「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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英語

英語―徒然なるままに(52)

something of a …

It was then, something of a surprise when my father came striding through the library that afternoon, oblivious of our presence, and went into the dining room, closing the doors firmly behind him. (Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans)

英和辞書で「something of a …」を調べると「ちょっとした・・・」「かなりの・・・」の訳語が当てられています。
・She is something of an artist now that one of her paintings was sold. : 絵が1点売れて、今や彼女はちょっとした芸術家です。
・Bob is something of an artist. : ボブはちょっとした芸術家です
・something of a celebrity:ちょっとした名士
・something of a culture shock:かなりのカルチャー・ショック
・His life is something of a mystery.:彼の生活はかなりのミステリーだ

「something」には「a thing that is thought to be important or worth taking notice of(重要である、または注意を払う価値があると考えられるもの)」の意もあります。英和辞書では「価値のある人・物・こと」の訳語を当てています。
・There’s something in what he says. = There’s some truth or some fact or opinion worth considering in what he says.
・It’s quite something to have a job at all these days. = It’s a thing that you should feel happy about to have a job at all these days.

<「something of a …」=「ちょっとした・・・」「かなりの・・・」となる理屈>
「A of B」は基本的には「AはBの一部」であることを意味します。これを上記の「something of a surprise」に当てはめると「驚きの一部を構成する注意を払う価値があると考えられるもの」となります。もう少し自然な日本語なら「注意を払う価値がある驚き」⇒「かなりの驚き」。

英語―徒然なるままに(51)

But perhaps something of this sort has been on the cards for some time. (Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans)

「be on the cards」は通例英和辞書には載っていませんがイギリス英語で「be on the cards」(「ありそうな、起こり得る、起こりそうな」)の意です。アメリカ英語では「be in the cards」。

由来は分かりませんが、タロット占いというものがあります。表になったカードの絵を読んで占うもののようですので、「カードに描かれている」⇒「ありそうな、起こり得る、起こりそうな」となったのではないでしょうか。

Another tax cut is on/in the cards.
"So you think they'll get married next year?" "I think it's on/in the cards."

英語―徒然なるままに(50)

We eventually boarded not in Lower Regent Street – we did not wish the lunch party to emerge and see us waiting – but in nearby Haymarket. (Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans)

上記について本ブログでの解説では『「in the street」も「on the street」も「道で」の意味で同じように使えますが、「in the street」の方が「広い」空間が意識されます。また、イギリス英語は「in the street」を好む傾向にあるように思われます。』と書きました。

しかし何故アメリカでは「on the street」で、イギリスでは「in the street」なのかについては言及できませんでした。「in」と「on」についてはネイテイヴの感覚は全く異なるのに何故アメリカとイギリスでは違うのか長年疑問を持ち続けてきました。今日ネット検索していたら、目から鱗が落ちるといったらいいのか明快な説明を見つけました(小笠原林樹の英語語法講義より)

この in と on の違いがなぜ英米の差とかかわっているのか、一つの興味深い説明を紹介しておきたい。それは、英国と英国人が北米大陸に移民し始めた初期のころの街の「たたずまい」を反映していると考えられるからである。
ロンドンという大都会の史的発達にまで話しの風呂敷を広げるわけには行かないが、昔のロンドンを写実的に描いた絵などを見てみると、通りの左右に店舗が並んでいるが、各店舗は3階建てで通りの幅はそれほどではない。つまり、通りは左右についたてがあってその間の空間にある。まさに in の感覚である。大げさに言えば、一種の谷底にある感じであり、これは on の感覚ではない。in the streetとしか表せない。
16世紀後半から英国やオランダから、大西洋を渡って北米大陸に着いた時、そこは原野なり森を切り開いて開拓地にしたにしても、建築材料も整っていないから、とりあえず木材で粗末(?)な家を建てる。その前の通りはまだ粗末な street であっただろうが、周りはひらけた空間の感じで、そこには表面感があったであろう。

ロンドンの通りの例は興味深い。アメリカの例は「street に立体的な空間が意識できなかった」ということでしょう。そうすると、何か・誰かとstreetの関係は「接触」として捉えるしかなかったのでしょう。現在アメリカで「in the street」といったら、「通りのど真ん中」のイメージになり車に引き殺されるかも知れないイメージです。とてもバスに乗るイメージは湧いてきません。

英語―徒然なるままに(49)

at all

The ladies’ powder room was located in the lobby area of the restaurant, and the others – those who noticed her exit at all – no doubt assumed that was where she was bound.
(Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans)

我々がよく知っている「at all」は「I’m not at all afraid of the dark.(暗いところは全然怖くないよ)」のように「not」と一緒に否定文で使われるものです。「at all」の文字通りの意味は「全てにおいて」ですので「not at all」は「全てにおいてない」ですので「全然・・・ない」の意味になるわけです。

疑問文で使われたら、どんな意味になるでしょうか?
(1) What do you want to do at all?
文字通りの意味は「全てにおいて君は何を望んでいるのか」ですから、日本語としては「いったい」とか「そもそも」等が対応します。
(2) Can you cook at all?
文字通りの意味は「全てにおいて君は料理が出来るのか」ですから、日本語としては「多少は」とか「少しは」等が対応します。

それでは上記の例文のように肯定文で使われる場合はどうでしょうか?
文脈を追ってみると「女性トイレはそのレストランのロビー空間にあった、そして彼女を除く他の人々は全部―those who noticed her exit at all―間違いなく彼女はトイレに行くものだと思った」となります。「彼女を除く他の人々は全部」と言った後で、彼女が出て行くのを見なかった人もあるかも知れない、という意識が働いてthose who noticed her exit at allをつけ加えている文脈です。「ある条件を付け加える」意識ですので「彼女が出て行くのを見た人があれば全員」のニュアンスになります。英和辞書では「(条件節で)多少なりとも、ともかくも、いやしくも、かりそめにも」のような説明がしてありますが、訳語に引っ張られることなく「if 節で使われていれば『強調』、if 節でなければ『ある条件を付け加える』」と理解した方がよいでしょう。そして文脈に応じた日本語を対応させて下さい。

英語―徒然なるままに(48)

remember, recall, recollect

But I have no wish to recall Uncle Philip here just now. (Kazuo Ishiguro : When We Were Orphans)

「思い出す」を和英辞典で引くと「remember」「recall」「recollect」の3つが出てきます。私の調べた和英では3つとも「(自然に・意識的に努力して)思い出す」「rememberが最も普通。rememberより堅い語としてrecall、更に堅い語としてrecollectがある」と解説してあります。

remember:to bring back to your mind a fact, piece of information, etc, that you knew ですから「を思い出す」の日本語が対応します。

recall : (formal) (not used in the progressive tenses) to remember

recollect : (rather formal) (not used in the progressive tenses) to remember something, especially by making an effort to remember it

語源:
remember:心に留めて忘れない
recall :元の場所に呼ぶ
recollect : 再び集める

以上から「recollect」には「(努力して)思い出す」という訳語が一番近いと思います。「remember」は「を覚えている」の意があるように、「(格段の意識や努力なしに)思い出す」、「recall」は「元の場所に呼ぶ」イメージがありますので「(意識して)思い出す」ニュアンスがあるハズですが、言葉というものは生き物ですので、「remember」「recall」の境目は実際には曖昧かもしれません。しかし、上記の英文ではI have no wish to recallと「wish」という言葉が使われており、この関係で「remember」は不的確です。ここでは「(意識して)思い出す」ニュアンスの「recall」が使われているのは極めて自然だと思います。
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