「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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2015年01月

英文法の見える化(3)−「fishes」は間違いか

「魚」の意での「fish」の複数形は「fish」で「単複同形」だと習い、試験にもよく出ました。ところが先日「I saw a lot of fishes in the aquarium.」という文を目にしました。この文は英語的に間違いでしょうか。

いいえ、文脈からは「正しい」使い方だと言えます。水族館には「沢山の魚がいる」というより「沢山の種類の魚がいる」という方が自然です。「数」を問題にしている「魚」の複数形は通例「fish」ですが、「種類」を問題にする場合の「魚」の複数形は「fishes」です。これは所謂「不可算名詞」が「種類」を言う場合には「可算名詞」のように「複数」になるのと同じ法則です。「魚を沢山釣った」という場合は「I got a lot of fish.」のように「単複同形」が使われると思います。

「one fish」「two fishes」「three fishes」と数えることはできないかを辞書(「ジーニアス英和大辞典」)で調べてみたところ、イギリスではこのような使い方をすることがあると載っていました。従い『「fish」を数える場合の複数形は通例「fish」で「単複同形」だが、「fishes」も可』というのがより正しい説明のようです。

昔は「魚」といえば川や湖を泳ぐ魚の群れ、あるいは網にかかった魚がイメージされ、数を意識しなかったので「単複同形」で使っていたのではないかと思います。英国では国をあげて「英文法」が見直された時期がありますが、その頃には魚を「一匹」「二匹」「三匹」と個別に数える必要性が出てきて、このような取扱が追加されたのだと推察されます。その頃にはアメリカでも既に英語が使われていて、そのまま「単複同形」で使われ今日に至っているのだと思います。

安倍首相の中東演説は日英で内容が異なるか

昨日の日経に「イスラム国」の周辺国への2億ドルの人道支援を表明した安倍首相のスピーチについて、英訳で支援の目的のニュアンスが変わったことが日本人人質事件を誘発した可能性」が参院代表質問で指摘されたことが載っていました。

首相の演説:
地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束する

英訳:
for those countries contending with ISIL, to help build their human capacities, infrastructure, and so on

英訳の構造:
ISILと戦っている国々のために(総額で2億ドル程度支援する)、<カンマがあるので新しい情報の追加>支援する理由・目的はこれらの国々が彼らの国のhuman capacities、彼らの国のinfrastructure等を築くのを助けるためである

「human capacities」「infrastructure」は何を意味するか:
「human capacities」をどうとらえるかですが、言葉の解釈は文脈で捉えなければなりません。特に英語では後で述べることは前に述べたことの説明になります。英和辞書の「human」には「人間の」「人間らしい」「人間的な」「人間味あふれる」等の訳語が載っています。「capacities」は「capacity」の複数形で「(潜在的な)能力」「資格」の意。この2語から『ISILと戦っている国々の「人間の」「(潜在的な)能力」を築くのを助ける』と読めます。首相のスピーチの「地道な人材開発」の「地道な」というニュアンスは全くありません。

次に「infrastructure」ですが「インフラ」は安倍首相のスピーチにもある通り日本語になっていますが、「軍事」関係で使われると「(飛行場などの)部隊支援施設」の意になります(ジーニアス英和辞典)。戦争当事国への支援の話しですから民間向けのガス・水道・電気等をイメージさせるのは難しいと思います。

このように「(飛行場などの)部隊支援施設」を築くのを助けるイメージが追加されると『「ISILと戦っている国々のために」「彼らの(潜在的な)人的能力」を築くのを助ける』は「(戦うための)人的開発」と捉えるのが自然でしょう。

著者の推察:
この英訳は日本語のスピーチ原稿と同時に周到に用意されたものと思われます。ザックリ言えば「国内向けには戦争支援を(全く)感じさせないような言葉使い」「海外向けには明確に戦争支援(政府の言う「積極的平和主義」の実践)を明言」ということでしょう。

英文法の見える化(2)−何故「a を不定冠詞」と呼ぶのか

英語では名詞の前(稀に後)に現れる、その名詞の表す概念の適用範囲を示す語を「冠詞(article)」といいます。「a/an」と「the」のことです。正に「頭にかぶる言葉」という意味です。

「the」はその直後の名詞の表す概念の適用範囲をキチンと特定しますので(定めますので)「定冠詞(definite article)」と呼び、「a/an」は例えば前回解説した「an apple」はリンゴならどこにある、どのリンゴでも構わないので名詞の表す概念の適用範囲を特定しません(定めません)ので「不定」という言葉を使って「不定冠詞(indefinite article)」と呼びます。

このような名称は一部の専門家の方を除いて「どうでもよいこと」だと思います。実用的な意味からは「不定冠詞の省略された無冠詞」も「不定冠詞(indefinite article)」の1つだと認識することの方が大切です。

不定冠詞の省略には次の3つのケースがあります。
複数名詞の前。これは論理的に明らかです。
所謂「数えられない名詞(uncountable nouns)」の前。これについては前回の解説を参照下さい。
食事を表す言葉(breakfast, lunch, dinner等)の前。但し形容詞が先行する場合は「He gave us a good breakfast.(彼はおいしい朝食を出してくれた)」のように「不定冠詞(indefinite article)」がつきます。これは形容詞がつくことで「形」が見えて来やすいからだとも説明できますが、慣用的な言語習慣だと割り切った方がすっきりします。

英文法の見える化(1)−「an apple」と「apple」の違い

著者は、コミュニケーションの本質は「頭の中の絵(イメージ)を音でキャッチボール」することだと捉えています(文字で書かれたものは一旦頭の中で音声化される)。絵(イメージ)ですから「見える」必要があります。「分かった」という時 “I see.” と言いますが、コミュニケーションの本質が表れている表現だと思います。

このような発想から本シリーズでは従来「難しい」説明のあった文法事項の一部を取り上げて、誰にでも「見える」ように解説してみたいと思います。

「an apple」と「apple」の違い

従来の一般的な説明は、前者は「an」がついているので「可算(数えられる)名詞」で、後者は「不可算(数えられない)名詞」である、というものです。意味は、前者が「1つのリンゴ」ですが、後者は著者の辞書には載っていません。だからと言って「apple」という表現が常に間違いだということはありません。名詞は全て「可算名詞」か「不可算名詞」に分類されるということではありません。

「数えられる」ということは「形があり、絵に描ける」ということです。何か「人」「物」を思い浮かべたときに「形があり、絵に描ける」ならば、使う人の勝手で「可算名詞」として使うということです。

逆に「形がなく、絵に描けない」ならば、「不可算名詞」として使われ、聞いたり、読んだ人は「形がなく、絵に描けない」物を頭に思い描くということです。これが「an apple」と「apple」の違いの本質です。

「形がなく、絵に描けないリンゴ」ならば、何が思い浮かびますか?例えば、「野菜サラダに細かく切って入れられたリンゴ」「摺ったリンゴ」はどうでしょうか。この場合は「形がなく、絵に描けない」ので「an apple」とか「apples」は言えません。「some apple」が順当でしょう。

英文法書では、一般的に物質を表す名詞(bread, coffee, gin, ice, paper, stone, wine, beer, cream, glass, jam, sand, tea, wood, cloth, dust, gold, oil, soap, water)は「不可算名詞」だと説明しています。

しかし、これらの語が「常に」不可算名詞という意味ではありません。「物質を表す名詞」として使う場合には不可算名詞として扱われるということです。

[磴┐弌bread」は「パンの種類」を言う時には可算名詞扱いです。
◆a coffee」「a beer」「a tea」は「一杯のコーヒー」「一杯のビール」「一杯の紅茶」の意で市民権を獲得しています。
「一杯のジントニック」は「a gin and tonic」(コーヒー、ビール、紅茶と同じ扱い)。
ぁice」を「氷菓」の意で使えば可算名詞扱い。
ァpaper」は「newspaper」の意でも使えます。その場合は勿論可算名詞扱い。
Αstone」は「小石、石ころ」の意で使うなら可算名詞扱いです。
Аwine」も「ブドウ酒の種類」を言う場合は「two wines(2種類のワイン)」のように可算名詞扱い。
─cream」は「クリーム菓子」の意でなら「an ice cream」のように可算名詞として使っても可。
「glass」は「コップ」の意なら可算名詞。
「jam」も「種類」を言う場合は「可算名詞」扱い。
「sand」は「砂粒」の意で用いる場合には、しばしば「sands」と複数形が使われます。だからと言って通例「可算名詞」という訳にもいかないと思います。「可算名詞」「不可算名詞」というのは「便宜的な」文法用語だということが分かります。
「woods」は「森」の意。
「cloth」は「ある用途に用いる布」の意では「a wet cloth(ぬれぞうきん)」のように「可算名詞」扱い。「clothes」は「着物・衣服」の意ですが数詞(one, two, three 等)を伴うことはしません。
「dust」は「ちり・ほこりを払うこと」の意では「give a quick dust(すばやく清掃する)」のような使い方をします。このように「形容詞」がつくと「可算名詞」扱いになる名詞は結構沢山あります(例えば、breakfast, lunch, dinner)。形容詞がつくと「形」を思い浮かべやすいということは言えるとおもいますが、言語習慣であると捉えるのが自然でしょう。
「gold」も「金メダル」の意なら「可算名詞」扱い。
「oil」は「油絵」の意なら「paint in oils(油絵を描く)」のような使い方をします。
院soap」は「メロドラマ」の意では「可算名詞」扱い。昔石鹸会社がスポンサーだったことに由来する表現。
押waters」は「領海」の」意で慣用的に複数形が使われています。

TOEIC頻出熟語―860点レベル(46)

東京の本屋さんの「英語コーナー」は「TOEIC対策本」で一杯です。その中でも「単語」「熟語」関係が目立って多い気がします。今まで長年社会人の方々の英語のお手伝いをしてきた経験から、確かに「TOEIC」の点数をアップするには「単語」「熟語」がキーになることは疑いがありません。

著者の手元に中経出版の「TOEICテストにでる順英熟語」があります。この中の「860点レベル」で取り上げられている240の熟語を、引き続き1回5つのペースで、著者の視点で解説して行きます。著者の視点は「熟語=基本単語のイメージの組み合わせ」です。闇雲に熟語を覚えるのではなく、何故そのような意味になるのかの理屈(即ち英語の理屈)を踏まえた上で覚えるのが遠回りに見えて最短距離だと考えています。

(226) take the place of …(・・・の代わりをする、・・・に取って代わる)
「・・・の場所を自分の所に取り込む」イメージです。
Is solar energy going to take the place of conventional energy in the near future?(近い将来に太陽エネルギーが従来のエネルギーに取って代わることになるだろうか)

(227) bring A home to 人(Aを人に正しく理解させる、Aを人に負わせる)
ここでの「home」は「ねらった所へ、まともに、十分に、痛烈に」のイメージです。
「Aをまともに人のところに持って行く」イメージです。

(228) come (back) to life(意識を取り戻す、活気を呈する、生き生きとしてくる)
文字通りのイメージです。
I thought she was dead, but, unbelievably she came (back) to life.(私は彼女は死んだと思ったが、信じられないことだが彼女は生き返った)

(229) read between the lines(行間を読む、隠れた意見・真相を見つける)
これも文字通りのイメージです。
I can’t read between the lines. Tell it to me straight.(私は行間がを読めません。包み隠さず言って下さい)

(230) beat around/about the bush(やぶの回りをたたいて獲物を駆り立てる、遠まわしに言う)
これも文字通りのイメージです。
“Mom, I’m pregnant,” she said without beating around the bush.(「お母さん、私妊娠しているの」と彼女は短刀直入に打ち明けた)

(231) reach a deadlock(行き詰まる)
これも文字通りのイメージです。
The talks reached a deadlock after negotiations failed.(交渉が失敗して階段は行き詰った)

(232) vice versa(逆もまた同様)
ラテン語から来た表現です。
When he wants to go out, she wants to be home, and vice versa.(彼が出かけたい時には彼女は家にいたいが、逆に彼が家にいたい時には彼女は出かけたがる)

以上で本シリーズは終了です。本シリーズを毎日執筆しながら著者にも勉強になりました。著者にも初出の表現もありましたが、1つ1つの単語のイメージをつないでいけば文脈さえあれば意味は正しく推測できました。英語は絵(イメージ)の要素が大きいという感じを改めて強めました。
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