では発音されませんので “hope to go” と同じ発音になりますが、前後関係で意味は分かりますので実際上は問題ないでしょう。

破裂音に破裂音が続く場合の例
take care / hot plate / that car / a bit tired / a good time

破裂音に破擦音が続く場合の例
picture / capture / big chance / good job / hot drink

破裂音に摩擦音が続く場合の例
eighth / hundredth / send them / sit there / hardship

破裂音に[m][n]の鼻音が続く場合
長年社会人の方々を指導していて、なかなか直らない発音の1つに garden があります。どうしても「ガーデン」と日本語式に破裂音である [d] に母音をつけてしまいます。破裂音に[m][n]の鼻音が続く場合には、その破裂音(t, d, p 等)の舌の位置をそのままに[m][n]の鼻音に続けます。従い「ガードン」の様に聞こえます。
button / cotton / carton / written / eaten / sudden / hidden / burden / pardon / ridden

破裂音に[l]が続く場合
apple は「アップル」ではなくて「アップウ」と発音したらいいと聞いたことがあると思います。これは、破裂音に[l]が続く場合、上記の破裂音に[m][n]の鼻音が続く場合と同様に、その破裂音(t, d, p 等)の舌の位置をそのままに[l]の音に続けていくからです。[l]の音は舌の先を歯茎につけて発音しますが、[p]の発音の状態そのままで、息を外に逃していかなくてはならなく、[l]音には[u]に近い音色があるので、このように聞こえるのです。破裂音に[l]が続く場合、その破裂音(t, d, p 等)の舌の位置をそのままに[l]の音に続けていき、空気が舌の横から抜ける瞬間に、やや遅れ気味に、弱く「ウ」と言うと上手くいきます。
apple / couple / triple / little / turtle / title / candle / medal / handle / bubble

(4) スピードがある発話では脱落してしまう音
発音には、必要なエネルギーを節約しようとする所謂「省エネ」傾向があります。今まで述べてきた「弱形」「同化」「破裂の省略」そして「短縮形」もこの「省エネ」の一種です。ここで述べるのは、スピードがある発話では音が脱落してしまう「脱落」現象です。

子音の脱落
[t][d]の音が語の最後に来ると、スピードがある発話では脱落してしまうことがあります。無意識に言っていると思われる「アイ ドンノー(I don’t know.)」は [t] の脱落です。”can’t do”, “doesn’t matter”, “wasn’t there” というような場合にも脱落することがあります。
he / his / him / her 等では弱形で読まれる場合には [h] は脱落することがあります(heは「イ」で発音される)。これは、大抵の辞書に明示してあります。
all right は、我々も「オーライ」の様に [l] を脱落させています。always / already の[l] も脱落することがあります。

母音の脱落
所謂「あいまい母音(辞書では[e]を逆さにした [∂] で表示)」は、速い発話では脱落することがあります。辞書で [∂] 記号が( )内にある場合は、その意味です。camera / familyは、それぞれ「キャムラ」「ファマ(ム)リ」に聞こえることがあります。強勢のない音節の母音は圧倒的に「あいまい母音」になり、スピードがある発話では脱落してしまうことがあるため我々日本人のリスニングの大きな妨げになっています。正しい音節認識をして、必ず強勢を意識して発話をし、スピードを上げていけば、自然と、ネイテイヴと同じように母音が脱落していく筈です。しかし、我々がしゃべる時に「あいまい母音」を入れても問題ありませんので無理をする必要はありません。

11.イントネーションについて
イントネーションとは声の高低上下の動きのことです。ネイテイヴの話すイントネーションには、次の3つの機能があると言われています。
(1) 話者の心的態度を表す機能
(2) 発話のある部分を際立たせる機能
(3) 文法的機能
筆者は、ネイテイヴの話す微妙なアヤを理解し、ネイテイヴの様に話したい人を除いて、この問題はあまり深刻に考えない方がよいと思います。ネイテイヴでもイントネーションについては個人差があると同時に、とても一般の日本人がマスター出来る領域とも思えないからです。むしろ、気にすることから来る弊害の方が大きいと思われます。我々がネイテイヴの話すイントネーションと違ったとしても、前後関係から誤解されることもないでしょうし、我々は刑事コロンボではありませんので、微妙なアヤを詮索しない方が実用的だと思います(刑事コロンボは相手の言葉の微妙なアヤから追い詰めていくので英語で分かった時は快感ですが)。しかし、英語でしゃべる時は頭の中の絵(イメージ)を英語の音(イントネーションを含む)で相手に送る訳ですから、イントネーションの基礎の基礎は守った方が、より正確に絵を相手に送ることが出来る筈です。筆者の考えるイントネーションの基礎の基礎は次の2つです。

(1)最も重点を置きたい言葉は、音の高いところからスタートし且つ強く発話する。例えば、「私はすごくつかれていた」の下線部に最も重点を置きたい場合には、I was very tired.の様に ”tired” を高い音で開始し下降調で発話する。「私はすごくつかれていた」の下線部に最も重点を置きたい場合には、”I was ver-y tired.” の様に ”very” を高い音で開始し下降調で発話する。

(2)疑問を投げかける時は、疑問文でなくても、低くスタートし上昇調で発話する。例えば、”This is yours.” で “yours” のピッチ(声の高低上下)を上昇させることで「これ、あなたの?」の絵を送ることになります。

「発音練習への応用」
以上のことを、「しゃべる」「聞く」技能の向上の為に応用するとすれば、まず発音練習を次の手順で行なうことをお薦めします。人間は「自分が聞けない音は発音できないし、発音できない音は聞けない」宿命を持っていますが、12才位を超えてから英語の音を身につけようと思うなら「CDを聞いて音を身に着けること」よりも「正しい発音を身につけること」から入った方が効率的だと思います。
(1)練習に使うテープ・CDのついた教材(言語材料)の1語1語を、辞書を引いて音節毎に分ける(実際には語を [-] で分ける)。実際には1ストーリー(ユニット)等区切りのいい所まで、パソコンを使って打ち込みを行い、「/」「●」「―」等を使って音節に分けるのが後工程を考えると楽です。
(2)音節毎に分けた語と発音記号を書き出す。これも、上記の打ち込みをしたものを1行に2―3語になる位、語と語の間をあける作業を行なった後プリントしたものに発音記号を手書き記入すると楽です。
(3)発音記号を音節に対応して [/] で分ける。
(4)先ず、[/] で分けられた音節毎に、[/] で分けた発音記号を見て発音する。発音記号を見て正しく発音出来る為には、実技の訓練を、正しく発音出来る先生から受けることが、例外的な人を除いて、絶対に必要であることを、筆者の20年間の指導経験から強調しておきたいと思います。
(5)音節毎の発音が正しく出来る様になったら、1語全部を発音練習する。音節毎にゆっくり発音できる余裕が出来るまで練習する。この音節毎に、余分な音をくっつけずに、ゆっくり発音できるというところがキーポイントです。
(6)次に(1)の教材(言語材料)を、一般に 嵬昌譟廖崙飴譟塀くbe動詞)」「形容詞」「副詞」「指示代名詞」「疑問詞」「間投詞」は文中でアクセントが置かれ、「be動詞」「冠詞」「人称代名詞」「前置詞」「接続詞」「助動詞(be, have, doを含む)」「関係代名詞(副詞)」には、文中でアクセントを置かない強くアクセントが置かれない音節はアクセントが置かれる音節にくっつけて発音されることを念頭に、上記の例の様に、一まとめに一気に発音されそうないくつかの語を( )で括ってみる。
(7)テープ・CDを聞いて括り方を確かめる。自然に吹き込まれた英語は( )で括ったものを読んでいる訳ではないので、ある語がどの( )に入れてよいか聞き分けられない場合もあると思いますが、最初は余り気にしないでよいと思います。大切なことは1語1語辞書で調べて「弱形」「強形」の区別を先ず意識することです。実際の発音は、辞書の通りの「弱形」「強形」通りでないこともあることも覚えてくとよいでしょう。自分の気持ちが自然に音に伝わる訳ですから、なんでもかんでも辞書通りには行かないのは当たり前です。
(8)自分で作成した(6)の教材を見て、視覚に訴えながらテープ・CDを聞いて1文毎に真似をする。これで英語のリズムが身についていきます。
(9)自分で一応真似できる様になったと思ったら、(6)の教材を見て、視覚に訴えながら、もう一度テープ・CDを聞いてみて下さい。
(10)再度自分で作成した(6)の教材を見て、視覚に訴えながらテープ・CDを聞いて、(9)で聞き取りがよく出来なかったと思われるところに蛍光ペンで印をつけ、そこを再度発音練習する(「発音できない音は聞けない」)。
(11)仕上げは何も見ないでテープ・CDを聞いて、音がクリアに認識できるかを確認することです。ここで注意頂きたいのは、例えば [t ]のような無声音が最後に来る場合は、物理的には聞こえないことの方が多いということです。しかし「音」は作られていますので「間」はあります。その間によって、聞こえた感じになればそれでよいのです。

最後に「英語でしゃべる」とは、頭の中の絵(イメージ)を「英語の音」で相手に送っていることであるということを再度強調したいと思います。

音の英文法(詳細編 

1.「文」は「語」から成り立つ
あるまとまった内容を伝える言葉の最小単位を「文」といいます。この「文」は通常複数の「語」から成り立っています。

2.「語」は「音節」から成り立つ
文字のない言語はあっても、音のない言語はありません。言語は最初に「音」ありきなのです。どのような言語でも音は音素から成り立ちますが(日本語の「さくら」は、ラテン文字を使い大雑把に表わせば、s-a-k-u-r-aの6つの音で表わせます。この1つ1つの音を音素といいます)、普段我々が認識する音の最小単位はsa-ku-raの3つの音です。このように人間が普段認識する音の最小単位を「音節」と呼びます。辞書の「見出し語」には、例えば「cam●er●a」の様に●で区切って表示してあります。日本語的にゆっくり発音すれば「ka-me-ra」または「kya-me-ra」のような音節認識となりますが、英語では「kyam-er-a」のような音節認識になります。全ての英単語はどこで音節が切れるかが決まっており、勝手に変えることは出来ません。決まった音節を無視して発音したら相手に通じないことが多くなります。camera は、日本人には「キャメラ」と聞こえるし、そのように発音する傾向がありますが、英語のネイテイヴの発音はむしろ「キャムラ」に近いのです。筆者は、この20年英語の指導をしていますが、「音節とは何か」を知識として知っている人は残念ながら極めて少なく、ましてや「音節を意識して発音する」人は殆どありません。この「音節認識」なくしては、日本人の大人は「英語の音」は身につかないでしょう。

3.日本語の音節は「(子音)+母音」で必ず母音で終わるが、英語の音節は「(子音・子音)+母音+(子音・子音・子音)」のように子音が連続し、必ずしも母音で終わらないし、むしろ各音節は子音で終わることが多い
日本語の音節は大雑把に言って「50音」です(「平仮名」「カタカナ」は表音文字です)。この「50音」に共通する特色は、大雑把に言って「N」を除いて、全部a, i, u, e, oの母音で終わることです。これに比べて、英語ではどこまでの音を1つの音節として認識するのかは単語毎に決まっています。この結果、金田一春彦国語学者によれば、日本語の音節は全部で122しかないのに、英語では理論的な組み合わせは3万とも8万とも言われるくらい天文学的な数字になるとのこと。たった122の音しか区別していない日本人が、英語の音を聞き取るのは、相当の練習と訓練を積む必要があることが納得できます。

一旦「日本語の音のシステム」が構築されると、我々は無意識の内にこの「日本語の音のシステム」を使って英語の音を聞き取ろうとしてしまいます。外国語を習得する場合の最大の悩みはここにあります。「50音」に慣れた我々は無意識の内に、英語の音節もa, i, u, e, oの母音をくっつけて認識しようとします。”street” は1音節の単語ですが、我々はsu-to-ree-to (ストリート)のように4音節で聞き、しゃべる傾向があります。”busi-ness” は2音節ですが「ビジネス」のように4音節に聞こえます。”mon-ey” は ”mo-ne-y” と音節認識し、「マネイ」又は「マネー」と聞いたり、しゃべる傾向があります(実際は「マニ」のように発音されます)。所謂カタカナ英語の殆どがこの傾向にありますので、これらの発音には気をつける必要があります。

この現象は一旦「日本語の音のシステム」が構築された人には、「英語の音のシステム」を新たに追加構築する以外不可避なことです。何故なら、人間は自分でしゃべる音を自分の耳で聞いて音のシステムを作りあげているからです(生来「耳」が不自由な方は「正しい音」で発音することが非常に難しいという現実があります)。「自分がしゃべれない音は聞き取れない」のです。「英語の音のシステム」を新たに構築するには膨大な時間がかかりますが、まずは現実を直視し、正しい音節認識をするということから始めるという地道な努力しかありません。自分が知っている単語でももう一度辞書を引いて、どこで音節が切れているのかを再確認することをいくつかの単語で毎日やって見ることをお勧めします。

余分な母音をどうしてもつけがちな、難しい子音の組み合わせ単語の発音例
try は、舌の先を思い切り後ろの方に引き、歯茎の裏につけて強く [t] を破裂させて(その結果 [r] に [o] とか [u] の余分な母音がつかなくなる)、[t] を破裂させた後で、[ai] と続けるとよいでしょう。[r] は舌が口の何処にも触らないで作られる音です。
twin も、上記の様に舌の先を思い切り後ろの方に引き、歯茎の裏につけて強く[t] を破裂させるとよいでしょう。
play は、舌を [l] の位置(舌先を歯茎に押し付ける)に持っていっておいてから、強く[p]を破裂させると旨くいきます。

4.英語には日本語に無い音が沢山ある
日本語の母音はa, i, u, e, oの5つ。米音で14といわれています([i:] [i] [e] [æ] [a] [o] [u] [u:] [∂] [ei] [ou] [ai] [au] [oi] 但し[r]の音色を持つ母音は除く)。発音記号は夫々の辞書で表示が若干異なります(元々アナログの音をデジタルな発音記号で表わそうとするので一元化は難しいのです)。発音記号が著者のパソコンでは表示できませんが ”hut” の “u” の発音(A の横棒のないもの)は実務的には大切な音ですので、上記につけ加えて下さい。

日本語の子音は14、英語は24で [f] [v] [θ ] [ð ] [t] [d] その他 [leisure の “su” の数字の3に似た音][church の “ch” の音][June の “j” の音][king の “ing” の音]等は通常の日本語には無い音です。また、日本語の「ラリルレロ」は時として [r] 、時として [l] を使っているのが実情です(日本人は日本語で [r] と [l] を区別して使っていないのでその聞き分けも難しいのです)。

日本語には無い音でも、真面目に口の形、舌の位置、歯の位置等「形」から入って練習すれば確実に身についていきます。簡単な「発音の手引書」を手に入れて、手鏡を利用して「口」「唇」「舌」「歯」等の形・位置を確認して練習をするとよいと思います。出来るようになったと思ったら、英語の発音がキチンと出来る人にチェックして貰うことをお勧めします。

日本語のシステムとの関係で、ついつい甘くなってしまう発音に二重母音(母音が2つ続く)があります。二重母音は現在の日本語では「イ、イ、ウ」の掛け声にしか残っておらず、boat は「ボウト」のような発音ですが、つい「ボート」と伸ばしてしまいます。bought は「ボート」です。low / law, ball / bowl, saw / sew, caught / coat 等は皆この区別のための練習になります。辞書で確認した時「オー」なのか「ウ」なのかを強く認識するようにするとよいでしょう。電車内での広告で「オー」と伸ばしてあるカタカナ英語は殆どが英語では「ウ」です。

5.同じ発音記号でも常に同じ音ではない
こう書くと「えー?」となると思いますが、残念ながらそうなのです。
音を忠実に書き表そうとしたのが表音文字ですが、英語のアルファベットは日本語の「あいうえお」と異なり、忠実には音を再現しておりません。それを補う為に発音記号なるものが考案されましたが、これとて万能ではなく、前後の音に影響されて同じ発音記号が用いられていても実際の音は異なることがあります。更に個人差があります。そのために「慣れ」はどうしても必要です。お母さんは赤ちゃんの言うことが分かっても、お父さんが分からないのはこの慣れの違いなのです。例えば、後述する破裂音は、実際に破裂させて発音する場合(語頭に来て、アクセントがある場合)と破裂させない場合には同じ発音記号が使われていても実際の音は異なります。wa-terが「ワラー」に聞こえることがあるのはこのためです。[r] は原則舌が何処にもつきませんが ”tree” の場合等には軽く歯茎を打っています。

6.日本語は平坦言語、英語は強弱言語
英語では、1つの単語を単独で発音する場合には、1語の中で必ずある1音節が他の音節より「強く」エネルギーを込めて発音されるという特色があります。1語1音節で成り立っている場合には、音の性質から母音(音を作る器官のどこにも邪魔されずに発音される音のことで、大雑把にいうとa, i, u, e, o)が強く発音される傾向があります。

一方、日本語では「箸」と「橋」の様に「高低」で音を区別することはありますが、「強弱」は原則としてありません。英語の音は「強弱言語」なのです。どの音節が「強く」エネルギーを込めて発音されるかも、単語毎に決まっており、勝手に変えることが出来ません。「cam●er●a」はcamに強勢があり「cam●er●a」のように発音されます。「リンカーン大統領」の “Lincoln” は「Lin●coln」で「リンカン」のように聞こえます。同じ綴りでも「強く」エネルギーを込めて発音する場所を変えると意味が変わるものもあります。例えば、rec-ordは名詞で「記録」、re-cord は動詞で「記録する」の意味です。 produce, conduct もアクセントの位置で意味が変わります(大抵は、名詞では前の音節に、動詞は後の音節にアクセントがあります)。

7.文中では、アクセントが置かれない語が沢山ある
発音記号(音韻記号)を詳しく書いた最近の辞書には、同じ単語でも、米音・英音の発音区別の他、「弱形」「強形」の区別が書いてありますが、これは実際の発話の際には上記6つの原則が適用されないことがあることを意味しています。即ち、語のアクセントについては、語は音節から成り立ち、1語1ケ所必ずアクセントが置かれるが、「弱形」「強形」の両方を持つ語は文中では、「弱く」発音される傾向があるという原則を知っておいて下さい(1語を単独で発音する場合には強形で発音します)。一般に「名詞」「動詞(除くbe動詞)」「形容詞」「副詞」「指示代名詞」「疑問詞」「間投詞」は文中で、その語を構成する音節のうちのどれか1つの音節にアクセントが置かれますが、「be動詞」「冠詞」「代名詞」「前置詞」「接続詞」「助動詞(be, have, doを含む)」「関係代名詞(及び関係副詞)」には、文中でアクセントを置かないのが普通です。筆者が教えて来た経験で日本人が正しく聞き取りが出来ないのが “our” です。学校では「強形」の発音しか教えないので、生徒は「アワー」と認識しています。英音の「弱形」は [a:](アー)ですので “a” と聞き違え易いのです。”There is” は「ゼアイズ」ではなく「ザズ」の様に聞こえます。更に、話者の気持ちによっては辞書にはアクセントのない「弱形」の発音記号しかない語でも強いアクセントを置いて発音することがあること、逆に通常は強く発音される語も文脈によっては必ずしも強いアクセントを置いて発音されないことがあることも知っておきましょう。

例えば、次のような会話でのアクセントに注目してみて下さい(太字の部分が強く発音されます)。
A: My hus-band likes steak, but he does-n’t like chick-en.
B: To tell you the truth, I don’t like chick-en, ei-ther.
I は代名詞であり、辞書を引くと「弱形」と「強形」の両方の発音が書いてあり、通常文中ではアクセントが置かれないが、上記の例では「私も」という気持ちを強調したいので通常はアクセントが置かれるはずです。 don’t like chick-en の3語とも、辞書を引くと「弱形」は書いてありません。しかし、この例ではA がhe does-n’t like chick-enという表現を前で使っており、B が続けて発話する場合はei-therという言葉を使うことにより、その内容が文脈から明らかになるので、通常はアクセントが置かれないはずです。

「文中では通常アクセントが置かれない語」のまとめ
「be動詞」「冠詞」「代名詞」「前置詞」「接続詞」「助動詞(be, have, doを含む。ought, need, dare, used を除く)」「関係代名詞(及び関係副詞)」「than」「as … as …」「数量を特に意識しない時のsome」「There is (are) の there」「this morning/afternoon/ evening の this」。

「文中では通常アクセントが置かれない語でもアクセントを置く場合」のまとめ
(1)意味上重要になる場合 →上記例のI。
(2)意味を強調する場合 →This is the book I have to read.(発音は「ジ」)。
(3)対比する場合 → on the table, not under the table。
(4)発話の最後の助動詞・be動詞→ Yes, he can / is. 日本人はここを弱く発音する傾向がありますので、常に意識しましょう。
(5)発話の最後にアクセントのない語が来た場合には、その前の単語にアクセントが置かれれます → What nationality are you?(国籍はどちらですか)。
(6)助動詞が他に動詞を伴わない場合
A: We must call the doc-tor(mustにアクセントなし)。
B: Yes, we must. (mustにアクセントあり)。
(7)助動詞・Be動詞が文頭に来た場合、通常アクセントをつけ、ゆっくり発話される。
Can you make the tea, John? / Is there any water in this kettle?

8.弱い音節は、強い音節に引っ張られる
そして、これが極めて大切なのですが、「弱い音節は強い音節に引っ張られて、その強い音節を中心に恰も1語の如く発音される」という原則があります。
例えば、He is a teacher. という文は音節に分けるなら、He is a teach-er. の5つの音節で成り立っています。Heは代名詞ですから通常は弱形の[hi]で発音されます。isはbe動詞ですから弱形の [iz] で発音されます。 aは冠詞ですから弱形の曖昧母音で発音されます。 teach-erについては、第一音節にアクセントがあり teach-erの様に発音されます。結局He is a teacher. は書いたら4語ですが、音では ”He-is-a-teach-er” の様に恰も1語の様に発音されるのです。筆者の娘は小学校をアメリカでスタートしました。彼女のノートを見せてもらった時、文字が全部つながっていて、きちんと「分かち書き(単語と単語の間に空白を置くこと)」された文にしか接したことのなかった筆者には全く理解できませんでした。そこで娘を呼んで読んでもらったところ完全に意味が分かりました。小さな子供には英語の文字は発音記号の意味しかないことを思い知らされた経験を懐かしく思い出します。

9.強い音節から次の強い音節までの時間は、ほぼ同じになる傾向がある
弱い音節は強い音節に引っ張られ、弱く且つ速く発話され、強い音節から次の強い音節までの時間は、ほぼ同じになる傾向があります。以上1−8によって、英語特有のリズムが作りだされているのです。次の4つはほぼ同じ時間間隔で発話されます。
1. A / B / C / D
2. A / and B / and C / and D
3. A / and a B / and a C / and a D
4. A / and then a B / and then a C / and then a D

この英語特有のリズムこそが日本人の英語の壁を作り出している最大の理由だと思います。


記事検索
livedoor プロフィール
Categories
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ