「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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英文法

英文法の重要性

「本物の英語力」(講談社現代新書)の中で鳥飼玖美子氏は「文法というルールを勉強しておかないと、コミュニケーションという試合には出られません」と書いておられます。

著者は真面目に受験勉強しました。英語に関して言えば、当時「山崎貞(ヤマテイ)の『新自習英文典』と『英文解釈研究』を夫々三度読めばどこの大学もOK」と言われていました。前者が所謂「英文法」の本です。

28歳の時にアメリカに勉強に行きました。最初は「聞く」のは全く歯が立ちませんでしたが、こちらの言いたいことは何とか伝わっていたと思います。ある時昼食に招かれて、あるお宅にお邪魔した時、他にも何人かお客さまがいましたが、「あなたの英語は気持ちがいい」と言われました。意味がよく分からなかったので、どういうことか尋ねたところ「文法に忠実に話しているから」という返事でした。

2度目のアメリカはサンフランシスコでしたが、最初の6カ月位はコミュニケーションという視点からは誰もあまり変わりがないが、それを過ぎると日本でよく勉強出来た人とそうでない人では伸びが全然違うことを実感しました。

3度目のアメリカ滞在は南部のテネシー州チャタヌーガ市に工場建設の先遣隊として最初1人で乗り込みました。しばらくは秘書と2人だけで活動しましたが、手紙については全て添削してもらいました。その都度「あなたの英語はパーフェクトに分かる。しかし、私達の英語と異なるところがあるので、そこを直しました」と言われました。今から考えると真面目に受験勉強した英文法の知識をベースに書いていたのだと思います。帰国する時に、添削してくれた手紙を持って帰りたいと言いましたが「これは私の記念だから挙げられない」と言われました。今でもメールのやり取りをしていますが、先日「句読点を含め完璧!」と言われ嬉しかったです。

鳥飼玖美子氏は上記の本の中で英文法の中で特に大切なこととして「文の構造と5文型」を挙げておられます。また「英文法は異文化理解」とも述べられています。そこで「5文型」を例に、著者なりの「異文化理解」をしてみたいと思います。

「5文型」とは、ご存知の方が多いと思いますが、次の5つです。
(1) S(主語)+V(動詞)
(2) S(主語)+V(動詞)+C(補語)
(3) S(主語)+V(動詞)+O(目的語)
(4) S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+O(目的語)
(5) S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)

このたった5つの文型で全ての英文をカバーできると学校では習いました。「補語」とは分かり易く言えば「イコールでつなげられるもの」です。

上記の5文型を一目見て「全ての英文には主語と動詞があり、主語が最初に来て次に動詞が来る」ことが分かります。「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」の例として「I like apples.」があります。これに対応する日本語は「私は、リンゴが、好きです」「私は、好きです、リンゴが」「リンゴが、私は、好きです」「リンゴが、好きです、私は」「好きです、私は、リンゴが」「好きです、リンゴが、私は」の6通りあります。何故でしょう?そうです、日本語には名詞に「は」「が」「を」「に」等の助詞をくっつけることによりその名詞の役割を決めることができるからです。英語にはこの「助詞」というものがないので、「語順」にその役割を与えていることが分かります。これが分かるだけで英語は随分と身近になります。異文化理解が進むということです。

「語順」が日本語の助詞の代わりをしていることは分かったとして、何故「主語」⇒「動詞」の順なのでしょうか。これは「言語習慣」としか言えないと思いますが、著者は「英語という言語は頭の中に浮かんできた絵(イメージ)をそのまま言葉にして行く傾向がある」と思っています。頭の中に浮かんできた絵(イメージ)をよく見ると一番目立つものがあります。それが主語です。その主語をよく見ていると、その主語の状態なり動作が見えます。それが動詞です。このような「言語文化」を持ったのが英語だとすると、この異文化と上手に付き合うには先ず「頭の中の絵(イメージ)をよくみること」が大切だと分かります。「I see.」が「なるほど、わかりました」、「Let me see.」が「ええと、そうですね」の意味になることも、この「異文化」を理解しておれば納得がいきます。「I see.」は「私は頭の中の絵(イメージ)が見えている」、「Let me see.」は「私は頭の中の絵(イメージ)が見えていないのでよく見させてよ」ということです。

最後に「5文型」について1つだけ指摘しておきたいと思います。

「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)」の文型は「O(目的語)=C(補語)」の関係にあります。即ちここでの「V」は他動詞で、「C」は「目的語の補語」です。だとすれば理屈の上では「S(主語)+V(動詞)」文型(動詞は自動詞)にも「主語の補語」があってもいいハズです。ありました。「He came home all wet.」は「He = all wet」の関係にあります。意味は「彼は(自分が)ずぶ濡れで家に帰ってきた」です。最近は「5文型では全ての文をカバーできない」というのが通説になって来ているようですが、著者は折角「5文型」を習ったのだから、それで押し通してこの「例外」だけを付け加えておけば学術論争は別にして実際には問題ないと考えています。


英文法補足(26)―文否定と語句否定

日本の英文法書では必ず取り上げられている項目です。「文否定」は文の述語動詞を否定することによって文の内容全体を否定し、「語句否定」は文中の語句を否定すると説明されます。

例えば次のように説明されています。
Many of them did not pass the test.(彼らの多くが合格しなかった)
Not many of them passed the test. (合格した人は多くはなかった)

著者は「文否定」という言葉が生徒の理解を却って妨げていると思います。「not」はその前の言葉を修飾することはなく次の語句を修飾します。前者では「pass the test」を修飾するので「彼らの多くがテストに合格しなかった」、後者では「Not many of them」が主語で「not」は「many of them」を修飾。「彼らの多くでない者たちがテストに合格した」のイメージですから「Not many=Few」ですから「Few of them passed the test.」と同じになるという説明だけで十分ではないでしょうか。

I did not marry her because I loved her.は2つの意味に取れるということでよく紹介されている文です。即ち「not」が「marry her」を修飾しているのか、それとも「marry her because I loved her」を修飾しているかという解釈問題です。こんなややこしい文は明らかな文脈があって誤解を与えない場合を除いて書いたり、言ったりしてはいけないということです。前者なら「I did not marry her. Because I loved her.」または「I did not marry her, because I loved her.」或いは「Because I loved her, I did not marry her.」のようにすれば誤解はありません。また「愛していたがゆえに結婚したわけではない」という文そのものも分かりずらいです。「I did not marry her only because I loved her.(愛していたという理由だけで結婚したわけではない)」なら分かりますが。

英文法補足(25)―「この川は泳ぐと危険です」

大抵の文法書に出てくるものです。これを英訳する場合には文法的には次のようなプロセスを考えることが出来ます。

(1)「この川は泳ぐと危険です」は「この川の中で泳ぐことは危険です」を英訳すればよい。「・・・すること」は「動名詞」「不定詞」を使って表すことができる。従って「Swimming in this river is dangerous.」又は「To swim in this river is dangerous.」とすればよい。
(2)「To swim in this river is dangerous.」は所謂「it … to」構文を使って書き直せるので「It is dangerous to swim in this river.」の方がよい。
(3)「この川は泳ぐと危険です」の主語は「この川」だから「This river is dangerous」で始めるべきだ。「It is dangerous to swim in this river.」の「It」のところに「this river」を持ってくると、残っているのは「to swim in」だから、結局「This river is dangerous to swim in.」でよい。「in」を付け忘れないように気をつけましょう。

「この車は運転しやすい」は同じプロセスで「Driving this car is easy.」「To drive this car is easy.」「It is easy to drive this car.」「This car is easy to drive.」が考えられます。

このような構文がとれる形容詞には他に次のようなものがあります。
「comfortable」「convenient」「difficult」「exciting」「hard」「impossible」「interesting」「nice」「pleasant」「safe」。

「この部屋は気持ちよく働ける」は通例「It’s pleasant to work in this room.」または「This room is pleasant to work in.」

「望遠鏡で星を見るのは面白い」なら「It is interesting to observe the stars through a telescope.」「The stars are interesting to observe through a telescope.」。

英文法補足(24)―指示代名詞・指示形容詞は間接話法には使えない

指示代名詞・指示形容詞と呼ばれるものには「this/that」「these/those」があります。日本語の対応は「this/that」=「これ/それ・あれ」「この/その・あの」、「these/those」=「これら/それら・あれら」「これらの/それらの・あれらの」となります。

指示代名詞・指示形容詞の特徴は、その名の示す通り『実際に手等で「指示」して指し示す必要がある』ということです。

人を紹介する時は実際に紹介をする人を手で指し示して “This is Mr. Abe.”(こちらは阿部さんです)のように言います。

“What is that in your hand?”(あなたの手の中にあるのは何ですか)も実際に手で指し示して使います。

ですから指示代名詞・指示形容詞は直接話法でしか使えません。間接話法では原則として「the」に置き換えられます。著者は「英語回路構築トレーニング」なるものを長年やっていますが、間接話法では多くの生徒さん達が苦戦しています。

例えば「Mary said to John, “Those flowers are lovely.”」は間接話法に置き替える場合には「Mary told John (that) the flowers were lovely.」のようになります。「yesterday/today/tomorrow」「now」等も直接話法でしか使えません。

なお「it」は日本語では「それ」に置き替えられることが多いですが、こちらは単なる代名詞ですので直接手で指し示す必要はありません。 “What is that in your hand?” に対して横を向いて “It’s a microchip.” と返事をしてもOKです。

英文法補足(23)―形が変われば意味も変わる

英語では「have」「take」「get」「give」「make」等の動詞+名詞を使って、他の動詞と同じような意味を伝える表現があります。

I had a good sleep last night. (= I slept well last night.)
Let’s have a swim in the afternoon. (= Let’s swim in the afternoon.)
Go downstairs and have a wash. (Go downstairs and wash .)
We had a long wait for the bus. (We waited for the bus for a long time.)
Have/Take a smell of the eggs and tell me whether it’s good. (Smell the eggs and tell me whether it’s good.)

Take/Have a look at this map. (=Look at this map.)
He took/had a slide down the hill on his sled. (=He slid down the hill on his sled.)
Take a deep breath and then relax. (Breathe deeply and then relax.)
He took a good hold on the bat before swinging. (=He held the bat firmly before swinging.)

I could hardly get a wink of sleep last night. (=I could hardly sleep last night.)
She got a slight burn on her hand while cooking. (=She burned her hand while cooking.)

He gave a loud cry with pain. (=He cried loudly with pain.)
If you give a good push, you’ll be able to move this heavy box. (If you push hard, you’ll be able to move this heavy box.)
Can you give me a haircut in ten minutes? (=Can you cut my hair in ten minutes?)

The little girl made a polite bow to me. (=The little girl bowed to me politely.)
Drive to the next intersection and make a left turn. (=Drive to the next intersection and turn left.)
He makes several business visits to Canada every year. (=He visits Canada several times every year on business.)

概して言えば最初の文が文語的で()内は口語的な響きはします。最初の文は動詞の目的語に動詞と同形の名詞を使っています。名詞はその概念がハッキリしていますのでそれだけ「はっきりした(concrete)」イメージが伝わり、その前に形容詞がつけばより「力強く迫ってくる(forcible)」感じがしますので小説等では好まれるかもしれません。

例えば、最初の「I had a good sleep last night.」は「昨夜は快眠しました」イメージになるのに対し「I slept well last night.」は「昨夜はよく寝ました」のイメージでしょうか。両方ともよく耳にします(特に疑問文で)。次の「have a swim」は「泳ぎをする」のに対し「swim」は「泳ぐ」イメージ。
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