「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

Thank You for Visiting Me! 「英語赤ひげ先生」による「知っている英語」を「使える英語」にするための「理論」と「教材」を一挙に無料公開しています。

日常のこと

誤解かフェイクか

「契約だから守らなければならない」という我々日本人の常識は韓国の「情緒法」の中にはないと苛立っていた著者が、所謂「慰安婦問題」について国際社会は日本の味方だと溜飲を下げた記事があります。しかし、真相は必ずしもそうではなかったかも知れません。

■「慰安婦問題に関する日韓合意」について日本の外務省は以下のように発表(2017年5月27日)。
『安倍総理から慰安婦問題に関する日韓合意につき,その実施の重要性を指摘したところ,先方(国連のグテレス事務総長)は,同合意につき賛意を示すとともに,歓迎する旨述べました。』

■産経新聞の電子版
『安倍晋三首相は27日午前(日本時間27日夜)、タオルミナ市内で国連のグテレス事務総長と会談し、慰安婦問題に関する日韓合意について日韓双方が履行することの重要性を強調した。グテレス氏は合意に「賛意」と「歓迎」を表明した。首相がグテレス氏と会談するのは今年1月の事務総長就任後、初めて。』

■これに対し国連側は否定(国連事務総長報道官「国連事務総長と安倍首相との間の会合に関する質問について」)
The Secretary-General agreed that this is a matter to be solved by an agreement between Japan and the Republic of Korea. The Secretary-General did not pronounce himself on the content of a specific agreement but on the principle that it is up to the two countries to define the nature and the content of the solution for this issue.(事務総長は、これ[いわゆる「慰安婦問題」]が日韓合意によって解決されるべき問題であることに同意した。事務総長は、特定の合意内容については言及していないが、問題解決の方向性や内容を決めるのは日韓両国次第だという原則について述べた)

事務総長は母語であるポルトガル語のほか、英語やフランス語、スペイン語に堪能なようですのでこの部分の会談(10数秒程度)は、多分日本語と英語で通訳を介して行われたものと思います。

菅官房長官は「事実関係は発表の通りだ」と述べるに留めています。

著者は日本人が英語で会話した場合「agree」と聞いて、その後に明確に「but」が聞こえてこなかったら「こちらの言うこと全部に賛意を表した」と「誤解」することは経験していますが(日本側の主張の通りなら“I agree with you.” 又は “This is a matter to be solved by the agreement between Japan and the Republic of Korea.” と “the” がつかわれなければならない)この場合通訳が付いていたハズですから誤解はないと思いますが、「a」と「the」を必ずしも厳格に言葉にしない日本語の習慣から、外務省発表のように受け取られる日本語への通訳をしたかも知れません。そうすれば菅さんのコメントも理解できます。安倍さんに同行した政府高官の忖度によるフェイク説(穏やかに言えば「アレンジ」)も決して消し去ることはできませんが(特に「歓迎」を表明したという部分)。

“I didn’t say that.”

トランプ米大統領は9日、側近への捜査中止をFBIのコミー前長官に要請したとする同氏の米議会での証言を「そんなことは言っていない」と否定した。コミー氏に忠誠を求めたことも否定した(6月4日日経夕刊より)。

この問題を実際に使われた「言葉」から解説してみたいと思います。

6月4日日経夕刊が報じた部分は現地報道の1つでは次のように述べています(下線は著者が引いたもの)。

‘I didn't say that’: Trump denies asking Comey to drop Flynn investigation or for loyalty pledge(これが見出しです)

U.S. President Donald Trump on Friday denied that he tried to block an FBI investigation into former national security adviser Michael Flynn, effectively accusing James Comey — the FBI's former director — of lying under oath to Congress.
Comey delivered scathing remarks about the president on Thursday at a congressional hearing and testified that Trump had asked him to drop a Federal Bureau of Investigation probe into former aide Michael Flynn and his alleged ties to Russia.
(中略)
Asked by a reporter if he had told Comey to drop the investigation into former national security adviser Flynn, Trump said, "I didn't say that."
The reporter then asked, "So he lied about that?"
"Well, I didn't say that. I mean, I will tell you, I didn't say that," Trump replied.
In his testimony, Comey also said Trump asked him in January to pledge loyalty to the president, an unusual request that would put in doubt the independence of the FBI.
"I hardly know the man. I'm not going to say I want you to pledge allegiance. Who would do that?" Trump said at joint news conference with Romanian President Klaus Iohannis.
(後略)

<解説>
"I didn't say that."について
逐語訳は「私はそんなことは言わなかった」です。トランプ大統領の弁護士と入念に打ち合わせをした上での言葉だとおもいます。「say」は基本的には漫画の吹き出しに書かれているイメージですので、大げさに言えば1語異なっても"I didn't say that."と言い張ることはできます。
Asked by a reporter if he had told Comey to drop the investigation into former national security adviser Flynn, Trump said, "I didn't say that." 質問は「調査を中止するように命じたか?」です。コミー氏は議会証言でトランプ大統領は「dictate」「order」という言葉は使わないで「hope」という言葉を使ったが、大統領と2人だけの会話であり「命令と受け取った」と述べていますので、トランプ氏の"I didn't say that."は全く矛盾しません。しかし次に記者に「それではコミー氏は嘘をついているのか?」という質問に「そうだ彼は嘘をついている」とは答えないで "Well, I didn't say that. I mean, I will tell you, I didn't say that,"という返事をしています。"I didn't say that."は練りに練った答弁のような気がします。

「コミー氏の忠誠を求めたかどうか」
前に本ブログにも書きましたがトランプ氏は “I need loyalty. I expect loyalty.”といったことはコミー氏の証言にあります。“I need your loyalty to me. I expect your loyalty to me.”とは「言っていません」。"I hardly know the man. I'm not going to say I want you to pledge allegiance. Who would do that?"と述べたようですが、”Then what did you exactly say to him?” と質問したくなります。

「忠誠が必要だ。忠誠を期待する」

今朝の日経によれば、トランプ大統領は自分が解任したコミー元FBI長官にこう言った。日経では『コミー氏の書面によると、トランプ氏はこの日の会合で自身への忠誠を繰り返し求めた。コミー氏は表情を変えず互いに顔を見やり、その場を奇妙な沈黙が支配したという。コミー氏はなぜFBIの独立性が重要なのかを説明。沈黙の後、再び忠誠を求められたコミー氏は「私はいつも誠実でいます」と答えた』とあります。

「忠誠が必要だ。忠誠を期待する」の部分はテレビに映ったコミー氏の書面では “I need loyalty. I expect loyalty.” とありました。 “loyalty” は無冠詞で使われる場合には “the quality of being faithful in your support of somebody/something” の意で通例 “They swore their loyalty to the king.” のように “one’s loyalty” と、誰が誰に忠誠を尽くすのかハッキリさせます。トランプ氏も流石に「言葉の上で明白に」忠誠を迫ってはいませんが、コミー氏は証言で「FBIが独立した捜査機関であることを考えると、非常に懸念した」と述懐した、とあるように状況からは明らかに “I need your loyalty to me. I expect your loyalty to me.” と理解されます。コミー氏は「私はいつも誠実でいます」と答えた。即ち “faithful(誠実な)”であるが「トランプ氏に対して」とは言わなかったわけです。

日本語だけを読むと「忠誠が必要だ。忠誠を期待する」⇒「私はいつも誠実でいます」のニュアンスがよく分かりませんが、英語で考えるとちゃんと会話になっています。裏を返せば「トランプ氏への忠誠」を拒否したのです。FBIの独立性を保つには当たり前の話ですが。良い悪いは別にして日本の「指揮権発動」とは大分違いますね。

人工知能の可能性

グーグルの人工知能「アルファ碁」が世界最強のプロ棋士を3戦3勝で破って話題になった。その開発者であるデミス・ハサビス氏が日経のインタビューに答え「脳の働きは非常に複雑だがコンピューターで再現できないものはないというのが我々の現時点の見方だ」と述べている(6月4日日経朝刊)。人工知能は記憶、想像力、概念、言語等の能力を全て獲得出来ると考えているようです。人工知能の自己学習能力が飛躍的に向上したことから、このような強気の見通しになっているようです。

人工知能の発達に伴って、我々の周辺でも色々なことが急速に変化する予兆が見られます。著者の手元にある電卓にも√機能が付いています。昔は「√2」=「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ=1.41421356」と覚えなければなりませんでした(試験に出た!)。今は電卓を叩けば一発で出てきます。学校ではどのように扱っているのでしょうか?こんなことは電卓に任せればよいのか、教育内容も検討を要するでしょう。今人間がやっている仕事も近い将来かなりの部分がロボットに置き換わるのではないかとも言われています。車の自動運転も射程距離に入ったようです。現在でも縦列駐車のようなことをやってくれるソフトはあります。車の運転がメカからオトマチックに替わったことで運転は随分楽になりました。このソフトを搭載した車しか運転しない人に縦列駐車を教える意味は果たしてあるでしょうか。芸術と言われている音楽でもそれなりに自動的に作曲してくれます。

前にも一度取り上げましたが、著者が専門にしている「言語」の世界でも衝撃的な「前進」が見られます。例えば「Google 翻訳」を利用している方も多いと思いますが、上述の「脳の働きは非常に複雑だがコンピューターで再現できないものはないというのが我々の現時点の見方だ」を英語に訳させてみると “The brain’s work is very complicated, but our view at the present is that none can be reproduced on a computer.” と出てきます。まだこのソフトが「きないものはない」の学習が出来ていないことが分かりますが、 “none” を “anything” または “everything” に置き換えればいいだけです。全く「時間の問題」でしょう。上記の日本語を「脳の働きは非常に複雑だがコンピューターで全てが再現できるというのが我々の現時点の見方だ」と「より平易」な日本語に置き直すと “The brain’s work is very complicated, but our viewpoint at the moment is that everything can be reproduced with a computer.” と全く問題ないレベルにあります。近い将来学校の英語教育にタブレットが導入されるようですが、インターネットにつなげれば学校での英語教育は(学校で英語教育を続けるとして)飛躍的に効果を生む予感がします。例えば「Google 翻訳」では英語の発音が何回でも繰り返し聞けますので、日本人の発音技術も随分向上するハズです。いや、自分で発音しなくてもスマホが翻訳・発音してくれるでしょうから、大半の人には英語(その他の言語を含めて)不要になるのかも知れません。著者は既に後期高齢者ですが、孫の時代には今では「想像もつかない世界」が待っているような気がします。世界の株価も「IT」関連の活躍が顕著ですが、きっと先取りしているのでしょう。

カエサルの妻

著者は今ブログでアガサ・クリステイーの「And Then There Were None(そして誰もいなくなった)」を解説していますが「Caesar’s wife」という表現に出会いました。

これは“Caesar’s wife must be above suspicion.”(「カエサルの妻たる者は、疑われることさえもあってはならない」)と、シーザーが妻を離婚した時に述べたといわれていることに由来した表現です。公の立場にある者は本人だけでなくその伴侶も、疑われるようなことはあってはならない、と述べたのです。

翻って、日本では森友学園問題では「首相の妻は時に公人、時に私人」というレトリックで政府が言い訳しているように思われます。一般民衆の感覚としては「カエサルの妻」を期待しているのではないでしょうか。

「内閣総理大臣としての私人安倍晋三が靖国神社に玉串を奉納」とか、改憲問題で「自民党総裁としての安倍晋三の立場に立って、国会で首相の如く答弁する姿」も「違和感」があります。

韓国の新大統領は「人権派」弁護士出身だそうです。「人権派」の人々は肝心なところでの「妥協」は有り得ない人が多いように思えます(「カエサルの妻」的発想)。その意味で「慰安婦問題」は再交渉を迫ってくることは間違いないと思います。日本人としては「憂鬱」です。
記事検索
livedoor プロフィール
Categories
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ