「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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2020年05月

楽器を演奏するー「the」 の考察

学校では「楽器を演奏する」という場合、楽器の名前には「the」が付くと習いました。

著者は今までその理由を『「楽器を演奏する」という場合は、通例自分の家にある楽器を演奏するので、相手もどの楽器かを「特定」できるから。それ以外の場合は文脈によって「a/an」もあり得る』と説明してきました。即ち「同じ種類の楽器の中での特定化」であるという説明です。それが、異なる説明に遭遇して目からウロコです。

「謎解きの英文法」(久野瞕・高見健一 くろしお出版)では、この場合は「同じ種類の中での限定化」ではなく「違う種類の中での限定化」であると説明しています。

楽器の中にはギターもあり、ピアノもあり、トランペットやドラムもあります。「色々な種類がある楽器のなかのギター」という意識で「the」が付く、という説明です。

この考え方は「楽器」ではなくて「季節」にも応用できます。
「In the summer I take a vacation and go to Hawaii.」は「春、夏、秋、冬という季節の中で、春でもなく、秋でもなく、冬でもなくて夏」というイメージです。そして定冠詞は使われる頻度が多くなると省略される傾向があり「in summer」も市民権を得た表現です。同様に、文脈によっては「play guitar/piano/violin」もあり得ますし、特定化の意識がなければ「play a guitar/piano/violin」もあり得ます。

「in the morning/afternoon/evening」も同じ説明ができますが、これらは「the」を省略することはできません。何故か?言語習慣としか言いようがありません。「one morning(ある朝)」「tomorrow morning(明日の朝)」という表現はあります。

レストランで注文する時に「I’ll have the salmon steak, please.」のように言うことがありますが、これは「数あるお店のメニューの中のsalmon steak」という特定意識が働くからでしょう。

このように見てくると、冠詞というものが、ある対象をどのようにとらえているかということの反映だと認識できます。冠詞は限定詞(名詞の意味を限定する言葉)の中の1つですが、冠詞は使う人がその後の名詞の意味を自分勝手に決めている訳です。

抽象名詞に不定冠詞がつく場合

抽象名詞が、そのまま「抽象的」な意味で、明確な形をもたない連続体を表す場合は不定冠詞を付けませんが、個々の具体的な事例を表す場合は不定冠詞を付けます。

(1) a. We always have to overcome difficulty.(「困難」)
b. The doctors encountered a slight difficulty during the operation.(「困難な出来事」)
(2) a. Speech is silver, silence is golden.(「話すこと」)
b. I will make a speech this afternoon.(「演説」)
(3) a. Your paper needs radical revision.(「変更する行為」)
b. I made an important revision in your paper.(「具体的な変更」)
(4) a. Experience is the best teacher. (「経験(何かを行うことを通して身につける知識・技能)」)
b. I had a pleasant experience.(「体験(自分に何らかの影響を与える出来事)」)

上記(1)(3)(4)で見られるように抽象名詞の前に形容詞が付くと不定冠詞を付けることが多くなるようです。形容詞・形容詞扱いの名詞が付くことによって個々の具体的な事例を想起させるからだと思います。

「breakfast」「lunch」「dinner」という「食事」の名前には通例不定冠詞を付けませんが、形容詞が付いたり、何かのお祝いやだれかの為の特別の食事にも不定冠詞が付きます。
He gave us a good breakfast.
I was invited to a dinner given to welcome the new ambassador.
もし「I had a breakfast/lunch/dinner.」のように形容詞なしで「a」を付けたら、「?」とはなると思いますが、無理やり「形のあるbreakfast/lunch/dinner」を映像化すれば「朝食会・昼食会・夕食会」、「a lunch」なら場合によっては「a box lunch(弁当)」になるでしょう。いずれにしても、「食事」の名前に「a」を付けたら、通例は付けないので何らかの説明が必要でしょう。

食べ物に「a/an」が付く場合と付かない場合―もう1つの視点

最近は「形があるものにはa/anが付く」「形がなければa/anは付かない」ことは広く知られるようになりました。

次の10例を見て下さい。(出典:「謎解きの英文法」 久野瞕・高見健一 くろしお出版)
(1) a. I had an egg this morning.(卵1個を食べた)
b. You have egg on your chin.(顎に卵の食べかすがついている場合)
(2) a. An apple a day keeps the doctor away.
b. There’s lettuce, cucumber, apple, carrot and mushroom in this salad.
(3) a. It’s an eel.
b. It’s eel.(かば焼き)
(4) a. What you caught is a salmon.
b. What you’re eating is salmon, not tuna.
(5) a. Look! There’s a chicken over there.
b. I like chicken better than pork
(6) a. March comes in like a lion and goes out like a lamb.
b. Have you ever eaten lamb?
(7) a. This is a lobster.
b. This is lobster.(野采と一緒にロールパンにはさんであるような場合)
(8) a. This is a turkey.(オーブンで丸ごと焼かれてお皿に乗っているような場合)
b. This is turkey.(切り分けてお皿に乗っている場合)
(9) a. Our family had a roast chicken last night.
b. Our family had roast chicken last night.
(10)a. I had a lobster at Legal Sea Foods yesterday.
b. I had lobster at Legal Sea Foods yesterday.

(1) −(8)は「形があるものにはa/anが付く」「形がなければa/anは付かない」という「決まり」を適用すれば容易に区別がつきます。

(9)は家族が集まってニワトリを丸ごとオーブンで焼いたのを食べる場合を想定したものですが、上記の本によるとアメリカではb. の方が好まれるがa. を使う人もいる、とのこと。食卓のお皿の上に乗っているのは「形のある」ニワトリですが、食べるたは肉の部分だという意識があるからとのこと。

(10)はb. が選択されるとのこと。理由はroast chickenの場合と同じですが、こちらの場合は堅い甲羅等は食べないので a. を選択すると違和感があるようです。我々日本人からすると、目の前にあるロブスターは完全に形があるのでa. を選択するのに躊躇しないのではないかと思いますが、言われてみると確かに食べるのは身の部分だけですね。
しかし、招待を受けたレストランで始めてロブスターを食べたような場合に、そのロブスターが自分をじっと見つめていてぞっとしたが、何とか工夫して食べたような場合は、逆に「I had a lobster.」と表現して、その違和感を逆手に取る表現も可能でしょう。これはロブスターが小さいので言える表現であって、フィリッピンでは豚の丸焼(自分をじっと見つめている感じがして食べるのが憚られます)が御馳走ですが、流石に「I had a roast pig.」はないと思います。

所謂「so … that …構文」

前回、本来「so」は「to such a degree」(その程度に)の意であることを書きました。

「so +形容詞・副詞+that …」は、先ず「形容詞・副詞の程度が『その程度』」というイメージを送ってきます。読んでいる(聞いている)方は『どの程度?』の心理的な疑問が湧きます。それを「指差す」イメージの「that」で示しているわけです。

She spoke so quietly that I could hardly hear her.
彼女はその程度静かにしゃべった⇒どの程度?⇒私が殆ど聞こえない程度。

英和辞書では「非常に・・・なので・・・」の訳語を与えていますが、上記の英語は
「彼女は非常に静かに話しかけたので、彼女の声はほとんど聞こえなかった。」ではなく「彼女は静かに話しかけたので、彼女の声はほとんど聞こえなかった。」方のニュアンスに近いと思います。

「彼女は非常に静かに話しかけたので、彼女の声はほとんど聞こえなかった。」と言いたいならば、She spoke very quietly. So I could hardly hear her. という方がニュアンスは近いと思います。

所謂「so … that …構文」と称されていますが、「that」がない場合もあります。それでも意味が間違いなく伝わるのは「so」が前払いして、「どの程度?」という質問を送ってきているので、わざわざthatを入れなくても分かるのではないでしょうか。日本語の枕詞の働きと似ているところがありますね。

所謂「so that …構文」

英和辞書では「so that …」を「so」の副詞としての使い方の中で説明しています(他に接続詞としての使い方もああります)。「・・・するように(that節では通例may, can を用いるが、米口語では will が用いられることがある)」「それゆえ・・・」の訳語を与えています。
Jay studied day and night so that he could pass his entrance exams. (ジェイは入学試験に合格できるよう昼も夜も勉強した)
The movie was boring, so that by the time it had finished, half of the audience was asleep. (その映画は退屈で、終わるまでに観客の半分は眠っていた)
以上「E-Gate」から転載。

次はネットで拾った例文:
・I will call my brother so that he can wake up.
(兄が起きれるように、私は彼に電話をかけます。)
・I study English very hard so that I will be able to speak English fluently.
(私は英語が流暢に話せるようになるために、英語をたくさん勉強します。)
・She decided to go to the party so that she could meet new people.
(新しい出会いのために、彼女はパーティーに行くことを決めた。)※意訳

上記の例文は何れも書き言葉では「so that」だすが、会話では「so」だけのこともあります。ということは「so that」も「so」も、ここでは「接続詞」と捉える方が「合理的」だと考えます。実際、LONGMAN の「HANDY LEARNER’S DICTIONARY」では「接続詞」として捉え、次の使い方を挙げています。
1. with the result that: It was dark, so I couldn’t see.
2. therefore : He had a headache, so he went to bed.
3. with the purpose (that) : I gave him an apple so (that) he wouldn’t go hungry.
4. 文の最初に使われて with weak meaning : So here we are again.
5. 文の最初に使われて to express discovery : So that’s how they did it!

このLONGMAN の説明をJay studied day and night so that he could pass his entrance exams. に当てはめればJay studied day and night with the purpose that he could pass his entrance exams. になり、The movie was boring, so that by the time it had finished, half of the audience was asleep. に当てはめれば The movie was boring, therefore by the time it had finished, half of the audience was asleep. となります。
half of the audience was asleep. に当てはめれば The movie was boring, therefore by the time it had finished, half of the audience was asleep. となります。

それでは何故「so (that) …」がこのような意味になるのでしょうか?

「that」が「指差す」イメージの言葉であることは最近広く知られるようになりました。ところが一方の「so」については、「so … that …」が「非常に・・・なので・・・」の意だと刷り込まれたために、「so」には「very」の意味もありますが、本来「so」は「to such a degree」(その程度に)の意であることに気がついていないからだと思われます。「その程度に」ですから、Aという事象とBと言う事象とが「等価」の関係にあることを示唆します。その意味で「as」と同じ様なイメージを持ちます。「等価」の関係にあるので、ある時は「目的」のイメージになり、ある時は「結果」のイメージになると理解すれば、「so (that) …」に色々な意味があるのではなく、基本的には1つのイメージであることが無理なく理解できると思います。

ざっくり言うと、我々が習った所謂「学校文法」は本質的に、規則・用法分類の体系であり、英和辞書も、最近では随分改善はされてきていますが、この延長線上にあります。しかし、文は語で構成されており、その語は夫々基本となるイメージを持っています。ですから、この基本となるイメージを押さえておくと、成句が何故そのような意味になるのかを理解するのに大変役に立ちます。

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