「社会人のための英語回路構築トレーニング自習帖」著者のブログ

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英単語

単語の覚え方

しばらく前に『先立つものは「語彙」』の中で、鳥飼玖美子氏の「本物の英語力」(講談社現代新書)をご紹介しました。そして必要な単語の数について取り上げました。今回は、その単語の覚え方についての留意点を取り上げてみたいと思います。

氏は「単語カードを使って単語を覚えるのは問題がある。理由は ̄儻譴脇本語と1対1で対応していない単語の意味は全てコンテキスト(その場の状況など)で決まる」からであると述べておられます。

全く同感です。

著者なりに解説させて頂くと、例えば単語カードの表に「come」と書いて、裏に「来る」と書いて覚えたとしましょう。そうすると、「come」と聞いたり、見たりすると咄嗟に「来る」というイメージが湧きます。日本語の「来る」は基本的には「こちらに向かって近づく」ことを意味します(広辞苑)。しかし英語の「come」は「あるところに近づく(move to or towards a person or place)」ことを意味します。必ずしも「こちらに向かって近づく」訳ではありません。場合によっては「行く」という日本語が当てはまります。「来る」になるのか「行く」になるのかは全てコンテキスト(その場の状況など)で決まります。例えば電話を取ったお母さんが「太郎、電話よ」と声をかけて、太郎が「今行くよ」と返事する場合は、電話のある場所に近づくイメージですので「I am coming.」となります。

では、どうして単語を覚えたらよいのでしょうか。

著者のお勧めは、先ずある単語を辞書で調べる場合には自分の求める訳語を探すだけではなく、必ず始めから終わりまで全部説明を読むことです。最近の辞書は随分と親切になってきており、訳語だけでなく意味の説明と沢山の例文が載っています。この例文と共に単語を覚えるとコンテキスト(その場の状況など)によって訳語が異なることが実感できます。著者は、辞書の編纂にも携わった方から「単語の本当の意味を理解するには最低20−30の例文を読む必要がある」というアドバイスを頂いたことがあります。英和辞書でスッキリしない場合は「英々辞書」を引いて下さい。そうすると必ず意味の説明がしてあります。その上でもう一度英和辞書を読み返すと本当に理解できるようになります。

次に「多読」です。沢山の英語の文を読むことにより何回も何回も同じ単語に出会い、単語のイメージが自然に身について来ます。そうすると、同じイメージの場面でこの単語が自然に思い浮かび、自然に口をついて出てきます。自分にとって面白くないものを読んでも続かないので、自分の興味のあるものを読むことから始めるとよいでしょう。

訳語を覚えてもあまり意味はありません。それより、その単語を見たり、聞いたりした時に映像が浮かぶようにすることの方が大切です。今女子ゴルフの開幕戦「ダイキンオーキッド」が沖縄で行われていますが、テレビでも盛んに「ラン」の花を映しています。女子ゴルフの開幕戦・沖縄というコンテキストがあって「ラン」の花を映しておれば「オーキッド(orchid)」の意味が「ラン」ではないかと想像してみて辞書を引いてみるのも「身につく」単語の覚え方です。余談ですが「オーキッド(orchid)」はラテン語が語源で「睾丸」が原義(根の形が似ている)。あの美しいランの花とはイメージが合いませんね。

ゴルフでの隠語「銀座の花や」。
冬場のゴルフ場は芝生が伸びていないのでボールがよく転がります。その心は「ラン(run)で稼ぐ」。

先立つものは「語彙」

今、鳥飼玖美子氏の「本物の英語力」(講談社現代新書)を読んでいます。鳥飼氏はその中でこんなことを言っておられます。

『海外旅行目的なら中学レベルの語彙で何とか間にあう。
仕事で英語を使おうとすると8000語は必要。
何かの問題について議論するならば1万語は欲しい。
北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも同程度必要。
英語母語話者の語彙サイズは2万語くらいと言われている。

日本の中学・高校で学ぶ語彙数はたったの3000語。
残念なことに日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われるとされる。
大学四年間で増える語彙は個人差があるが、増えても1000から2000。つまり大学卒業時での語彙数は4000−5000。
学校で文法訳読ばかりやって会話をやらないから仕事に使えないのではなく、そもそもボキュブラリーがまるで足りないのです。』

これは「語彙」を「数」の面から見たご意見です。著者は「語彙」研究の専門家ではありませんので、あまり深くコメントすることは出来ませんが感想を述べてみたいと思います。

先ず「海外旅行目的なら中学レベルの語彙で何とか間にあう」のは、通例英語を使う場面が限定され、従い使われる語彙も限定されるからです。しかし、これはこちらが言いたいことが言えるということで、相手が言っていることが理解できるということとは異なります。入国審査所で立ち往生をしている日本人学生をよく見かけました。

「北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも1万語程度必要」というのは、著者もTOEFLを受験ししたことがありますので納得です。学生時代、著者は英語が得意で且つ受験前に相当集中して勉強しましたが、難しかったです。

英検「準1級」必要最低語彙数は6800〜7000で「1級」はその倍は必要だとネット上に書いている人もいます。鳥飼さんの基準とは違う基準で計算されているかも知れません。しかし「準1級」と「1級」との間のギャップはこのくらいあっても不思議はありません。著者は「1級」を先に取得し(その当時は「準1級」はなかった)、随分後になって「準1級」を受験してみましたが、あり得ないくらい偏差値が高かったのを覚えています。

著者は社会人を相手に「英語回路構築トレーニング」を約30年間行っていますが、生徒さん達のTOEICのスコアが「(使える)語彙」に比例することは身をもって経験しています。TOEICの出題形式が近く変わるようですが、今までの出題形式では600点未満の方は間違いなく「語彙」不足です。TOEICは英検と異なりレベル別の出題ではなく、1つの問題で一番上は教養ある英語を母語とする人のレベルまで計るのでどうしても「語彙」が難しくならざるを得ないのでしょう。

「日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われる」だけでなく、社会人になって仕事を始めると半年後には大幅にTOEICのスコアが落ちる現象も長い間見てきました。学生時代は何だかんだと言っても「勉強する」雰囲気だったものが、社会人になって環境が一変するからでしょう。

ある会社で年齢とTOEICのスコアをグラフにしてもらったところ、回帰線は綺麗な右肩下がりの直線でした。時間と共に「語彙」が忘却の彼方に去ってしまうようです。「(一時的に)覚えた語彙」は忘れるが「身についた語彙」は忘れないということが言えそうです。次回は「忘れない語彙の身に着け方」について書いてみたいと思っています。

先立つものは「語彙」

今、鳥飼玖美子氏の「本物の英語力」(講談社現代新書)を読んでいます。そのなかでこんなことを言っておられます。

『海外旅行目的なら中学レベルの語彙で何とか間にあう。
仕事で英語を使おうとすると8000語は必要。
何かの問題について議論するならば1万語は欲しい。
北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも同程度必要。
英語母語話者の語彙サイズは2万語くらいと言われている。

日本の中学・高校で学ぶ語彙数はたったの3000語。
残念なことに日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われるとされる。
大学四年間で増える語彙は個人差があるが、増えても1000から2000。つまり大学卒業時での語彙数は4000−5000。
学校で文法訳読ばかりやって会話をやらないから仕事に使えないのではなく、そもそもボキュブラリーがまるで足りないのです。』

これは「語彙」を「数」の面から見たご意見です。著者は「語彙」研究の専門家ではありませんので、あまり深くコメントすることは出来ませんが感想を述べてみたいと思います。

著者はTOEFLを受験ししたことがありますが、北米の大学や大学院に留学して学ぶのにも1万語程度必要というのは納得が行きます。

英検「準1級」必要最低語彙数は6800〜7000で「1級」はその倍は必要だとネット上に書いている人もいます。鳥飼さんの基準とは違う基準で計算されているかも知れません。しかし「準1級」と「1級」との間のギャップはこのくらいあっても不思議はありません。著者は先に「1級」を取得し(その当時は「準1級」はなかった)、随分後になって「準1級」を受験してみましたが、あり得ないくらい偏差値が高かったのを覚えています。

著者は社会人を相手に「英語回路構築トレーニング」を約30年間行っていますが、TOEICのスコアは「(使える)語彙」に比例することは身をもって経験しています。TOEICの出題形式が近く変わるようですが、今までの出題形式では600点未満の方は間違いなく「語彙」不足です。

「日本の大学生の英語力は、受験の頃が最も高く、入学後の半年で語彙の四分の一近くが失われる」だけでなく、社会人になって仕事を始めると半年後には大幅にTOEICのスコアが落ちる現象も長い間見てきました。ある会社で年齢とTOEICのスコアをグラフにしてもらったところ綺麗な右肩下がりの直線でした。「(一時的に)覚えた語彙」は忘れるが「身についた語彙」は忘れないものです。次回は「語彙の身に着け方」について書いてみたいと思っています。

There's so much matter

今朝のNHK朝ドラ「マッサン」でエリーが母に書こうとしている手紙について「沢山書くことがある」という趣旨のところで “There's so much matter” と言っていたように聞こえました。

「沢山書くことがある」という日本語を英訳しようとすると、大抵は「書くこと→事柄」の回路から「matter」を使っても「thing」をつかっても「There’re so many matters/things」と可算名詞として使うと思い、「matter」が不可算名詞で使われていることに興味が湧き調べてみました。

「matter」はラテン語の「materia(物質;材料;話題)」が語源ですので「material」と同じ語源です。

私たちがよく知っている使い方は「(theをつけて)困った事、やっかいな事、故障、支障」の意です。
Is anything the matter? どうかしましたか
There’s nothing the matter. (何でもありません)
What’s the matter? (どうしたんだ)
Something is the matter with this TV set.(このテレビはどこか具合が悪い)

「事柄、事件、問題」の意では可算名詞。「the matter in/at hand」なら「当面の問題」の意。

「(談話、演説、書物などの)内容、題材、主題、論題」意では不可算名詞。「a newspaper full of useless matter」なら「くだらない記事だらけの新聞」の意。

エリーの発言からは手紙に書くべき項目(生まれて来る子供のこと、夫の事、近所のおばさん達のこと等々)ではなく、それらを含めて手紙の内容に心の目が行っていたことが分かります。

「(ただ)・・・だけ(only)」

「実践 日本人の英語」(マーク・ピーターセン著 岩波新書)に『SMAPの大ヒット曲の歌詞に「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」というのがあるが、これは和製英語で通じない』という趣旨のことが書いてある(p107)。

言われてみれば「オンリーワン」は「only one」で「ただ1つ(1人)だけ」の意だから「もともと特別なオンリーワン」は「もともと特別なただ1つ(1人)だけ」の意になるので確かに何のことだか分からなくなってしまう。

戦後の一時期日本には「オンリーさん」と呼ばれた人たちがいた。特定の相手(主に上級将校)だけと愛人契約を結んで売春関係にあった人たちのことを意味した。勿論和製英語であるし「only」には名詞としての使い方はなく形容詞または副詞としての使い方しかない。

形容詞・副詞としての使い方を OXFORD現代英英辞典に沿って解説します。英和辞典の「訳語」毎にまとめてあるものより、この方が分かりやすいと思います。

形容詞としての使い方⇒日本語の「唯一の」が対応:
「同じグループには他の誰も(何も)存在しない、又はそこにはない」という時に。
She’s their only daughter.(彼女は彼らの[唯一の]娘だ⇒男の兄弟はいるかもしれない)。「I’m an only child.」なら「私は一人っ子」の意。
We were the only people there.(我々はそこでは[唯一の]人々だった⇒そこには我々以外誰もいなかった)。「people(人々)」を「一塊」として捉えると[唯一の]イメージが適用できます。
His only answer was a grunt. (彼の[唯一の]返事はぶつぶついう声だった⇒彼はぶつぶつとしか返事しなかった)。
Only five people turned up. ([唯一の]5人が現れた⇒現れたのは5人だけだった)。「five people(5人)」を「一塊」として捉えると[唯一の]イメージが適用できます。
「・・・には誰か・何かがベストであって他を選ぶことは決してしない」という時に。
She’s the only person for the job.(彼女はその仕事に適した [唯一の]人だ⇒彼女以外にその仕事に適した人はいない)
成句:「the only thing is …」(口語:「1つだけ問題なのは・・・」)

副詞としての使い方:
原則修飾しようとする語(句)の前に置きます。日本語のイメージは「・・・だけ」となります。但し対応する日本語は修飾する語(句)と文脈によって変わってきます。
「・・・以外は誰も・何も・・・ない」という時に。
There are only a limited number of tickets available.([限られた数の切符]だけが入手可能である⇒入手頂ける切符は数に限りがあります)
The bar is for members only.(通例only は修飾する語の前に置かれるが、ここでは例外的に修飾する語の後に置かれています)。「そのバーは[会員たち]だけのためのもの⇒そのバーは会員専用である」
You only have to look at her to see she doesn’t eat enough. (彼女が十分に食べていないということが分かるには[彼女をみなければならない]だけだ⇒彼女を見さえすれば彼女が十分食べていないことが分かる)
Only five people turned up. ([5人が現れた]だけだ⇒それ以外は何も起こらなかった)
「述べたこと(或いは、これから述べること)は他の状況や場所等には適用されない」という時に。
I agreed, but only because I was frightened.(私は同意した、しかし[私は怖かったから]だけだ⇒怖くなかったら同意しなかった)
Children are admitted only if accompanied by an adult.(子供たちは入場を許される、(それは)[もし成人に付き添われているならば] だけ⇒成人に付き添われている場合にだけ子供たちは入場を許される)。
「ただ単に・・・なだけ(重要でもないし、興味深いわけでもないし、決して本気でもない等)」という時に。
It was only a suggestion.(それは[提案]だけだった⇒ただ単なる提案だった)
Don’t blame me. I’m only a messenger! (私を非難しないで。私は[使いの者]だけなので⇒私は使いの者に過ぎません)
He was only teasing you.(彼は[あなたをからかっている]だけでした)
「・・・よりも多くない、長くない」という時に。
She’s only 21 and she runs her own business.(彼女は[21歳]だけで、自分で商売を経営している⇒たったの21歳で)。『[21歳]だけ』という日本語からはイメージが湧きにくいですが、我々は「彼女は21歳だ」と聞くと『21歳というものに付随する肉体的、精神的、社会的経験』も合わせてイメージするハズです。
It took only a few seconds.([数秒]だけかかった⇒数秒しかかからなかった)
「・・・までは・・・ない⇒・・・になって始めて・・・」という時に。強調ですからなくても意味は通じます。
We only got here yesterday.(我々は[ここに昨日着いた](だけ)です⇒ここについ昨日着きました)。
Only then did she realize the stress he was under.([それから](だけ)彼女は彼のストレスに気がついた⇒その時まで彼女は彼のストレスに気がつかなかった)。
「・・・することができるだけだ(十分ではない)」という時に。
We can only guess what happened.(我々は[起こったことを推測すること]だけができる⇒推測しかできない)
He could only watch helplessly as the car plunged into the ravine.(彼は[その車が渓谷に突っ込むときにどうしようもなく見ていること]だけができた⇒見ているだけだった)
I only hope that she never finds out.(私は[彼女が決して気がつかないといことを望む]だけだ)
「悪い結果をもたらすだろう」という時に。
If you do that, it will only make matters worse.(もし君がそれをするならば、それは[物事を更に悪くする]だけでろう)
Trying to reason with him only enrages him even more.(彼を説得しようと試みることは[彼をもっと怒らせる]だけである)
「only to do something」の構文で「何かをやった後ただちに驚きや失望することが起きる」時に。
She turned up the drive way, only to find her way blocked.(彼女はその私設道路を見つけた、(しかし)[彼女の行く手がブロックされているのをみつけた]だけ⇒その私設道路を見つけたが行く手はブロックされていた)。
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