7。動詞
(1)動詞の概要説明

今まで、「5文型」でいうところの主語・目的語・補語になれる名詞・代名詞及び冠詞(名詞に先行して、その意味を決める重要な役目をする。「冠詞なし」を含む)について解説してきました。

英語の肯定文は全て主語の次に「(助動詞+)動詞」が来ます。このことは、しゃべる時には頭の中の一番目立つものに目をやり、それを主語としますが、次に、その主語がどんな状態にあるのか、何をしているのかを説明するということです。この主語の状態・動作を説明する言葉が動詞です。これから、「(冠詞・無冠詞)+名詞」「代名詞」とセットになって文を構成する重要な役目をする動詞について詳しく見ていきます。

動詞について通例「英文法」解説書に書いてあることと、取り扱い項目は概略次の通りです(三省堂:The New Century に準拠しました)。

動作・状態を表わす語を動詞という
動詞には現在・過去・未来等の時制の変化があり、また文の述語動詞として主語の人称(1人称・2人称・3人称)および数(単数・複数)や時制(現在・過去等)によって形の変わるものと、不定詞・分詞・動名詞のように形が変わらないものがある。例えば、be には次のような形がある。
原形:be
現在形:am, are, is
過去形:was, were
過去分詞:been
不定詞:to be
現在分詞:being
動名詞: being

取り扱い項目
[動詞の活用(人称・数や時制による語形変化)]
規則動詞(過去形・過去分詞は「原型+ed」)・不規則動詞
3人称・単数・現在の作り方(→原則として原形に s を加える)
現在分詞・動名詞の作り方(→原則として原形に ing を加える)

[動詞の種類]
自動詞(→目的語なし)と他動詞(→目的語あり)

[時制]
現在時制の用法
過去時制の用法
未来時制の用法
単純未来
意志未来
完了形の用法:
現在完了
過去完了
未来完了
進行形の用法:
現在進行形
過去進行形
未来進行形
完了進行形
進行形にならない動詞
時制の一致:
時制の一致の原則
時制の一致が起こらない場合
動詞句:
仮定法:
仮定法の最も一般的な形
仮定法現在
仮定法過去
仮定法過去完了
条件節に代る表現
仮定法を含む慣用表現

以上は、一部を除き、学校で英文法を習った者にはお馴染みのものばかりですが、次の2点については、枠組みそのものに注意した方がよいと思いますので敢えて解説しておきます。

動詞に未来形なるものはないので要注意
上記によれば「動詞には現在・過去・未来等の時制の変化があり」とありますが、動詞には現在「形」、過去「形」はありますが、厳密な意味では未来「形」はありません。

「コミュニケーションのための英文法」という視点からは「現在の事実を表現するには現在形を使い、過去の事実を表わすには過去形を使う」とは言えますが、未来のこと(今より後にあると推量する事柄)を表わすには色々の方法があって、決して「未来形」なるものは存在しません。

「英文法上の時制とは、事実及び事実の否定を表わすのに適用される動詞のルール」なのです。「未来のこと」は未だ事実ではないので時制の適用はないし、事実に反することを述べる場合には「時制」ではなく「仮定法」というルールが適用されるのです。

上記の be の例でも「未来形」は表示されていないことに注意して下さい。will / shall は、未来のことを表わす時に使えますが、未来のことを表わすのは will / shall の専売特許ではありません。

◆崔噂稾ね茵廖岼媚嵬ね茵廚箸いΧ菠は誤解を与えやすいので要注意
著者が学校で勉強していた時から現在まで、英和辞書の多くが will について「(単純未来)・・・だろう」「・・・でしょう」という訳語をつけていますが、これには注意が必要です。

will は未来を表わすことが出来ますが、ほとんどの場合「・・・だろう」「・・・でしょう」という訳語は当てはまりません(広辞苑によれば、「・・・だろう」「・・・でしょう」は「推量」を表します)。”It will rain tomorrow.” は「明日は雨でしょう(推量)」で違和感のない日本語ですが、”I will be 14 years old this year.” を「私は今年14才になるでしょう」と訳したら、日本語としては大変違和感を覚えますよね。「単純未来」「意志未来」という区分は害が多いので捨てた方がいいと思います。

「単純」なのか「意志」なのかは「主語が1人称なのか(意志を表明できる)、2人称なのか(直接意志を尋ねることは出来る)、それとも3人称なのか(意志は表明できないし、会話に参加していないので直接尋ねることも出来ない)」「音(will をどのように発音するか)」と「状況(どんな文脈で使われるのか)」によるのです。

更に言えば、口語では “I will” も “I shall”(英)も “I’ll” ですので区別はつきません。英で主語が1人称の「単純未来」を表すのに shall が使われることがあるのは、後述するように will は基本的には「意志」を表しますので、それと区別する為に「義務を負うている」意の shall を使うのだと思います(「神に対して義務があるので、自然とそうなる」の深層心理)。

ここからは、上記の取り扱い項目順に、「しゃべるための英文法」という視点を意識しながら解説していきますが、通常英文法書で解説してあることは一通りカバーしていきます。