今、鳥飼玖美子氏の「本物の英語力」(講談社現代新書)を読んでいます。そのなかでこんなことを言っておられます。
『海外旅行目的なら中学レベルの語彙で何とか間にあう。
仕事で英語を使おうとすると8000語は必要。
何かの問題について議論するならば1万語は欲しい。
北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも同程度必要。
英語母語話者の語彙サイズは2万語くらいと言われている。
日本の中学・高校で学ぶ語彙数はたったの3000語。
残念なことに日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われるとされる。
大学四年間で増える語彙は個人差があるが、増えても1000から2000。つまり大学卒業時での語彙数は4000−5000。
学校で文法訳読ばかりやって会話をやらないから仕事に使えないのではなく、そもそもボキュブラリーがまるで足りないのです。』
これは「語彙」を「数」の面から見たご意見です。著者は「語彙」研究の専門家ではありませんので、あまり深くコメントすることは出来ませんが感想を述べてみたいと思います。
著者はTOEFLを受験ししたことがありますが、北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも1万語程度必要というのは納得が行きます。
英検「準1級」必要最低語彙数は6800〜7000で「1級」はその倍は必要だとネット上に書いている人もいます。鳥飼さんの基準とは違う基準で計算されているかも知れません。しかし「準1級」と「1級」との間のギャップはこのくらいあっても不思議はありません。著者は先に「1級」を取得し(その当時は「準1級」はなかった)、随分後になって「準1級」を受験してみましたが、あり得ないくらい偏差値が高かったのを覚えています。
著者は社会人を相手に「英語回路構築トレーニング」を約30年間行っていますが、TOEICのスコアは「(使える)語彙」に比例することは身をもって経験しています。TOEICの出題形式が近く変わるようですが、今までの出題形式では600点未満の方は間違いなく「語彙」不足です。
「日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われる」だけでなく、社会人になって仕事を始めると半年後には大幅にTOEICのスコアが落ちる現象も長い間見てきました。ある会社で年齢とTOEICのスコアをグラフにしてもらったところ綺麗な右肩下がりの直線でした。「(一時的に)覚えた語彙」は忘れるが「身についた語彙」は忘れないものです。次回は「語彙の身に着け方」について書いてみたいと思っています。
『海外旅行目的なら中学レベルの語彙で何とか間にあう。
仕事で英語を使おうとすると8000語は必要。
何かの問題について議論するならば1万語は欲しい。
北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも同程度必要。
英語母語話者の語彙サイズは2万語くらいと言われている。
日本の中学・高校で学ぶ語彙数はたったの3000語。
残念なことに日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われるとされる。
大学四年間で増える語彙は個人差があるが、増えても1000から2000。つまり大学卒業時での語彙数は4000−5000。
学校で文法訳読ばかりやって会話をやらないから仕事に使えないのではなく、そもそもボキュブラリーがまるで足りないのです。』
これは「語彙」を「数」の面から見たご意見です。著者は「語彙」研究の専門家ではありませんので、あまり深くコメントすることは出来ませんが感想を述べてみたいと思います。
著者はTOEFLを受験ししたことがありますが、北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも1万語程度必要というのは納得が行きます。
英検「準1級」必要最低語彙数は6800〜7000で「1級」はその倍は必要だとネット上に書いている人もいます。鳥飼さんの基準とは違う基準で計算されているかも知れません。しかし「準1級」と「1級」との間のギャップはこのくらいあっても不思議はありません。著者は先に「1級」を取得し(その当時は「準1級」はなかった)、随分後になって「準1級」を受験してみましたが、あり得ないくらい偏差値が高かったのを覚えています。
著者は社会人を相手に「英語回路構築トレーニング」を約30年間行っていますが、TOEICのスコアは「(使える)語彙」に比例することは身をもって経験しています。TOEICの出題形式が近く変わるようですが、今までの出題形式では600点未満の方は間違いなく「語彙」不足です。
「日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われる」だけでなく、社会人になって仕事を始めると半年後には大幅にTOEICのスコアが落ちる現象も長い間見てきました。ある会社で年齢とTOEICのスコアをグラフにしてもらったところ綺麗な右肩下がりの直線でした。「(一時的に)覚えた語彙」は忘れるが「身についた語彙」は忘れないものです。次回は「語彙の身に着け方」について書いてみたいと思っています。