「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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2009年06月

日本語と英語の意味のずれ(24)

「パンフレット」と「pamphlet」

日本人が「パンフレット」と聞いて思い浮かべるのは「何かをプロモーションするために絵や写真入りで分かりやすくまとめた小冊子」が一番多いのではないだろうか。

“pamphlet” を英和辞典で調べてみると、単に「パンフレット、小冊子」と説明してあるものと、もう少し詳しく「(・・・についての)パンフレット」「(時事問題の)小論文、論説」或いは「(通例80ページ以下の仮綴の)小冊子、特に時事問題の小論文」と解説してあるものまである。

英々を引いてみると「非常に薄いこと」「ペーパーカバーであること」「ある特定な話題に関する情報を与えるものであること」が要件であることが分かる。

以上から “pamphlet” に対応する日本語を選択するとすれば「小冊子」ということになろう。「パンフレット」という訳語は辞書からは外した方が誤解を生まないで済むと考える。

会社案内や宣伝用に写真と共に情報が載っているものは英語では “brochure”(ブローシュア)と言う。

旅行会社等に置いてある1枚ないし限られたページのものは英語では “leaflet”(リーフレット)。

学会、講演会などで配られる「プリント」は通例 “handout”(ハンドアウト)と呼ばれる。

このように検討してみると、一般的に我々が目にするもので “pamphlet” と呼ぶものは極めて少ないと考えられる。

日本語と英語の意味のずれ(23)

「bike」と「バイク」

“bike” は “bicycle” の短縮語なので基本的には「自転車」の意。”motorbike”(バイク) の意味で使われることもあるが、その場合は「自転車」を意味するのか、「バイク」を意味するのか紛わしいので ”motorbike” と言った方が安全。

日本語の「バイク」には通例「自転車」の意はないので “I’m going to get me a new bike.” と聞くと大抵の人は「バイクを買うつもりです」の意味にとってしまう(「自転車を買うつもりです」が正解)。”She comes to school by bike.” は通例「彼女は自転車通学している」の意。

”motorbike”(バイク) の後ろの部分だけを切り取って日本語にし、偶々切り取られた部分が他の意味だったために「意味のずれ」が生じた。“bicycle” の後ろの部分の “cycle” も「自転車」の意があるが、この意味では日本語化しなかった。「サイクル安打」のように「一巡」の意味でしか使っていない。

「自転車」が世に出たのは19世紀初めで、日本に「バイク」が登場する以前に「自転車」という言葉が普及しており、英語からの借用を必要としなかったものと推察される。比較的新しい「mountain bike」「road bike」が導入された時は「山自転車」「道自転車」では野暮ったいのでそのまま「マウンテン・バイク」「ロード・バイク」が使われたのであろう。「自転車」と命名したのも素晴らしいし、日本人の融通無碍に他言語を吸収して自分のものにしてしまうしたたかさも感じられる例である。

日本語と英語の意味のずれ(22)

派生的意味のみが借用された語

「sex」と「セックス」

英語の “sex” はラテン語の “sexus”(分割、性別に分けること)が語源で、大きく分けて\別 ∪交の2つの意味で使われる。日本語の「セックス」は△琉嫐のみで使われることが殆ど。そのため、,琉嫐で使われているのに咄嗟に△離ぅ瓠璽犬浮かんでくることになり、よく誤解を生む。”the stronger sex” は「より激しいセックス」ではなくて「男性」の意。

以下例をいくつか。

「date」と「デート」

“date” は ‘付 ▲如璽箸琉佞鮖つが、日本語の「デート」は通例 の意味でのみ使われる。”at an early date” は「初期のデートで」ではなく「近々」の意。

「room」と「ルーム」

“room” は 〕消 部屋の意を持つが、日本語の「ルーム」は△琉奸”The high school has room for 1,500 students. は「その高校は1,500人分の部屋がある」ではなく「その高校は1,500人の学生を受け入れることができる」意。

「shower」と「シャワー」

“shower” は ,砲錣雨 ▲轡礇錙爾琉佞鮖つが、日本語の「シャワー」は△琉嫐で使われる。”be caught in a shower” は「シャワーを浴びて(濡れる)」ではなく「にわか雨にあう」の意。英語の天気予報では,琉嫐でよく使われる。


日本語と英語の意味のずれ(21)

「ストーブ」と「stove」

「ストーブ」と聞くと通常「(寒冷地の)薪ストーブ、石炭ストーブ」又は「(暖房用の)電気ストーブ、ガスストーブ」を思い浮かべる。

英語では通常、前者は “stove” 後者は “heater” が使われる。

この日英の意味のずれは「レンジ」「オーブン」が普及していない頃、ニクロム線を熱した加熱器を「ヒーター」と呼んでいたので、それと区別するために、昔から使っていた言葉である「ストーブ」を使い続けたので生じたのではないかと思う。

ある英和辞書によれば “stove” は「(料理用の)こんろ、レンジ(通例オーブン、グリル、ブロイラーなどがついている)」も意味する。米では “cookstove”、英では “cooking-stove” ともいう。

“stove” は元々「(サウナ風呂などの)発汗室」を意味したらしい。「発汗室」→「(暖めるための大形の)ストーブ、暖炉」→「暖めるもの」→「(料理用の)こんろ」のようにイメージが膨らんだものと考えられる。

プロ野球のシーズンオフに選手のトレードが話し合われる場は「ストーブ・リーグ」と言われるが、そのイメージは「薪を焚いた暖かい部屋の連盟」でピッタリだ。「リーグ戦」は “a league match”。

日本語と英語の意味のずれ(20)

「スケール」と「scale」

日本語の「スケール」は英語の “scale” と同じ使い方で「秤」「物差し」「縮尺」「規模・程度・度合い・スケール」の意で使われる。“scale” は、元々は「はしご、階段」を意味した。「はしご、階段」の一段一段の分かれ目のイメージが「目盛り」に発展したことは容易に推察できる。

「スケール」は専門用語として「(ボイラー・水道などの内側にできる)湯あか」「(冶金)熱した金属の表面にできる酸化物皮膜」の意でも使われる。

「スケールの大きな事業」には “a large-scale project” という言い方で “scale” が使えるが「スケールの大きな人」の場合には使えない。「規模の大きな事業」とは言えても「規模の大きな人」はおかしな日本語になる。

そこで「スケールの大きな人」を英語で何というのだろうかと和英を引いてみた。「スケールの大きな人(=度量の広い人)」→ a person of high caliber。しかし “caliber” のコアのイメージは「質(quality)」であるから “a person of high caliber” は「質の高い人」のイメージであり、日本語の「スケールの大きな人」との間には著者は「意味のずれ」を感じる。

この同じ和英で「度量」を引いてみると「度量の大きい=broad-minded」「度量の狭い=narrow-minded」で “caliber” は使われていない。

ここからは著者の独断と偏見であるが、日本人が「スケールの大きな人」という場合に持つイメージにピッタリの英語はないのではないか。その背景は英語を母語とする世界では人物を評価するのに、(断定は禁物だが)そのような「物差し」を持っていないからだと推定できる。

「スケールの大きな人」に一番近い他の日本語は、著者は「器の大きな人」だと考える。「器」を広辞苑で調べてみると「事を担当するに足る才能。器量。また、人物の大きさ」とある。「スケールの大きな人」という場合、通例この最後の意味で使っているものと考える。

「スケールの大きな人」にピッタリの英語はないので「規模」を表す “scale” を借りてきて、それを「人」にも当てはめて「スケールの大きな人」という表現が作られたのではないだろうか。
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